様子見に行きますか?
異世界へと無理やり追いやった俺達の管理者とその上司たち
死んでいないといいけどね。
あ!死ねないや!!
目覚める。
布団を3つ並べて寝る俺達。
「「「おはよ〜〜」」」
伸びながら起き上がるといきなり
「やっちゃん!!昨日の晩。、メグミとキスしました!!報告終わり!!」
ちゃんと言うんだ、律儀だな。
その言葉を聞いていきなりキスをしてくるやっちゃん。
心の準備もクソもない
ガチッ
と歯の当たる音がした。メチャ痛いんですけど・・・。
俺だけでなくやっちゃんも痛かったようで前歯を押さえている。
俺の顔を見てぎょっとしているレイとやっちゃん。
???なに?
「ゴメン!!メッチャクチャ血出てるよ!!」
慌てて魔法をかけるレイ。あたふたするやっちゃん。
防御力の差がここに出るんだな。
前歯折れなかったからよしとしますか。
朝ごはんは民宿のものを頂いた。ご飯にベーコン、目玉焼き・・・これと言って普通だな。
そして今日の分の宿代を先に払い街に繰り出す。
「あのおっさんたちどうなっただろね?」
あぁ、たしかに気になるね!みたいな動きと態度をとってみたけど実は忘れていました。
レイは優しいよね。ちゃんと覚えていた。やっちゃんは嫌そうな顔をしている。
「見に行ってあげようか?」
俺がレイに聞くとレイは頷く。やっちゃんはブンブン顔を横に振る。
意見真っ二つ。どうする俺。
まぁ、無理難題を言ってしまった手前、放置は酷いと思う。だから一応見に行こう。
「じゃぁ私ここにいる。」
やっちゃんは頑なに街にいようとする。わかるよ気持ちは、でもね、ここで放置は人としてどうなの??
そういうことを説明していると、
「恵くんもレイちゃんも優しいよね。私がすごい酷いやつにしか見えなくなるじゃない?」
泣く真似をし、すごい勢いで吹いて笑った。
俺の背中をバシバシ叩く。ヒットポイント減ります。マジでそれやめてください。
ギルドに行って馬車を手配してもらおう。
談笑しつつ歩いていくと思ったより早くギルド到着。楽しいと早く感じるな!
俺たちの姿を見てジルが駆け寄って来る。
「姐さん、すごい弱そうな奴らが顔面蒼白であの森に行ってしまいました。すごい止めたんですけど、なんか勇者にそうしろといわれたとか。勇者って確か、姐さんのお連れの方にいましたよね。話聞きたいんですけど。」
やっちゃんにチラチラ目をやりながら話すジル、確かにレベルの低い奴がいくのは自殺以外の何物でもないなあそこは・・・。でも話ししてどうにかなるの??
はい!!なりませんでした!
「え?知らない」
一言で終わった。女の子てこんなに平然と嘘つくの?怖いんだけど。
困惑するジル。もしかして勇者ってそんなにいないの??
「この大陸出身の勇者様はそんなに数がいません。2名だったと思います。そのうちの1人がここのいる弥生様です。知らないとなるともう一人のほうか??」
などとブツブツ言っているけど、この人ですよ。
「強制していない。」
確かにいく理由は家族のためだもんね。
しかも強制しているのは俺で、かつ俺の能力。
やっちゃんは知らないというより知ったこっちゃないっていうのが正解かな??
「俺、馬車用意しますから付いてきてください。おねがいします。」
走って馬車屋に行くジル。ジル=馬車になりつつある今日このごろ。
前まではファンクラブのナンバー1って感じだったのにね。
森に行くことになった俺達。そして到着するとそこにはもう見るも無残なものが・・・無残か?。
「た、たすけて」
俺担当だったリロが震えながら手を俺たちの方に伸ばしている。
傷だらけではあるがまぁ死にそうって感じでもない。
その少し離れたところでやっちゃんの担当者がうずくまっている。
森の入り口ではおっさん2人がルツに突かれている。
「おい、ルツ、人傷つけてはいけないと言っておいただろう?」
俺に気づいて飛び上がるルツ。
「いやいやいやいや!!ち、違いますよ!!この豚共が、じゃなかったこの人たちが魔物に殴られていたからどうしようかな??って。で、妾、じゃなかった私が近づいたら魔物たちが逃げて・・・。」
人差し指同士をちょんちょんする姿にちょっとむかつくがどういう状況かは想像がついた。
で、4人集めてまとめて回復させるレイ。
「あ、ありがとうございます!!」
御礼と共にレイにへばりつく4人。困った顔のレイ。その顔かわいいけど面白い。
「どう、冒険者を馬鹿にしたけど大変なのがわかった?ちゃんと説明していないせいで死んだ人もいたはずよ。」
なるほど!!それを思い知らせるためにこれだったのか??
感心している俺。その横でウンウンいっているレイ。
ちゃんと今は興味持って話し聞いているんだね。なんでかまた缶コーヒー飲み始めてるけど。
「ねぇ、レイ。缶コーヒーどこから出してるの??」
俺の質問に、
「デュランに頼んでる。」
普通に答えるレイ。レイちゃん、あの人は自動販売機ではないんですけど・・・。
デュランはこんな安っぽいのまでお願いされているのか。
「私の欲しい食べ物、飲み物を欲しい時に出して!でいいんじゃない??」
提案してみるとすぐそうしていた。行動の早さはピカイチだな。
やっちゃんの方を見ると担当者だった奴とおっさんたちが泣きついている。
うざそうに振り払っては何度もくっついて来ているようだ。
「うるさい!!マンドラゴラ捕まえてくるまでは話は聞かないわ!!当たり前!!死にかけた程度で何を泣いているのよ!!私も何度も死にかけたわ。お前のせいで!!ふざけないで!!ここでは死なないんだからやりなさいよ!!コレでもかっていうくらい最高の条件でしょ!!半年はそのままでいろ!!」
すごい剣幕で怒っている。青筋浮かべて鬼の形相だ。
「そんなこと言わず!!半年もこのままだったら侵食が完了してしまいます!!」
こいつら何言っているんだ??新色?侵食?神職??え?なに??
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