7.嫌な予感
初めて友輝を連れて戻ったふるさと・・
けれど待っていたのは地獄のような生徒との出会いだった・・・
やっとの思いでつかんだ幸せが壊れてしまう、そう思った時だった・・
7.嫌な予感
街に入るとちょっと怖くなって足がすくんでしまう・・・けれど友輝が手を握ってくれた。だから安心することができた。
「ここが・・・雪の街か・・いいところだな」
「う・・うん」
なだめてくれようとしてるのか、抱き寄せてくれた。
「大丈夫だ」
「ありがとう」
2人並んで歩く・・友輝は飲み物を買ってくるといって店に行ってしまった・・・
「はぁ~」
溜息さえ白くなって消える・・なんやかんや言って楽しかった・・・
「うわぁ~・・・小野寺じゃん・・最近見なくなったのになんで戻ってきたの?」
その時同じクラスの女子と会ってしまった・・囲まれて動けなくなった。また心が壊れる音がした・・
「何度言っても無駄なのね・・お前は必要ないの。だから消えてよ」
何も言えずに立ち尽くす。
(誰か・・・助けて・・・!)
目をつむって心の中で叫ぶ。怖い思いをしたくなかったのに・・・
「おい。お前ら・・俺の雪に触るな」
私を含め、全員が声の主のほうを向いた。その目線の先には友輝がいた・・
「友・・・輝・・・」
震える声で友輝の名前を呼んだ。助けに来てくれたのだった・・・
「え・・めっちゃイケメン・・・」
「かっこいい!」
女子たちは友輝のほうへと近づいて行った・・・
「ねぇ!こんな子ほっといて私たちと遊びましょう?」
友輝は女子たちを振り切って私の手を取って歩き出した。
「ちょっと聞いてるの?!」
「お前らみたいな可愛くもなくて性格ブスな奴らとは話すこともない!行くぞ雪」
そう言ってすたすたと私の家にむかった。中に入るなり、友輝は私を抱きしめた。
「友輝・・?」
「お前の学校はひどいな・・・行きたくない理由もわかる」
私のほほにキスを落とす・・・・そっと離して・・
「雪は誰にも渡さない・・だから・・・」
すると私の体が傾いていった・・・友輝の声が遠く聞こえた・・・名前を呼ばれている気もしたけれど意識が遠のいていった・・・・
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雪が倒れ、俺は病院へと運んだ。診察をしてもらい、結果を待った。医師から聞かされたのは聞きたくもないようなことだった。
「白・・血病・・・雪が・・?しかも余命が・・・1ヵ月・・なんて」
言葉がもうでなくなってその場に座り込んだ。
「残念ですが、残りの1ヵ月 そばにいてあげて下さいね」
医師の言葉が深く胸に刺さった。
(なんで・・なんでなんでなんで!!)
叫び声のように心で叫んでいたくなる・・・もう雪を失うことが怖くて・・・
(雪・・・・)
やっと助けられたにもかかわらず、雪は白血病だったことを知らされる・・
友輝にとって大事なものが崩れてしまうようだった。
果たして雪にこれから寄り添っていけるのだろうか・・・
8話に続く~