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雪へと消える  作者: 桜霧 風華
10/11

10.宿と雨

途中で雨に打たれてしまった2人

寒さが増す中ようやく宿を探すことができた。

2人体を寄せ合って暖かさを取り戻していくが友輝の様子がおかしくて・・・

10.宿と雨


 なんとか近くの宿をとることができ、浴衣に着替えて私たちは服を乾かした。


「ひどい雨だな・・・これじゃ今日中には帰れそうにないな・・・」


「そうだね・・」


窓の外は大荒れで溜息しか出なかった。寒くなってきて体が震えた。


「寒いか?」


「ちょっとだけだよ、大丈夫・・」


夜の荒れた海を眺めてから布団に入ろうとした。


「じゃあ、しばらくこうしてるから」


「え・・?きゃっ」


友輝は私を抱きしめて座った。びっくりして友輝のほうを見た。


「友輝・・・」


「雪のほうがあったかい・・」


「ちょっと・・・んっ・・」


振り向いてすぐに唇を奪われる。角度を変えて与えられるがままにキスを受け止める。


「・・っん・・とも・・・き・・・」


「雪・・・っ・・」


舌が入ってきては戻ってと、徐々にキスが深くなっていく。恥ずかしさのあまり、体が熱を持った。どんっと音がして布団へと押し倒される・・


「友輝?」


「雪・・俺止まらない・・どうしたらいい・・・雪が欲しい・・・」


熱っぽい瞳が私を映していた。そんな友輝が愛しくて首に腕を回して引き寄せた。


「いいよ・・友輝にだったら何されてもいい・・・大丈夫だから」


「雪・・ありがとう・・・」


そしてもう一度唇が奪われる。友輝の唇が下へと降りていく。そして首筋へと触れる。


「っあ・・」


声が出てしまう・・・友輝に溶かされていく・・・少しずつ乱れる息を浴衣がさらに体を熱くした。そして私からも友輝にキスをした。驚いた顔がずっと目に焼き付いていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーー


ぎゅっと心と体が掴まれる。声にならなくなっても名前だけを呼び続けた。


「とも・・き・・・っあ・・」


「雪・・雪・・・!」


病気の雪に無理をさせたくはなかった・・・けれどもう止まれなくなっていた。


「あぁ・・っん・・」


身を任せて手を伸ばしてくる雪がかわいくてどうしても加減ができなかった。ぎゅっと抱きしめて縺れるように俺は雪を抱いた。

雨の中、甘い夜は少しずつ更けていった・・

一夜を共にした2人・・・

そんなことをしてもいいのかと責める友輝だったが、雪はそれを許した。

皮肉にも病気は雪の体をどんどんむしばんでいく・・・

11話に続く~

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