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1【突然の雨】

“『メイド』とは、至高であり真理である”


こいつ何言ってんだ?

頭おかしいんじゃないか?

と思ったあなた。

先に言ったことは別に忘れてくれて構わない。

ただ俺こと双葉 透が『メイド』が大好きであると言うことさえわかってくれれば十分だ。


そんなメイド大好き少年である松平 翔は、学校の帰りに買い出しに行っていた所、突然の大雨に襲われ走って家に帰っているところである。


「くそっ!

折り畳み傘をカバンに入れとくんだった!」


何故か折り畳み傘って一度使うとそのまま放ったらかしにして鞄の中に戻すの忘れちゃうよね?

ほら、小学校の時の置き傘とか一回使うと当分持って行かないから次雨降った時、濡れながら帰らなければ行けなくなるみないな感じ。


「確かこっちの方が近道だったよな?」


普段は通らない公園を突っ切るルートで帰ることにした。


何故近道って知っていて普段は通らないのかって?

この公園って結構大きいし花とか咲いてて綺麗なので晴れている時はリア充共がそこらじゅうにいてストレスが溜まって仕方ないのである。

あとこの公園って大きいからか奥の方はあまり手入れされてなくホームレスのたまり場になっているらしい。

あれだよ、光あるところに影あり的なやつ。

このような理由から普段はこの近道は使わないようにしていた。


「あ」


公園の真ん中を少し過ぎた所にあるベンチに少女が傘もささずにただ顔を上げて座っていた。

年齢は俺と同じぐらいだろうか?

少女は俺の声に気づいたのか一瞬だけこっちに視線を向けすぐにまた上を向いた。

ずぶ濡れになっているため下着が見えているということはないが服が身体に張り付いており身体のラインが浮かび上がっている。


とても素晴らしい体型です、はい。


顔は長い黒髪が雨のせいでべたっと顔に張り付いており顔をしっかりと確認する出来ないが少し見えている目や口元から相当に整っていることが伺えた。

そしてその少女の足元にはキャリーケースが置いてあった。


もしかして家出かな?

声かをかけた方がいいのか?

それともこのまま見なかったことにすればいい?


「ん?」


どうするべきなのかを考えながらふと少女の方を見ると目元から首筋にかけて一筋の涙が滴ったような気がした。


あれ?

今、涙みたいなの見えなかったか?


もしかしたら俺の見間違えで目元に落ちた雨が滴っただけかもしれない。

だが一度それを涙と認識してしまった俺は止まることが出来なかった。

別に困っている人を助けたいとか善人ぶるつもりはない。

だが、男として涙を流している美少女をそのまま見捨てるというのは俺のちっぽけなプライドでは許せなかった。


「あの、君。

いくら夏だからって雨の中でこんな所にいると風邪ひくよ」


もっと気の利いた言葉をかけれたら良かったのだろう。

だが俺は女性とお付き合いをしたこともなければまともに話したこともほとんどないので許してもらいたい。


「ほっておいてください」


淡々と言った少女の言葉は俺には何故かとても冷たく、そして涙声のように聞こえた。

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