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第9章 改正

第九章 改正

第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。


第11章 憲法改正


桃子がお手洗いに行ってから、伊野上はパソコンをじっと見ていた。

「なにしてるの」

「次のやつをちょっと調べてるんだ」

憲法改正について調べているすぐ横で、桃子はノートを広げた。

「何してる」

「宿題の残りがないかを見てるの」

「そっか」

伊野上は、そのままパソコンを触り続けていた。

「それで、次は第9章だったね」

桃子がノートをしまうと、伊野上のすぐ横へやってきた。

「1条しか条文がないけど、ものすごく重要なものなんだ」

「どんな内容?」

「憲法改正に関するものだよ。

第九章、改正

第九十六条、この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、憲法改正を発議し、国民に提案してその承認を受けなければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の時に行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

 2、憲法改正について前項の承認が決定された時は、天皇は、国民の名の(もと)に、この憲法と一体を成すものとして、すぐに憲法改正がされたことを公布する」

「特別な国民投票って、『国民投票法』のこと?」

「そうだね」

桃子が言ったことに対して、すぐに別のページを立ち上げる。

「正式には、『日本国憲法の改正手続に関する法律』っていうんだけどね」

さらっとページをめくって、大まかに説明する。

「『この法律は、日本国憲法第九十六条に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)について、国民の承認に係る投票(以下「国民投票」という。)に関する手続を定めるとともに、あわせて憲法改正の発議に係る手続の整備を行うものとする。』[同法第一条]」

「大まかっていっても、これぐらい?」

「うん。この法律の第1条目は『趣旨』という事になってるんだ。だから、ものすごく大まかに言ったらこんな感じ」

「へー」

桃子は、そのことを聴きながら、思っていることを聞いてみた。

「じゃあさ、『国民投票』ってどういうふうにするの」

「憲法に関しての国民投票だね。第2章に詳しく書かれてるんだけど、『日本国民で年齢満十八年以上の者』[同法第三条]が対象になるんだけど、『成年被後見人は、国民投票の投票権を有しない』[同法第四条]っていうことになってるんだ。後見人については、詳しくはしらない」

伊野上はネットを見ながら言った。

[作者注:後見に関しては、民法の該当する条項を参照してください]

「じゃあ、なんで天皇が憲法改正が国民投票によって承認された時に広めることになるの?」

「天皇の国事行為というのがあるんだ。前にも見ただろ、日本国憲法第7条1号に憲法改正の時には、国内外に知らしめるために発表するんだ。だけど、まだ一度も行ったことはないけどな」

そういいながら、伊野上はネットの海に潜り続けている。

「そうそう、憲法改正の仕方というのは、さすがに国によって変わってくるし、時代によっても違うんだ」

「大日本帝国憲法の時には、国会だけで決めれたんだよね」

桃子が手にしているのは、中学で使っている教科書片手に言った。

「そう。そういうタイプの憲法改正の仕方を、"軟性憲法"っていうんだって。ここでいう軟性っていうのは、あくまでも"硬性憲法"との対比で使われてるだけだから」

「軟性憲法って、普通の法律と同じように憲法も変えれるっていうことよね」

「憲法も国家の基本法ととして捉えて、一般法と同様に変えれるようにするっていうことだよ。そのようにして憲法を改正することができる憲法を、軟らかい憲法で軟性憲法っていうようになったみたい」

[作者注:大日本帝国憲法は、国会のみの審議で憲法改正できますが、特別過半数が必要となるので厳密には軟性憲法ではありません。大日本帝国憲法第73条2項参照]

「さて、そんなことよりも」

伊野上は桃子の方に向き直って伝える。

「この条文ばかりやってるわけにもいかないし、もうちょっとでこいつも終わるからちょっと休憩してから続き行こうか」

伊野上は立ち上がって伸びをした。

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