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街にて。
俺のふるさとが見えてきた。
15日目の長旅を終えて
俺は駅を後にする。
実家はもう売られて無い。
両親は大陸の南に住んでいる。
産まれた土地に逢いにきたのだ。
レンタルバイク屋でバイクを借り
小町通りを降りていく。
南城下町の商店街によって
夕飯の材料を買う。
今日の寝床は金がないから、
民泊にする。
ちょっと小遣い稼ぎに
伝言板でも見るか…
「デザイナー募集とアヤカシ退治…小さな子供のお守り…かな。
猫の飼い主か…。」
一つの案件日本円だと、5000円
くらいだ。
一か月暮らせるな。
「全部やってみんか?」
突然女の子が口を出した。17歳くらいだろうか。
「やってみんかって…お嬢ちゃん
働くの俺だよ?」
「あたしも手伝うから!」
「そのかわり5割ちょーだい」
ニンマリと笑う女の子。
「ダメですね」
「じゃあ4割!…3割でいいから!」
「3割くらいならいいよ。」
日雇いの受付に向かい
QRコードを発券してもらい。
精算してもらう。
先払い制なのだ。
「あたしの取り分!」
6割取られた。フッフッフ
よく見てみぃ。
「おもちゃ銀行券?」
「ひどぉーい!」
俺の話しはそんなとこ
ではまた。