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雪へと消える  作者: 桜霧 風華
6/11

6.自分の光

目が覚めると、いつも通りの朝を迎える。

昨日の友輝を思い出して動揺してしまう雪

そこで友輝は急なお願いをした・・・

6.自分の光


 目が覚めて起き上がる。ぼやぁっとしたところから一気に昨日の記憶がよみがえってくる。

(あぁ・・!もう・・やだ・・!!)

頬が赤くなっていくのを感じて無意識に顔を覆う。今までこんな感情がなかったから戸惑って仕方がなかった。


「う~ん・・・雪?起きたのか?」


「あ・・うん・・!」


声が裏返ってしまった。恥ずかしくてまた毛布にくるまってしまう・・


「何赤くなってるんだ・・?おーい雪~」


「なんでもないよ・・・!」


(これなら、顔を見られることもない・・・!)

やっと解放される・・そう思っていた・・・


「何でもないわけがないだろ?隠すようならこっちにも考えがあるな・・」


「え?」


その時、部屋が急に静かになった。誰もいないかのように静寂に包まれる。不安になって友輝を呼んだ。


「友輝?」


返事がなかった。


「友輝・・どこにい・・・きゃあ!」


いきなり毛布ごと何かに包まれた。身動きが取れずごそごそと音を立てるだけだった。


「友輝・・!はなして・・・!」


私を毛布ごとぎゅっとして離してくれず、耳元から声がする。


「理由話すなら離してやるよ・・どうする?」


おちょくってくるような言い方で、少し嫌だった。

(友輝ってこんな性格だっけ・・?)

びっくりするくらいだった。変わってしまったとしか言いようがなかった。けれどこれも、友輝の一面なんだと実感した。


「わかったから・・・!話すから許して・・!」


「よし・・」


やっと毛布から離れてくれた。毛布から顔を出してみた。


「で、どうしたんだ?」


「その・・昨日のことが恥ずかしくて・・・」


(自分でも言いたくないのに・・!)

また心が乱れてしまう。ぐちゃぐちゃになった心を何とか戻そうと必死で頭が働いていく。


「あれでか・・・まぁいいか・・かわいいのは事実だしな!」


「かわいくなんか・・・んっ・・!」


怒って顔を出した瞬間、唇を奪われる。


「んんっ・・・とも・・き・・っ・・」


話す暇もなく、深くキスされてしまう・・頭が働かず、真っ白になっていく・・


「いい顔・・やっぱり雪はかわいいよ・・その顔は俺だけに見せてろよ?」


「--っっ」


また顔を赤くしてしまった。ぎゅっと抱きしめられてぬくもりをまた感じた。

(生きてる意味がやっと分かったかもしれない・・・私は・・・)

自分は友輝を笑顔にするために生まれてきたのかもしれない・・・そう思った。


「なぁ、雪の街に行ってみたい」


「え?」


突然のことで固まってしまった。これで二回目だった・・


「学校には行かない。だからダメか?」


(私は・・・)


「いいよ」


「ありがとうな。じゃあ行くか!」


「今から?!」


手をひかれるまま、外へと飛び出す。肌寒い11月。私には友輝がまぶしすぎて、暖かいと思えた。

この後、人生で一番嫌な日になるとは知らずに・・・


雪の街に行こうとする二人。

この後のことも知らずに、二人は駆け出した。

雪の街では何が起きるのか・・・

4話に続く~

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