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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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つまんねぇ。

俺達は広い草原に降り立つ。


「まぁ・・・どこも変わらないね・・・。」


とてもつまらない顔をしているレイ。


「そうだね・・・。こう言うところはどこも一緒だね。」


俺が苦笑いをしてマッキーの方を向く。


「まぁ高望みしても仕方ないだろう??恵的には機械がいっぱいのSFみたいなのがいいのか??」


笑顔のマッキーが俺に振ってくる。


「いや〜〜〜。それはいいわ。俺達の世界がもうそれだったし・・・。」


俺はレイやマッキーとくだらない雑談をしている。するとそこに・・・遠くから何かが走ってくる。


そして・・・


「ここにいるのはお前たちだけか??」


騎士の格好をした男と思われる人物が馬のような大きな生物に跨がって俺達を見下ろして言う。


「ん〜〜??私達だけだぞ??ここにいるのは。」


マッキーが普通に対応し始める。


「そうか・・・。おかしいな・・・黒い気配がしたから派遣されたのだが・・・。」


騎士は面を上に上げて目の部分だけを見せて俺達を見ている。


「その黒い気配って何??」


レイの質問に


「この世界には『黒い者』と言われるものが現れるという伝承が昔からあってな。それを警戒してある装置をおいている。その装置が反応してね。すべての装置が指すところが・・・ここなわけだ。」


「「ふ〜〜〜〜〜ん・・・。」」


レイとマッキーはさも関心がなさそうな反応を示す。

いやいや、なんとなく想像はついているだろ??その黒い者ってマッキーじゃないの??


「で、その黒い者をあなたは見に来たの??」


「見に来るわけ無いだろう。その伝承によれば世界を滅ぼす化物とあるんだから。見つけ次第始末するつもりで来たんだ。」


呆れた顔をしているのがわかるほどアホを見る目になっている。


「へ〜〜〜。じゃぁあなたは強いのね??」


レイがワクワクした顔で聞く。なぜかというと・・・魔法が全く通らないのだ。だから強さを見ようにも全く見えていない。


「強いかと聞かれてもな・・・。国に属している時点で力の行使できる場所に限りもあるわけだし・・・。まぁ人相手に負けたことはないかな??」


少し自慢気に話す騎士。


「それはすごいな!!人相手に負けないのか??ってかそれ以外に戦うものなんかいるのか???」


マッキーが嬉しそうに聞き返す。それは気になるな・・・。この世界には何がいるのか・・・。


「人以外??動物の話か??それとも化物共の話か??動物には負けるかもな。デカイものには勝てるわけがない。あとは・・・穴に住む化物くらいか??」


「穴??化物??」


「ん??なんだ??この世界に疎すぎるな・・・。もしかして・・・『飛ばされし者』ってやつか??」


また訳のわからない単語が出てきた。飛ばされし者って・・・風に舞うゴミみたいな言われ方だな。


「まぁよくわからないんだけど、気がついたらここに居たわけなんだ。ここどこ??」


話を合わせて聞き返す。


「それならそう言えばいい。よし!!俺が街に案内してやろう!!そこで色々聞くといい。」










騎士の案内で街の近くまで来ることが出来た俺達。


街に入ろうとすると



ビィビィ!!



何かの音がしてその瞬間に街が沈み始める。


「これは・・・やはり貴様達・・・」


騎士が剣を抜いて構える。


「あぁあ!!ばれちゃった!!おしいね!!」


マッキーが大笑いし始める。

レイも大笑いし始める。


「え??何事??なんで笑ってるの??」


俺の一言に


「バレてしまっては仕方ない・・・。我は黒い者なり・・・。この世界を滅ぼしに来た。フハハハははは!!」


邪悪な顔をして大きな声で笑い始めるマッキー。

その横で腰に手を当てて同じように笑うレイ。君は違うでしょ??


「おのれ・・・。俺を騙す気だったのか??」


「騙す??そんなつもりはない。どこまで隠し通せるか楽しんでいただけだ。思ったより早くバレてしまったがな!!」


マッキーが漆黒の霧を体から発生させながら騎士に近づく。


「喰らえ!!神の鉄槌!!」


騎士がマッキーに向かって剣を振り下ろす。


「最低限鉄槌っていうくらいなんだから刃物はやめてよ!!」


マッキーに気を取られていた騎士に飛び蹴りをかますレイ。


「ぐは!!不意打ちとは・・・卑怯な・・・。」


馬のような生物から落ちる騎士。こいつ・・・絶対弱いわ・・・。


「ぬははははは!!騎士を討ち取ったり〜〜〜!!」


気を失った騎士を持ち上げて、レイの声がこの世界に響きわたる。











「・・・」


「で、どうするの??」


マッキーが小声でレイに聞く。


「メグミ・・・どうするの??」


レイがそのまま俺に聞いてくる。考えなしか・・・やはりアホな子だったか。


「もう飽きたから帰ろうか・・・。ここ・・・大したことないよ・・・。」


「そうだね・・・一番強いみたいなことを言っていた奴もこの程度だし・・・。私・・・強く蹴ってないよ?」


「「知ってる。」」


今まで俺が見てきた中で一番やさしいのではと思う飛び膝蹴りだった・・・。それをまともに食らって気を失うとは・・・。こいつは多分だが・・・うちの召使の女の子より弱い・・・。レベルが見えないからわからないとかそういうのではなく雰囲気で弱いのがわかる。要するにこの世界は戦闘力低めの地球と変わらないということだ。


「恵!!この世界の全員にメッセージを残したい。頭の中に映像も送ってやりたいからお願いできる??」


マッキーが良からぬことを思いついた顔をしている。


「いいけど・・・どうぞ・・・。コレでいいと思うよ。」


俺の合図と共に漆黒の霧の獣に変わるマッキー。


「この世界の者達に告ぐ。お前たちの希望の騎士はここで死んでいる。こんな弱いものを私に寄こした罪は大きい。だが貴様たちに猶予をやろう。私以外にも黒い者はいくらでもいる。その者達が口にするのは『弱いものの存在が許せない』だ。だから強くなれ。次私がこの世界に来た時にまだ弱いのであれば滅ぼす。だから強くなれ。弱いものが弱いのは仕方がない。だが、戦う騎士や戦士を名乗るものの弱者は許さない。次訪れた時に私の前に現れるものがだらしなければ必ず滅ぼす。覚えておくといい。ふははははははは」


「はい!オッケーです!」


俺の合図にいつもの姿に戻るマッキー。


「じゃぁこいつに回復魔法をかけて帰りますか!!」
















「うわ!!恵くん、もう帰ってきたの??早くない??」


やっちゃんが驚いている。まぁ驚くだろう。多分時間としては3時間ほどだったはず。その時間で飽きてしまったのだから。


「むこうの世界が面白くなさすぎてね・・・。もう飽きちゃった・・・。」


俺の言葉に吹き出すやっちゃん。


「そうなるでしょうね。恵くんやレイの強さじゃどこに行ってもつまらないわ。」


その言葉にひらめいたという顔をするレイ。


そして俺の耳元でささやく。


「その願い・・・叶えてやろう。」

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