表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
79/520

学校生活は平和で退屈

「おはよう」


綺麗な声で目覚める。俺は朝から気分がとてもいい。

レイの顔が近くにある。一応扱いは妹だが接し方はどう見ても恋人だ。

両親はどう思っているのかわからないが、

妹である美久には『変なことしちゃダメだよ!』と顔を合わせるたびに釘を差してくる。

もしかしたら両親がそんな話をしているのかも・・・。


「ごはんできたわよ〜美久も起こして降りてきなさ〜い。」


母親の声が下の階からした。美久はまだ寝ているのか??


「美久〜起きろよ〜〜。」


「う、う〜〜ん、あと1時間。」


そう言う時はあと5分とか10分を要求するのでは??1時間は寝過ぎだろ?たとえ本音はそうであってもね。

横で美久をくすぐって起こすレイ。『きゃはははは』と2人で元気に転げまわっている。


今日の朝ごはんは和食だな。ご飯、味噌汁、ししゃも、納豆。俺は納豆はない。食えないんだよね。

口に入れる前に匂いで挫折しちゃう。足の臭い奴のニオイにしか感じない。好きな人ごめんなさい。

レイは普通に食べている。大丈夫なのか?と思ったがぐるぐる回してから食べるのを見ると向こうの世界にもあるのかも・・・。


「恵、お父さんさっき入ったところだから臭うぞ〜、ははははは」


オヤジはいつも朝にトイレの話をしている。母親に汚い話をいつもしていると野次られているが、俺が生まれる前からこんな話をし続けているのだろうか?あと、レイと美久とハグしている。レイは嫌じゃないみたいだけど、どうなんだろね?赤の他人じゃん。


「いってきま〜〜す。」


美久が先に学校へ向かう。母親は玄関先で『忘れ物は〜?』から始まり、『気を付けてね』と声をかけている。


「「いってきま〜す。」」


俺とレイは一緒に学校に向かう。まぁその前にやっちゃんの家にやっちゃん呼びに行こう。

そう思っていると俺達とほぼ同時にやっちゃんが出てきた。


「「「おはよ〜」」」


3人で挨拶して一緒に学校へ向かう。レイとやっちゃんが俺を挟んで俺の腕に絡んでくる。

周りはどう思うんだろうね?やっちゃんは彼女といってもおかしくはないが、レイは一応妹なんだからおかしな兄妹と思われたりするのかな?


「おはようございます!!弥生さん!あれ??お二人はお付き合いし始めたんですか?」


イケメン君こと高田先輩がやっちゃんに声をかける。


「正解!!」


人差し指をイケメン君に指しながら答えて笑うが


「許可していませ〜ん!」


拒否をするレイ。

それを聞いて驚愕の顔をするやっちゃん。


「ちょっとここくらい私に譲りなさいよ!!悲しくなるじゃない!!」


笑いながら腕に力を入れる2人を見て


「両手に華ですね・・・。羨ましい半分、怖い半分・・・」


呆れた顔なのか哀れんでいる顔なのか、俺を見て言ってくる。怖いの半分もあるんだ。まぁこの人はレイがヤバいのを知っているからそうなるのかもしれない。

さて、変な4人組が学校に到着。皆が俺を見ている。その目にはどう映っているのか?


「あなた達!!人前ですよ!!ベタベタくっ付かない!!!」


門前に立つ先生に注意される。『ごめんなさ〜い』と言いながら女性二人は走って靴箱に行ってしまった。

俺一人だけ怒られる。風紀がどうのとか、不純異性交遊はどうこうとか、もううんざりするくらいみんなの前で怒られる。


遅刻ギリギリで教室に着いた俺。やつれた顔でレイに目をやると手を合わせてゴメンのジェスチャーをしている。

隣の男友達に『お前ら兄妹って出来てるの?』とか、『お前、顔の割にモテモテだな。』とか、『気持ちで人が殺せたら』とかいろいろ言われる。俺はいつの間にかこのクラスの嫌われ者になったようだ・・・。泣けるね。


授業は簡単に感じた。多分、向こうの世界でレベルを上げて知力が5倍に跳ね上がっているからかな?いつもなら何言ってんの?みたいな部分もあったが今はさっと理解できる。

そんな感じでとても楽に勉強できた。


昼飯の時間!!レイがお弁当を持って俺の席の所にくる。男どもよ、俺を睨まないでくれ。この子は俺の妹なんだ。兄妹で飯を食べる、それって普通だろ?


「恵くん、ご飯一緒に食べよ〜!」


クラスの違うやっちゃん登場。俺の近くの席を勝手に移動させて俺の横に座る。男どもの殺意ある目線を感じながら弁当を食べる俺。すごく居心地悪い・・・。レイがやっちゃんの弁当に入っていたタコさんウィンナーを奪った。それを見てやっちゃんは俺のたまごやきを奪う。俺は誰からも奪えない・・・。可哀想な俺。


「おい、吉永、俺達も一緒させてくれよ。」


男どもがプライドを捨てて昼飯をご一緒したいと申し出てきた。


「いいんじゃない?」


俺の返事にその場にいるほぼ全員の男が群がって飯を食い始めた。もう訳がわからない。

弁当の味もわからぬままに昼休みが終わる。


5時限目も相変わらずぬるい。やっちゃんはかなり前からこうだったんだろうか?

面白いことを探しに行く旅をしようとしていた気持ちが今はちょっとわかるような気がする。

俺があまり好きではなかった6時限目の体育ですらヌルいのだ。


退屈だな。


その一言で済まされるこの世界。

これからすごいことが起きるかもしれない。これから大惨事が起きるかもしれない。もしかしたら昨日?聞いたことで地球では大戦争が起きるかもしれない。この先どうなるかわからないから今のヌルい退屈な世界も楽しんでおいてもいいかな?とは思うけどね。


学校が終わり帰る時間になる。やっちゃんが俺とレイを下駄箱で待っていた。


「どう?ヤバいくらい退屈に感じなかった?」


俺の気持ちを察したように聞いてくる。


「そうだね。こっちの日常がコレほど退屈だとは思わなかったよ。文明は進んでいるけど刺激がない。向こうのドキドキ感がないんだよね・・・。」


「え?私はこっちの世界の生き方いいと思うよ。ゆっくり流れる平和な時間っていいと思うな。」


レイはこっちの世界が好きなようだ。まったりと流れる時間、いろいろなものを見て楽しく感じる時間がいいらしい。

家につく。『またね!!』とやっちゃんは手を振って自分の家に入っていった。

レイは俺の腕にくっついてそのまま玄関を開ける。


「「ただいま!!」」


お帰りの声よりも先に


「レイ姉ちゃんとお兄ちゃん、イチャイチャし過ぎで周りから変な目で見られてるよ。近所の目、ヤバいよ〜。」


美久が俺とレイにそう教えてくれる。やっぱり人の目は大事だよね。近所から変態兄妹とか言われかねない。まぁ血が繋がっていないのは周知の事実のはずなんだけどね。


「ご飯もうすぐできるから待っててね。」


母親の言葉を聞いて俺とレイは俺の部屋に入る。レイは俺のベッドの上で座っている。

『趣味は園芸』と言う俺の愛読書を読んでいる。俺の趣味は園芸だから爺むさいと言われてもこの本だけは買い続けるのだ!!レイは前に買った帝玉について調べているようだ。ネット情報のほうが見つけやすいのにね。レイにはPCの使い方も教えている。というより本をペラペラみただけですぐに覚えたからすごく楽だったけどね。帝玉はサボテンぽいがサボテンではなく冬型の多肉植物。寒いほうが状態がいい。今の季節が一番楽しめるということを知って喜んでいる。『花よ咲け〜!!』と連呼している姿を昨日から何度か目撃しているが可愛いから気にしないでおこう。


夕食を食べてテレビを見る。


テレビではA国とC国の関係性の特集をやっていた。貿易戦争がこじれてヤバいって話だ。

利己主義と自己中がぶつかればそうなるわね。

レイは動物番組を見て今度、動物園に行きたいと言っていた。


さて、もう寝る時間か・・・。


「おやすみ」


俺に顔を近づけてゆっくりと俺にキスをするレイ。離れ際に俺からもキスをした。

レイは顔を真っ赤にして驚いていた。俺からしたのは初めてだからね。


「一緒に寝たいけどいいかな?」


レイが俺に言うので俺は恥ずかしながらも頷いてみる。

俺とレイは同じベッドで寝る。向こうではやっちゃんがいない時そうであったが今はこちらの世界だ。

ちょっと新鮮な感じとドキドキの感じを噛み締めながら手をつないで寝る。


まぁ次の朝、母親に滅茶苦茶怒られるんだけどね。それは今の俺達は知る由もない。今は幸せならそれでいいかな?なんて思ってしまう。


そして平和で退屈なこちらの世界から危険とワクワクのある向こうの世界に旅立つのだった。


面白いとか、ここが気になるとか、疑問とかありましたらコメントしてください。

楽しめそうだと感じたらブックマークおねがいします。

とても励みになります。

ポイント増えていると元気でるので評価もお願いしたいです


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ