ルイン攻防戦
魔族進行へ対抗するため、続けて会議は行われた。内容はどう敵の攻撃に対処するか、だ。
一先ず町の上層部の人間を首都へ逃さずに町に留めることは世莉架によって成功した。しかし、一番の問題はそこでは無い。
「さて、相手は俺達より遥かに数が多く、そして魔王軍の幹部クラスがいるかもしれない。そんな奴ら相手に良い策がある者は挙手を」
アルファが告げた事実は相当に深刻な内容である。対策なしではいくらアルファ達がいるとしても制圧される可能性はかなり高い。ここをしっかり練らなければ勝利は無い。
「……」
皆考えているがそれでも良い案は浮かばないようで挙手する者はいない。
「まぁ、そうなるよな。この現状を打破するためにはどうしても人手が足りない」
アルファ自身も良い案は思いついていないようだ。
しかしそこで世莉架が手を挙げる。
「お、何か良い案があるか?」
「いえ、その前にまた確認したい事があるの。現在この町にいる冒険者と兵士の数は?」
世莉架の質問にアルファは少し考えて答える。
「冒険者に関しては今クエストに行っていていつ帰ってくるのか分からない奴らが多少いると思う。三日以内に帰ってくるパーティがどれくらいいるかは分からないが、ほとんどの冒険者が決戦前には集まると思う。そうなると……何人くらいなんだろう。おい、マスター」
そこでアルファはある人物に目を向けた。そこにいたのは屈強な戦士という言葉がよく似合う四十代ほどの男性。
(なるほど、彼がギルドマスターね)
そう、その人物はルインの冒険者ギルドを束ねるギルドマスターだ。
「そうだな……三百人くらいになると思う」
三百人。相手は万を超える数だと言うのに冒険者は三百人しかいない。これだけでも戦力差は圧倒的だ。
「そう。兵士は何人くらい?」
「兵士は四百人程だ」
その問いには町の上層部の人間の一人が答えた。
「ということはこちらの戦力はおよそ七百という事になるのね」
「絶望的な数字だが、そうなる。更にそこから首都へ逃げる市民の護衛に人を割かなければならないんだから困ったもんだ」
もうここまでの話で意気消沈してしまう者も多い事だろう。中にはどうやってバレずに逃げるか考えている者がいるかもしれない。
「護衛にはギルドからBランクとCランクとDランクの冒険者合わせて五十人、兵士五十人の計百人を付けましょう」
「ほう。それは何故?」
「少なくともS、Aランクの冒険者は戦力的に町に残ってもらわないと困るでしょう。また、私のようなランクの低い冒険者は弱い敵でも負ける可能性がある。魔族に他の部隊がいなかったとしても一般市民全員という大人数が首都へ大移動してたらどこかで何かしらの脅威に出くわす可能性は高い。その時ある程度経験があってそれなりに戦えるくらいの人が一番適役だと思う。そして人数的にも全市民を一定間隔で囲みながら進むとなると百人くらいがギリギリ全市民を囲む事ができると思うわ」
「なるほどな。兵士にも一応ランクがあるがどうする?」
「なら兵士も同じように真ん中くらいのランクの人を護衛に付けましょう」
世莉架とアルファの二人で話が進んでいく。しかし特に口を挟む者はいない。
「すると町に残る戦力は六百。ここからどうするか……」
「また質問なんだけど、魔族は幹部クラス以外は知能が低いのよね?」
「あぁ。数は多いが、固まっているところにデカイのをぶち込めばかなり数を減らせるだろう」
「そしてそれほどの魔法を行使できるのが貴方とエルファね?」
「あぁ。俺達ほどじゃなくても良い腕の魔術師や剣士は沢山いる。だから案外対抗できると思う。けどそれは一番低レベルの魔族の話だ。知能は低いが純粋な攻撃力、素早さを持っている魔族も多くいる事だろうからな」
「なるほど……それなら」
それから数時間に渡って作戦会議は行われた。気づいた頃には外は暗くなっていた。
「セリカ」
ぞろぞろと皆が疲れた顔で部屋を出て行く時、世莉架をアルファとエルファが引き止めた。
「どうしたの?」
流石のアルファ達も疲れた様子だが、世莉架には全く疲れた様子はない。
「まずはお疲れ様。多分セリカがいなかったら今回こんなに有意義な会議は出来なかったわ」
「そうだな。正直驚いた。お前がここまで頭のキレる奴だったとは。初心者ってのが尚更疑わしいぜ」
二人は世莉架に労いと賞賛の言葉を贈った。しかし、実のところ世莉架は、作戦会議に参加し、色々な案を出し、とても頭の切れる人物のように振る舞いはしたが、その内容は適当であった。勿論、世莉架は最善の作戦を思いついていたし、地球にいた頃の膨大な知識からいくつもの選択肢を導き出していた。頭脳も天才である世莉架には造作ないことだ。しかし、ここでそんな能力をひけらかす必要はない。あくまで穏便に会議を終わらせ、形だけでも作戦を作っておこうという考えがあったためである。
世莉架は、この作戦に途中までしか参加するつもりはない。何故なら、世莉架の目的はルインを守ることではなく、魔族を殲滅することだからだ。この作戦で何人死のうが、結果的に襲いかかってくる魔族を殲滅できればそれで目的は達成されるということである。それに当たり、とりあえず作戦を立てておくと、どうしようもないほどのイレギュラーでも起こらない限り、兵士や冒険者達は作戦に従って動いてくれる。そうすれば、人がいなくなるエリアを作ることができたり、邪魔な人間を一箇所に集めることも可能になるのだ。
「ありがとう。今回会議が有意義に終わったのは貴方達がいてくれたからであって私の力では無いわ」
「謙遜すんなって。それにしても明日から忙しくなるな」
「そうね。一般市民を首都へ送り出し、それから襲撃に備えて色々と準備しなければならないからね」
「あぁ。だから今日はゆっくり休んでくれ。じゃあまた明日な」
「えぇ」
世莉架はアルファと別れを告げ、アルファは部屋を出て行った。
「セリカ」
部屋にはエルファと世莉架の二人だけになった。エルファは先程よりも少し低いテンションで世莉架に話しかける。
「何?」
「あ……えと、その」
エルファはよく考えずに話しかけてしまった事を後悔した。エルファは世莉架の目の奥で燃えていた異常な程の怒りの炎についてさりげなく聞こうと思っていたのだが、なかなか思い切れずに吃ってしまった。
「どうしたの?」
「う、うん。まぁその……セリカはなんかこの町の人間に恨みがあったりするの?」
「え?」
世莉架は少し驚いた。まさか自分の怒りが気づかれたのかと。エルファくらいの人間になれば人の感情を読み取ることくらい簡単なのかもしれないと世莉架は気を引き締めた。そう、ここは魔法が普通に存在する異世界。地球で通じた事がこの世界では通じない事くらい当たり前にあるだろう。
「あ、いやごめん。デリケートな部分に踏み込んじゃったかも。今のは忘れて?」
「……別に大丈夫よ謝らなくて。それにね」
世莉架はたじたじしているエルファに近づき、左手でエルファの右手を握り、右手で顎をクイッと上げて至近距離で微笑む。
「あ……」
「誰にだって秘密の一つや二つくらいあるものよ。気にしないでいいわ」
エルファは顔を真っ赤にしている。案外ピュアなんだなと呑気に考えている世莉架であったが、世莉架ほどの美人に顎をクイッとされて更に至近距離で微笑まれたら誰だって顔を赤くするだろう。
世莉架はスッとエルファから離れる。
「それじゃあまた明日ね、エルファ」
「う、うん……」
エルファは世莉架が部屋を去った後、少しの間魅惑的で魅力的な世莉架を思い出してぼーっとしていたのだった。
**
世莉架がギルドへ戻るとメリアスとハーリアはそこでご飯を食べていた。
「待たせたわね」
そこに近づくと二人は不安そうな顔をして話しかけてきた。
「世莉架! 会議はどうだった?」
「まずまずといった所ね。それで粗方の作戦は出来たから明日から私達も攻防戦のために必要となるものを準備したり手伝ったりして忙しくなるわよ」
「攻防戦……本当に大丈夫かな。数的不利は間違いないし、そこに幹部クラスまで加わったら……」
ハーリアは食事する手を止め、俯いてしまう。
「なんとかするしかないわ。そして不安があるのは当たり前よ。その不安を少しでも和らげ、私達が勝利する可能性を少しでも上げるのに必要なことは念入りにする準備。もう猶予は少ないけど、やれることをしましょう」
「……うん。そうだね」
ハーリアはまたそこでネガティヴになることはなく、きちんと前を向いた。
「今日は早めに寝ましょう。作戦や色々な準備に関しては明日説明するわ」
そうして世莉架達は夕食後すぐに宿へ戻り、翌日に備えて早々に眠ることにしたのだった。
翌日、朝の早い時間に起きた世莉架達。外が騒がしい事が気になったメリアスがカーテンを開けて外を見てみる。
「……あんまり見たく無い光景だね」
そこには不安と恐怖の表情をした多くの一般市民達。昨日には既に魔族達のことは一般市民に伝えられていたが、首都へ向かうのは今日になっていた。そしてこんな朝早くでもとにかく安全な所へ逃げたいと思った多くの一般市民達が外で大行列を作っていたのだ。
絶望的な雰囲気が支配する重苦しい状況。見ている人まで不安になり、恐怖を増してしまうような光景に、メリアスはカーテンを閉めた。
「一般市民が全員いなくなるまで外でまともに動くことはできなさそうね。朝食を摂ったらここで作戦の説明をするわ」
「了解」
「わかった」
二人の返事を聞いた世莉架は頷いた。
それから朝食を終えた三人はテーブルを囲んでいた。
「それで作戦は?」
メリアスが尋ねる。
「まず大前提として私達は圧倒的に不利。腕の立つ冒険者も結構いるようだけど、それでも純粋な数の暴力に対してはなかなか厳しいところがあるわ。けれどこちらは敵がここに近づいている間に色々な罠や一気に敵を殲滅できる作戦を用意できる。そこだけがこちらのアドバンテージよ」
「アルファとエルファって人もいることだしね」
「えぇ。今回の作戦の肝となり、かつこちらの最高戦力は間違いなくあの二人よ。あの二人がこの作戦の大きな鍵を握っているわ」
実際はその最高戦力に世莉架も加わるのだが、ハーリアの手前、それは伏せられた。
「まず冒険者のランク、兵士のランクによって配置される場所、役割が異なるわ」
「私達はどこに配置されるの?」
「冒険者初心者の私達は……というかメリアスはそもそも冒険者じゃ無いんだけど、とにかく私達は北部にある学校周辺に配置されるわ」
学校、という言葉にハーリアはピクッと反応する。現在ハーリアは休学中ということになっているが、本来ハーリアは今も学校に通っているはずだったのだ。
「北部にある学校? なんで?」
「そもそも魔族達は北部から攻めてきている。そうなると当然町の北部に色々と準備することになる。魔族達と一番最初に当たる第一線は基本高ランクの冒険者と兵士が務めるわ。第二線、第三線は基本中ランクの人達が、そして一番後ろの第四線が基本低ランクの人達が担当するわ。勿論、全ての場所に高ランクの人達が多少はいるけどね」
「なるほど。それで第四線は学校あたりになるんだね」
「そうよ。そして私達もずっと後ろの方で黙っている訳じゃない。敵を倒すための罠をかけたり、兵器などを扱うだけなら低ランクでもできるからね。これらが大まかな配置よ」
「作戦の概要は分かったけど、もっと詳しい内容は?」
ハーリアが尋ねる。まだ分かっているのは配置だけだ。
「もっと詳しい作戦内容は外に出て色々と準備を手伝いながら説明するわ」
ということで三人は宿で大人しく一般市民がいなくなるまで待ち、いなくなった所で外に出て冒険者や兵士たちと合流し、作戦に必要な作業をこなしながら作戦を覚えていった。
**
「そろそろだよね……」
魔族の軍団が近づいていることに気づいてから三日が経った。アルファがルインに到着すると予想した日になったのだ。
朝から既に全員が配置されている場所についている。やはり緊迫した空気が蔓延している。
「もういつ来てもおかしくないでしょうね」
世莉架達の後ろにはハーリアが通っていた学校がある。そこが最終ラインだ。そこを突破された時はすなわち、この町の敗北となる。
「ここは私の育った町。絶対に守ってみせる」
ハーリアは覚悟が決まっているようだ。これから始まるのは平和なフェンシェント国の住民では混乱必至の攻防戦、つまり戦争だ。周りには初心者の冒険者や兵士だらけなためか、皆不安そうで憔悴している。そんな中、まだ十七歳の少女が覚悟と気高き決意を胸にこの場に立っている。
「えぇ。絶対になってはいけないことはパニックに陥る事。常に冷静に、頭は冷やし続けなさい」
世莉架は世莉架なりのエールをハーリアに贈る。ハーリアはしっかりと頷いた。
「うぅ。私は心配でお腹痛いよ……」
しかしメリアスは顔色が悪い。
こいつ一応神なのになんでこんな弱々しいんだ、と思わざるを得なかった世莉架だった。
それから時間が経ち、お昼時になった。
「お昼になったね」
メリアスはすぐにお昼を配っているところに行ってしまった。
世莉架とハーリアはゆったりとそこへ向かう。
「やっぱり明るい時間帯には来ないのかな?」
ハーリアが世莉架に話しかける。
「そうね。普通は夜の方がいいでしょう。けど分からないわ。そうやって油断しているときに突然現れるかもしれないからね」
「うん。疲れるけど、常に気は張っておこう」
「今はいいわ。ずっと気を張っていてはいざというときに力を発揮できなかもしれないからね」
「確かにね。じゃあご飯の時だけはゆったりしようかな」
そんな会話をしてご飯を食べ、また魔族の襲撃を待つことになった。
そして時刻は午後七時。日は完全に落ち、外は暗い。そんな時だった。
「!」
第一線の人達がいるあたりから一つの信号弾のようなものが撃ち出された。その色は赤である。
「来たわね」
そう、それは魔族達の姿が確認できたということだ。
「二人とも大丈夫?」
「大丈夫」
「な、なんとか」
まだ少し震えて世莉架の後ろに隠れているメリアスに苦笑しながら、世莉架は前を向く。
今回の攻防戦の目的は魔族達を退け、もしくは殲滅して町を守り抜くこと。しかし、世莉架には他にも目的があった。
(さてと……これからどれくらい戦いが続くのか分からないけど、集中しないとね)
世莉架は一度目を閉じ深呼吸をしてからゆっくりと目を開ける。ついに戦いが始まる。
場所は変わり、第一線の冒険者、兵士がいる町の最北部。町の北側には城壁があり、その城壁の上に第一線の者達はいた。
「きたな。よし、信号弾を放て!」
第一線にいるアルファが魔族達の姿を確認し、信号弾を放つように言う。
アルファ、エルファを筆頭に、第一線にいるのは誰も彼もが経験豊富でその中でも秀でている精鋭ばかりである。この集団に真っ向から立ち向かう勇気のある者など世界を見てもほぼいないだろう。
「皆、分かっているな! 基本的には作戦に沿って動いていく。しかしこれは模擬戦ではない。本当の戦争だ! 作戦通りに進むことはほぼないと思え。だからこそ、皆それぞれがどう行動するのがいいのかしっかりと考え、臨機応変に対応しろ! 戦いが本格的になったら俺達も他の場所の救援に行けるか分からない。だが、死ぬことは許さん! 皆絶対に生きて勝利するぞ。いいな!」
アルファの言葉に、聞いていた者達は一気に士気を高め、武器を手にして雄叫びをあげる。
そんな風に士気を高め、皆について行きたいと思わせることができるのがこのアルファという男だ。人の上に立つために必要なカリスマ性があるのだ。
「よし! では全員、作戦通りに行くぞ!」
それから第一線の者達はすぐに準備をし始める。
「ふー……」
アルファとエルファは一人ずつで、他の者達は何人かで固まって何かに集中し始める。
アルファの手の周りには赤色の光が、エルファの手の周りには黄色の光が集まっていた。その二人以外の者達の間にも色々な色の光が集まっている。
「皆、準備はいいか?」
アルファが声をかけると全員が頷いた。
「よし、ならこのまま少し待て。奴らがもっと近づいてくるのを静かに待つんだ」
魔族達は町が見えたからか、全速力で町に向かってくる。オークは当然のこと、他にも沢山の魔族がいた。そしてその数はやはり多く、見渡す限り魔族しかいないという地獄のような光景になっていた。
しかし、アルファ達の目は希望に満ち溢れている。人間を舐めるなと、お前達に負けはしないという闘志が湧き上がっている。
「もう少し……」
魔族達はどんどん近づいてくる。もうすぐにでも町の城壁に到達し、門をこじ開けようとしてくるだろう。
「もう少しだ」
魔族達の中には弓兵もいるようで、空を埋め尽くすほど大量の弓矢を放って来た。しかし、何のエンチャントもない弓矢など、魔法で簡単に防げる。
アルファ達の少し後ろにいた魔術師達がアルファ達の前に障壁を張り、弓矢を防ぐ。
「……よし、今だ! 奴らを吹き飛ばせ!」
そうアルファが言い放つと、それまで魔法を撃てる状態にしていた冒険者と兵士、当然アルファとエルファも同じように魔法を放つ。
それらはすぐそこまで迫っていた魔族の軍団に直撃した。
「これは……」
直撃した時の衝撃は凄まじく、世莉架達のいた場所にも大きな振動と轟音が鳴り響く。
「ついに始まったわね」
これこそが開戦の合図だ。
第一線にいる精鋭達の魔法は一気に何百、何千の魔族を消し去った。特にアルファとエルファ。他の冒険者や兵士達は数人がかりで集中して魔法を練り上げて放った。その破壊力は凄まじいが、それでもアルファとエルファが一人で練り上げて放った魔法の威力より低いのだ。
アルファの魔法は炎であり、それが一体の魔族に当たった瞬間、とんでもない熱量の炎が超広範囲に渡って大量の敵を燃やした。
エルファの魔法は光であり、魔族達の上空に向かった魔法は途中で止まり、魔族達がいる地面に向かって無数の光の矢が放たれた。それもまた超広範囲であり、光の矢に当たった瞬間に魔族は一瞬で塵になった。
「す、すげぇ……」
第一線にいる精鋭達も思わずアルファとエルファの魔法に見惚れた。それと同時にあまりに頼もしすぎる二人に感謝し、更に士気を高めた。
「お前ら! 行くぞ!」
アルファの号令。またも大きな大きな雄叫びが響き渡り、第一線の者達は半分が城壁の上に残って魔法を新たに練り始めた。もう半分は城壁を降りて魔族の軍団に向かって走って行く。エルファは城壁の上に残り、アルファは魔族の軍団に突っ込んでいった。
とうとう戦いの火蓋は切って落とされた。
 




