またかよ!!しつこいな。
俺たちの世界へ!
「ん?」
またここか??
おかしい。デュランにはここを通らなくてもいけるようにしてもらったはず。
あ!行けるようにはなったけど帰りに干渉してくる可能性もあったのか。
そりゃそうだ。行きに通るなら帰りもありうる。
そこまで考えていなかった。
そう思いながらドライアイスの煙のようなものが出ている通路を通る。
その先に言い合っている人がいる。
「なんでここにいちいち呼ぶのよ!!鬱陶しいのよ。私はあなたが大嫌いなの。話したくもないの。」
大声で怒っているのはやっちゃんのようだ。
相当頭にきているのだろう。
「やっちゃん、ごめんね。帰りに通ることになっちゃって。」
そう後ろから声をかけるとやっちゃんは俺の方を向いて笑う。
「恵くんは悪くないでしょ。こいつらのワガママでここにいるんだから。こういう奴は相手にするだけ無駄なのよ。だから無視するに限る。」
俺の耳元で
「デュランは?」
「うん、行けると思うけど、レイが捕まっても困るからもう少し待って。」
そう、レイがいないのだ。まだ寝ていないのか??
そう思いながら数分くらい待ったかな??
レイが来た。
「またここ??なんで??デュランは何しているの??」
少し不貞腐れながら腕を組んで歩いてくる。
レイもご立腹中。
「どうか、話を聞いてください。恵様」
恵様ってわざとらしいね。朝の態度とは大違い。
「朝無視してた人にそう言われてもね。俺を巻き込まないで。」
俺は笑顔で言い返した。
「さて、揃ったし、デュランよぼうかな?」
「それだけは勘弁してください。我々はその能力には抵抗出来ません。聞くだけ聞いてそれから・・・」
「うるさい」
一言で話を切って捨てるやっちゃん。
「何をすれば話を聞いてもらえますか?」
正座で座ってそんな話をし始める。
「恵くん、マンドラゴラ欲しくない?」
ウィンクをしながら言う。もしかしてアレを取って来いと、あそこに行って取って来いと??
相当極悪な話しである。しかも、マンドラゴラもういらない。
「俺の担当の人、俺達がいる街にいたけどあんた何しているの?」
俺の問に対して
「私もあの場にいましたよ。」
え?そうなの?
「あんたも降格されてるの?」
頷くやっちゃんの担当者。名前なんだったっけ??まぁそれは後でいいか。
それより降格って何??どんな部署なのここ??
そんなどうでもいい質問がいっぱいあるけど聞くのも面倒だ。
「冒険者だよね。レベルは??職業は?」
「3でございます。職業は賢者でございます。」
賢者か〜、賢き者ってか。じゃぁマンドラゴラ行けそうだね。
「じゃぁ、あの街から西南に15キロほど行った森にマンドラゴラっていう魔物がいるんだけど採取してきてよ。友達の奥さんが困っているんだ。ちなみに、君一人だと確実に死ぬだろうから他の人も連れて行って欲しいんだ。その仲間はね・・・。」
俺は笑いながら
「君と、君の上司、そしてそのまた上司。連帯責任ってやつだね。部下の失態は上司の失態。だから2つ上位まで責任とってもらおうと思って。」
ほんと、最近性格悪くなってきたな俺。
「それではそれを用意できたら話しを聞くよ。用意できるまで決して俺達の前に現れないでね。」
「じょ、上司ですか??私の上ですか??呼んでも動いてくれませんけど。」
困っているやっちゃんの担当者。
「デュラン!!こいつらの上司2人を呼び出し。さっき言ったこと強制させて。」
「その願い叶えてやろう」
その件と同時におっさん二人が俺の前に現れる。
おっさんたちが顔を見合わせてびっくりしている。きっと経緯を見ていたのだろう。
「これはどういうことだ!我々に何をした!!」
なんて言いながらブチ切れてギャァギャァ言っている。おっさんの汚い声なんか聞きたくもないんだけど。
「こいつら殴って黙らせていいかしら?」
拳を握っているやっちゃん。
まぁまぁ、俺はおっさんが文句を言っているのを無視して言い放つ。
「あんたたちは部下の不出来と、教育不行き届きの責任とってこの子たちと一緒にマンドラゴラという魔物を採取してきてもらう話になっている。まぁ、どこかで聞いてたと思うけど。それができたら話しを聞くだけ聞く。聞くだけかもしれないけど。それはあんたたちの誠意次第。」
「どうするのよ、こいつの教育をしたくらいだからあんたたちも糞なんだと思うけど。」
腕を組んで睨みつけるやっちゃん。
レイは後ろで缶コーヒー飲んでる。毎回思うんだけどどこから持ってきてるの??
おっさんたちは俺達をにらみ言い返してきた。
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