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(旧) 天才は異世界の救世主[厄災]となる  作者: ポルゼ
第一章 天才は異世界に連行される
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邂逅

 街から西に行くとある山の近くで世莉架はあっという間にホワイトウルフ討伐の依頼をクリアした。通常の狼よりは強いが、大した事はない。またも魔法を使わずに一瞬で終わった。


「……魔法の練習のためにも、もう少し探索してみましょうか」


 正直、依頼が簡単すぎて退屈に思っていた世莉架は更に山の方へ向かう。世莉架はまだまだこの世界のことを知らない。街の周辺までしか世莉架はこの世界を見れていないのだ。

 純粋な好奇心。それによって世莉架は現在歩みを進めていた。魔法の練習はこのまま山へ進んでいけば自然と使う場面が訪れるだろう。

 世莉架が空を見上げる。雲一つない良い天気。鳥が気持ち良さげに飛んでいる。やはりここだけ見るととても世界が破滅しかけているなどと思えなくても仕方がないだろう。

 しばらく歩いていると大きな音が聞こえた。お腹に響くような重い音。ビリビリとした衝撃も襲ってきている。人かどうかは分からないが、明らかに何かが戦っている事は分かる。

 そこから立て続けに大きな音が響いた。それは山の方から聞こえてくる。

 世莉架は様子を見るために少々急いでその音がする方へ向かう。周りに全く人がいない状態なため、世莉架の今の移動速度は異常だ。近くにいた動物達には視認ができずに強い風が吹いただけと思うかもしれない。よってすぐに音のする場所に辿り着く。その音が聞こえる場所に着く前に世莉架は止まり、少し離れたところから様子を伺う。


「あれは……」


 世莉架の目線の先には、二体のモンスターがいた。それは地球では様々な創作物に使われる生物。少なくとも、その名を知らない日本人はいないと言っていいだろう。創作物でしか描かれたことのないその生物は、強く気高く誇り高く、生態系の頂点に立っているという設定が腐る程あるあの生物。

 その二体は睨み合っている。体には傷がついており、喧嘩か本気の殺し合いかは分からないが、その二体の体からは溢れんばかりの闘気を世莉架は感じた。

 本来、その二体の間に入る事は間違ってもしてはいけない。そんな事をして機嫌でも損ねたら一瞬で塵にされるだろう。

 間に入り込んだのが世莉架のような異端の者でなければ、だが。


「!」


 その二体は突然現れた存在に意識を向ける。二体の意識の先には一人の人間。


「……何用だ、人間。一応言っておくが、この状況下では賢い選択をすることを望むぞ」


 二体のうち一体が世莉架に話しかける。世莉架の表情は特に変わらない。しかし、いよいよ現実離れしている光景に少しの感情の揺らぎはあるようだ。


「こいつ……まともには思えん。それになんだかおかしな気配を感じる」


 世莉架はこの時点で目の前にいる現実離れしたものをどう利用するか、どうこちら側に引き入れるかを考えていた。もし難しそうなら消えてもらうだけで、こちら側に引き込めれば後々役に立つだろう。

 そこでその二体が世莉架の思い浮かべる生物かを問う事にした。


「貴方達は……ドラゴンであっているのかしら?」


 世莉架の前には誰もが想像するであろう姿をしている竜、つまりドラゴンがいたのだ。

 最初に世莉架に話しかけたのが全身が白いドラゴン、その後に喋ったのが赤黒い色をしたドラゴンだ。

 世莉架はまず最初にその二体がドラゴンであるかどうかの質問をした。


「いかにも」


 白いドラゴンが答える。その答えを聞いて世莉架はニヤリと笑う。


「そう。流石は異世界。まさかこんな出会いがあるなんてね。それにしてもドラゴンは知性が高いというのは良く聞く話だけど、やっぱり人の言葉が喋れるのね」

「当然。それでお前は何をしにきた? 戦闘音を聞いて興味本位で来たのなら今すぐ去れ」

「別にいいじゃない。私、ドラゴンを見るのは初めてなの。この世界では貴方達のようなドラゴンとは簡単に出会えるものなの?」

「いいや、私達とてこんな風に人間の国に入って街の近くにいる事など滅多にない。それこそこの国には数十年ぶりに来た」


 ドラゴンは人間の一生の中でも出会える者は少ない。そもそも人間の国には滅多に入らないし、人間に興味のないドラゴンが多いのだ。現在、ルインの近くにいるのはとても貴重な事なのだ。


「そう。私は運が良いわね。それでどうしてここに?」

「それをお前に教える必要はない」


 白いドラゴンは突き放すように言う。


「あら。じゃあもう一つ質問するわ。貴方達は敵同士なの? 訳あって人間の国に来たのでしょうけど、どうしてこんな所で戦っているの?」


 それは当然の疑問だろう。理由があって人間の国に来たのに何故かドラゴン同士が戦っているという異常な状況。世莉架だからこそ普通に話せているが、他の冒険者でもない人間なら困惑して恐怖してまともに話せないだろう。


「それも言う必要はない。いいから立ち去れ」

「……そうするわ」


 世莉架が何を聞いても白いドラゴンは全く答えるつもりはないようだ。世莉架は振り返り、来た道を帰っていく。


「あの人間……」


 世莉架が質問をしている最中、黙っていた赤黒いドラゴンは世莉架の背中を見ていた。何か、世莉架に感じたのだ。普通ではない何かを、異常な何かを。ドラゴンが特定の人間を気にする事はほとんどない。世界の中でも圧倒的な強者であるドラゴンを気にさせるような人間など滅多にいないからだ。

 とはいえ、世莉架は帰ろうとしているため、赤黒いドラゴンは特にアクションを起こさなかった。

 白いドラゴンと赤黒いドラゴンが世莉架の後ろ姿からお互いを見ようと視線を変えようとした瞬間にそれは起こった。


「!?」


 二体のドラゴンの視界が揺れた。頭に、体に重くて大きな何かが当たった感触。

 そう、二体のドラゴンの頭上には大きな硬い土の塊があった。それは間違いなく魔法だ。


「な、なんだこれは!? いつこんな魔法を……!」


 ドラゴンは魔法が使える。その魔法は大抵の人間の使う魔法よりかも遥かに速く強い。そんなドラゴンが頭上に出来上がっていた土の魔法に気づかなかった。


「まさかあの人間が……!?」

「待て、もういないぞ!」


 世莉架がさっきまでいたはずの場所に既に誰もいなかった。

 すると今度はどこからか弓矢の形をした巨大な炎が飛んで来た。

 現在、頭に打撃系の攻撃を喰らったドラゴンは軽い脳震盪状態だ。とはいえドラゴンだったからこそ脳震盪だけで済んでいる。

 しかし、その脳震盪は大きな隙を生み、目の前に迫る攻撃を適切に処理することはなかなか難しい。

 炎の弓矢は白いドラゴンの足に、赤黒いドラゴンの腹部に突き刺さった。二体のドラゴンは呻き声をあげる。


「舐めるなよ人間!」


 だが、ドラゴンはそんなヤワではない。確かに炎の弓矢はダメージを与えたが、既に脳震盪からは復帰しているし、炎の弓矢が消えた後の傷からは早くも出血量が収まり始めていた。

 白いドラゴンと赤黒いドラゴンはそれぞれ口から氷のブレス、炎のブレスを準備している。

 しかし肝心の世莉架が見当たらない。そのため、まずはすぐに攻撃ができるようにしながら世莉架を探す。


「そこか」


 世莉架が周りに生えている木の後ろに隠れている事に気づいた白いドラゴンがその木の方に向けてブレスを撃とうとする。

 赤黒いドラゴンは白いドラゴンと反対に、その事実に違和感を覚えていた。

 世莉架の気配は突然現れたのだ。それまで全く気づかずに探していたが、突然現れた世莉架の気配。何故突然気配を感じることが出来たのだろうか。世莉架に何かがあって気配を殺すことが出来なくなった、という事もあるかもしれないが、既に世莉架がそんな簡単に態勢を崩すような並大抵の人間ではないことはそのドラゴンは分かっている。

 となると、その気配はダミーか、もしくはわざとか。どちらにせよ、怪しい事には変わりない。


「待て、あの気配は罠かもしれないぞ」

「黙っていろ、あんな人間簡単に消しとばしてやる」


 しかし赤黒いドラゴンの忠告を白いドラゴンは聞かない。そして溜めに溜めた氷のブレスを世莉架の気配がする木の方へ撃ち出す。

 そのブレスが木に当たる。その瞬間、大きな氷の爆発が起こり、周囲には綺麗な氷の粉塵が舞った。


「ふん。これで奴は始末した。塵も残っていないだろうな」


 白いドラゴンは勝ちを確信しているようだ。そんな白いドラゴンを赤黒いドラゴンはどこか腑に落ちない様子で見ていた。


「本当にこれで終わったのか……」

「いいえ?」

「!」


 突然、世莉架の声がした。周囲の氷の粉塵は日の光を受けてキラキラしていて反射しており、視界は良くない。そのため、またも世莉架の場所を特定できない。

 赤黒いドラゴンは咄嗟に翼を動かして風を起こし、氷の粉塵を吹き飛ばした。


「どこだ!?」


 必死に二体のドラゴンが世莉架を探す。赤黒いドラゴンは頭上に気配を感じ、見上げる。そこには短剣を持った世莉架がいた。


「この……!」


 赤黒いドラゴンは火と闇属性を組み合わせた魔法を使おうとする。だが、世莉架にとってその時間は長すぎた。


「あら、結構普通に斬れるのね」

「馬鹿な……」


 赤黒いドラゴンが気づいた時には世莉架は足元にいた。そして自分の体にはいくつもの斬られた事による線があった。

 その斬られた線から一斉に血が吹き出す。目にも止まらぬ速さで世莉架は赤黒いドラゴンを何箇所も斬ったのだ。

 ドラゴンの皮膚はとても硬い。なまくらの剣では傷をつけることなどできず、剣の質が良くても使い手によっては全く斬れない。

 世莉架の剣はメリアスに作ってもらったものであるため、当然質は最高級だ。だがその短剣を完全に使いこなし、百パーセント以上の短剣の良さと性能を引き出しているのは紛れもない世莉架だ。

 だがそれでも、ドラゴンは倒れはしない。理由は、まず純粋にタフであることもある。だがそれ以上の理由としては、世莉架の手加減によるところが大きい。

 実は世莉架はまだまだ実力を出していない。今は肩慣らしと、ドラゴンという興味深い生物の強さを測り、かつそのドラゴンに対して自分の攻撃がどれくらい通るのかを同時に測っているのだ。


「おっと」


 そんな世莉架に、完全にフリーの状態になっていた白いドラゴンがすぐさま攻撃を仕掛ける。

 翼の所に白くて途轍もなく凝縮された魔力を込め、世莉架に放つ。

 辺りには轟音が響き渡り、大きな衝撃波と強風が襲う。

 しかし、その攻撃をもろに喰らったように見えた世莉架は、その場所に平然と立っていた。


「何故だ……!?」


 流石に動揺した白いドラゴン。だがそれも仕方ない。先程から世莉架に放たれているドラゴンの魔法、攻撃は人など塵にでき、街に向けて撃っていたらすぐにでも街は崩壊することだろう。そんな攻撃を避けているのか受け止めているのかドラゴン達からしたら謎であり、そのどちらでもあっても異常な事だ。更にはこちらに向けた世莉架の攻撃は簡単に通り、事実ドラゴンの二体は消耗している。


「もっと本気できてもらわないと、練習にならないわ」


 世莉架の顔には落胆の色が見て取れた。それはドラゴンにとって耐えがたい屈辱。誇り高きドラゴンである自分達との戦闘が、たかが一人間の練習に使われており、更には未だにその練習に意味がないと言われているのだ。

 完全に堪忍袋の緒が斬れた白いドラゴンは、とうとう本気を出そうとする。


「後悔するなよ、人間。元々はお前が始めたのだからな」

「えぇ、早く後悔させてみなさい」

「思い上がるなよ!」


 白いドラゴンの体が輝きだす。その姿は神々しく、神か何かと思う人もいるかもしれない。そしてその白いドラゴンを覆っているのは異常な密度の魔力やエネルギー。生身の人間が触れたらそれだけで潰されそうになる程の高濃度さだ。


「これは……」


 世莉架はようやくまともな戦いができると確信した。そして世莉架は一つ、自分に縛りをつけて今の白いドラゴンとどれだけ戦えるのかを調べることにした。


「構えろ、もうお前に余裕はないぞ」

「だから早く……」


 世莉架がいいから早くしろと催促しようとした時だった。

 目の前にいた大きな巨躯を持つドラゴンの姿が一瞬で消えた。


「!」


 それには驚きの表情を浮かべる世莉架。白いドラゴンは世莉架の真後ろに一瞬で移動した。

 白いドラゴンはそこから先程までの魔法の撃ち出す速度を遥かに凌駕した速度で魔法を撃ち出す。

 しかし世莉架はこれを避ける。


「ほう、やはり早いな!」


 そう、世莉架はとにかく早い。それも異常なほど。未だ全力のスピードを出したことはないが、もし世莉架が全力のスピードを出したら追いつける者などこの世にいないかもしれない。

 避けたと同時に白いドラゴンに迫る世莉架。そこからは常人では何が起きているのか全く理解できない速度での激しいせめぎ合いが行われた。

 白いドラゴンは魔法や自身の体術を使って世莉架に攻撃し、世莉架は短剣のみで攻撃、防御を行っている。二人は徐々に戦っている場所が移動し始め、どんどん元いた場所から離れて行く。


「……」


 それを眺めているのは赤黒いドラゴン。現在はドラゴンの高い治癒力と魔法を使って傷を癒している所だ。


「あれは本当に人間なのか?」


 純粋な疑問であるそれは、赤黒いドラゴンだけでなく、誰もが思ってしまうことだろう。それ程に世莉架という人間はあらゆる面で人間の領域を遥かに超えていた。

 赤黒いドラゴンはそれでも、世莉架に強い敵対心を持つことはなかった。そう、赤黒いドラゴンは世莉架に可能性を感じたのだ。現在のこの世界は相当に危険な状態だ。魔王の存在だけだはなく、様々な問題が山積みになっており、そのうち全種族同士の超大規模の戦争が起きるかもしれない。それが起きたら、この世界は間違いなく終わるだろう。生き残れる者がどれほどいるだろうか。そして生き残った者がいた所で文明は遥かに衰退する。

 そしてそんなことになり得るかもしれない、という所まできているのがこのダージスという世界だ。勇者もあまりに好き勝手するため、まともに世界を救う気がないことなど誰にでも分かる。

 とにかく、この世界は危うい。誰かが、いや、全種族の全員が力を合わせなければならない。それができなくても、できる限りお互いに協力することはできる。しかし、世の中にはそれらを拒んだり、邪魔してくる者が少なからずいる。それは地球でも同じことだろう。

 革命が、何か大きな出来事が、皆が意識を変えざるを得ないような事が必要だ。

 そうやって世界は成長していく。地球においても、世界の常識を変える出来事というのは人々の強い意志があってこそなのだ。かの市民革命やフランス革命もそうだ。強い意志があったからこそ起こったのだ。そのような出来事がダージスでも起こらないといけない。現状のダージスのような腐った政治、私利私慾を満たすだけの人々、助け合わず、自分の事だけしか考えられずに起こってしまう内紛。不景気、犯罪、暴力……その他にも問題は多い。

 こんな地獄のようなダージスを変えられるのは、人々の強い意志に加え、指導者や異端な者だ。いつの時代も、世界を変えるのは異端者だ。


「あいつはまだまだ素性が知れないし、むしろこの世界に悪影響を与えるかもしれない。だが、もし……もしかしたらあいつはこの世界を……」


 赤黒いドラゴンは世莉架に可能性を見た。この世界を変える存在になるのではないかと。それだけに、傷が癒えてきていても、白いドラゴンの方に混ざって世莉架と戦うことが最善だとは思えずにその場に留まっている。


「本当に、この世界はおかしくなった。いくらドラゴンである私達が頑張ろうとも、この世界を完全に変えることはできないだろうな……」


 赤黒いドラゴンは空を見て物思いに耽っていた。

 そんな時、かなり離れていた戦闘音がすぐそばまで近づいていることに気づいた。 

 白いドラゴンが赤黒いドラゴンの方に吹っ飛ばされてきたのだ。


「なっ……」


 白いドラゴンを受け止める赤黒いドラゴン。その先にはゆっくりと歩いてくる世莉架の姿。


「なるほど、こんな感じなのね」


 身体中が傷ついた白いドラゴンには既に高濃度の魔力やエネルギーは纏っていない。


「くそ……あいつ異常だぞ」


 白いドラゴンは赤黒いドラゴンにそう伝える。


「そんなの一目見た時から分かっている。全く、お前はどうしていつも考えずに突っ込むんだ。もっと冷静になれ」

「分かっているそんなことは……」


 悔しそうにする白いドラゴン。そして同時に意識を失いかけているようだ。

 世莉架がどんどん自分たちの方へ歩いてきているのを見てまだ戦闘の意志があるのかと赤黒いドラゴンは身構える。


「そう構えなくていいわ。もう十分に分かったからね」

「そうか。それは良かった」


 赤黒いドラゴンは続けて質問をした。


「お前は人間だが、その力は異常だ。正直、人間以外の何かが混ざっているように感じる。他種族とのハーフか何かか?」

「……まぁ、あながち間違ってはいないかもね」


 世莉架の今の力は世莉架が元々持っていた異常な能力もあるが、それに加えてメリアスのギフトによってその異常な能力を超向上させている。世莉架は人間であることに間違いない。だが言ってしまえば、世莉架は神と人間のハーフみたいなものだ。


「そうか。お前は何を目標として今を生きている。お前はこれからどうするのだ?」


 そこが一番気になっている所だった。


「さぁね。私にも分からない。でも……いつかは見つけたいわね。生きる意味を」


 そう話す世莉架の目はどこも見ていないようだった。どこか悲しんでいるようにも、虚しくなっているようにも赤黒いドラゴンは感じた。


「なるほど。まだお前の中で決まっていないのか」


 赤黒いドラゴンは段々と世莉架に興味を持っていっていた。


「お前、名は?」


 そして名を聞く。


「世莉架」

「セリカ、か。私も名乗っておこう。私はルーナ。この白いのはドーバだ」

「ルーナにドーバね。覚えておくわ」

「あぁ。またいつか会おう。その時はしっかりお前と話がしたい」

「それは私も同意見。またどこかで会えたら、その時はじっくり話しましょう。ドラゴンである貴方との会話は有意義になりそうだわ」


 思わぬ収穫であった。世莉架はまだまだこの世界のことを知らない。そんな世界で生きていくには、それも強大な敵を前にするのであれば、利用できるものはとことん使う。いらなくなったら捨て置くか消すだけである。

 そうして世莉架とドラゴン達は別れ、それぞれ目的の場所へ向かうのだった。


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― 新着の感想 ―
[一言] ドラゴン!プライド高いだが理性も悪くないですね。 そしてセリカさんの女神加護は本物ですね。 良き出会いだったかも。
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