訂正、公国はロリコンの国だった
リツは、村を後にする少女達数人ととうさぎを一匹を見送った。
「いやまさか、公爵がちっちゃい子にしか興味のない変態だったとはね」
「そう言ってやるな、それでもエルフを殺さないだけマシだろう?」
「いやでもさあ……」
リツはこうなった経緯を思い出した。
*
「それは無理だ」
「どうして? だってお姉ちゃんすっごく美人じゃん」
白い肌と伸ばした輝く金の髪に抜群のプロポーション。地味な格好をしていても、その美貌は眩しいくらいだ。これが嫌いな男はいないと思うが……
「いや、おそらくだが、私では取り合ってもらえないだろう」
「だからどうして? だって公爵は金髪エルフ好きなんでしょ?」
「そうなんだがな、さっきの言葉には実は続きがある」
「続き?」
「そうだ。「金髪エルフは世界の宝。ただし幼女に限る」というのが全文だ。後半は何を言っているのかわからかなったからさっきは黙っていたが」
「…………公爵、やばいですね……」
「リツ?」
「え? ううん、ごめんごめんなんでもないよ?」
―――危ないところでした、公爵の変態さに思わず素が出ていましたね
「そうか? とにかく、そういうことだから、私では無理だろう?」
「そうだね」
リツはちょうど目に前にある大きな膨らみを見やる。うん、此れを幼女だというのは無理だ。まごうことなき幼女である今のリツと向かい合ってたった時、リツの目の前に胸が来ることからも、わかる通り、ノエリアは身長もそれなりに高いし。
「じゃあどうしよう? 私は入国禁止されたままだろうしなあ」
「そうですね、たぶん私は大丈夫でしょうけど」
「そりゃね。うさぎだし」
「じゃあ、サヤが村の娘と一緒の公国の偵察に行けばいいんじゃないか?」
「それならサヤだけでも、ってそれはだめか」
おそらくだが、野生のうさぎが入って来たと思わて、食べられてしまうだろう。サヤも魔法は使えるので、やられることはないだろうが、それはそれで、魔法を使ううさぎ、として騒ぎになってしまうだろう。
「よし、じゃあ、そうしよう。サヤ、大丈夫そう?」
「はい、おそらく。それに幼女といえどもエルフですし、自衛できるだけの魔法を教えればすぐに使えるようになるでしょう」
「ノエリアも、それでいい? 村の子供たちを借りることになっちゃうけど」
「そもそも私が言い出したのだ、いいに決まっているだろう。それに公国ならエルフが殺される、ということはないだろうしな」
「じゃあ決まりだね」
こうして、公国へのロリエルフ派遣が決定したのだった。




