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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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改竄

向こうでのお仕置きを開始して俺達は外に出る。


俺達の世界のニュースはA国大統領の誘拐の事件で持ちきりだった。


宿泊施設が襲撃されて数多くの死傷者が出た話。

実行犯が死んでしまった話。

そして、A国大統領が行方不明の話。


先ほどの事件にしてはかなりの情報が出ている。時間としては1時間位のはずだが・・・。

こんなことは普通なら国の恥になるだろうから、しっかり捜索してから情報を小出しに知るはずなのに・・・。


そして数日・・・なぜかいきなりその話をメディアがしなくなる。

前日まで結構な賑わいを見せていたのに、いきなりである。

薄気味悪いほど何事もなかったかのように・・・。




「今はあまり言えませんが・・・。もうすぐ戦争になりますよ。大国同士のぶつかり合いになる可能性が非常に高いです。」


浅田が俺達を目の前に食事をしながら話を聞かせてくれる。


「で、この国はどっちに着くの??」


やっちゃんが寿司を頬張りながら浅田に聞いている。


「始まってしまって、C国が口出ししないようであれば何もしません。当事者同士でやりあうだけになると思います。ただ、そうはならないと思っていますので・・・。」


「何なら謎の災害でも起こそうか?」


俺も寿司を頬張りながら言う。


「え?何かするつもりですか??」


「うちに災害認定を受けれそうなほどものすごい人が数名いるんだけど・・・。その子らに暗躍してもらえば謎の災害も起こせるよ?」


「謎っていうのがわからないんですけど・・・。」


「デュオーんに襲わせるのね?」


やっちゃんはわかったようだ。ハウンも頷いている。


「それでC国は黙ると??」


「他の国なんかにかまってられなくなると思うけどね?」







だが、俺達の思った以上に世界は動き出す。

事件から2週間でA国はある国に爆撃を開始したのだ。


簡単に言えば


ある国の保護者であるC国とK国 VS A国日本E連合I国G国


おろかにも核の使用までしてしまうC国。

そこで俺は願う。


「C国の存在を元から全くなかったことにしよう。」


俺の願いはどんなものでも叶うのだ。それが世界の中心にある超大国であったとしても消し去ってしまえるのだ。


この世界からC国を消す。そんなことをすれば相当な矛盾が訪れる。だがそれすらも全て埋めてしまう。

そう、C国のあった大地には緑豊かな世界があるだけになる。

俺達の文化や教育、言葉に至るまで浸透しているC国のものはすべてその国特有のものとなってしまう。


「変な感じね・・・。世界からC国が消えて記憶になるのは私達だけ。他の人はその認識を持っていない。怖ろしいわね・・・。あなたの好きな漫画も消えてしまったのよ?いいの??」


俺は目を見開く・・・。


「ああああああ!!そうだった!!俺はなんてことをしてしまったんだ!!」


頭を抱えてうずくまる俺。もう、明日からダムキングが読めないのだ。C華を統一するためにまずダムを作るという奇想天外な話・・・。その大元になった歴史すら消えてしまったのだから・・・。


「まぁいいじゃない。そのおかげで今まで絶滅してしまっていたものや、絶滅にひんしていたものまで復活したんだから。」


レイが嬉しそうにいう。レイは俺に感化されて植物が大好きなのだ。その中でもC国に自生する数々の美しい植物たち。それが今、踏み込めぬ森林に数多く自生しているのだ。


「でも・・・今週のダムキング・・・どんな展開か楽しみにしていたのに・・・。」






俺は落ち込みながらもコンビニに向かう。そしてパラパラとページをめくるのだ。


「あ・・・あれ??」


ダムキングは普通に連載されている!!嬉しいがなんで?

よく見ると


『この世界の始まりを示す壮大な歴史型ファンタジー!!ダムキング!!!』


なるほど・・・ファンタジーとして存在し続けてくれたのか・・・。ちょっと嬉しい。


いろいろな所でC国の文化から始まったものが俺達の生活にはしっかりと根を張っている。

改竄された物が俺達以外には当たり前であっても、俺達には全く違う知識があるのだ。ものすごい違和感と、ものすごい混乱が俺達の中にはある。人にそれらのことを話すこともできない。きっと最初のやっちゃんはこんな感じだったんだろう。それを思うとものすごく気の毒なことをしたな・・・。


「罪のないC国民には災難ね。だって、存在を消されてしまったんだから。」


ハウンが顔をしかめて俺に言う。


「ははは。それは大丈夫だよ。いろんな国に分散させてるから。しかもちゃんとその国々の知識や常識、生活に違和感が無いようにしてね。」


「それでも気の毒よ・・・。恵様もそんなことになったらどう思う?」


ハウンは俺に対して少し冷たい目をする。


「何言ってるんだよ?だって、改竄されたこともわからないんだから今の境遇を不幸とかも感じないだろ?今ある自分が自分なんだから。」


俺が笑いながらハウンに言うと


「まぁひどい人・・・。」


とだけ言って俺の肩を指で突いてくる。

それを見てこの場にいる全員が笑う。



これで平和になるなら・・・いいんじゃないかな?

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