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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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忠誠心と死

もうすぐあの国とA国大統領の会談が始まる時間だ。

始まる前にことを済ませないと・・・。


「さぁ、宴の始まりですよ!!」


ヴァンパイアの女が一言そうつぶやく。

すると、目の前にいる男たちが頷き、立ち上がってぞろぞろと建物に入っていく。

A国大統領の泊まる大きなホテルへ。



「お前達・・・とま・・・」


建物の前に立つ兵士が止めに入ろうとしたがすぐさまその行為もやめてしまう。


「私です。あなた達も参加しなさい。」


「はい・・・」


銃を片手に扉を開けっ放しにする扉の前を守護していた兵士たち。


「何だお前ら!!」


A国の者が止めに入ってくるが、そのものが向けた殺気に対して気にも止めずにA国の者たちを取り押さえて無言で失神させる。こいつらは似非のはずである。相当の戦闘力があるはず。それをこうも安易と取り押さえてしまうとは・・・。

この建物にはかなりの数の人々がいる。その中には一般人のようなものからどう見ても似非まだ。


「サム様・・・ここは私達が死守しますので、奥へ。」


女が笑顔で俺を送る。


「一般の方へ、要らぬ行動をお控え下さい。もし変な行動を取れば始末しますわ。」


女が周りの者に伏せるように指示しながらいう。


「サム・・・行くわよ。」


「ああ」


サムという名はこの国にいる人にも多い名らしい。俺のサミュエルから頭を取ってサム。

俺の横にはメリッサがこの国の人間の姿で立って俺の声を掛けている。

俺もこの国の一般的な顔つきに変身して軍服を纏いナイフを持っている。


「なんだ??貴様た・・・」


プシュプシュプシュ


サイレンサーを着けた銃を即座に発砲する男たち。全く人の命を奪うことに躊躇しない。

目も虚ろで何を考えているかもわからない。だが、決められたセリフを声に出しながらどんどん制圧していく。


「まぁ銃じゃ死なないわね。」


俺は死んだふりをする男たちを見て頭を踏みつぶす。

その行為に驚いた男はすぐに死んだふりをやめてメリッサに立ち向かおうとするが所詮似非は似非なのだ。

俺達の戦闘力からすれば蟻と変わらない。


ゴリ


ゴリ


何事も無いように手を振るメリッサ。男たちの頚があらぬ方向に向く。


「ご・・・」

「え・・・」


膝から崩れるとことたちを見てにやけてしまう俺がいる。

こいつらの顔は見覚えがある。俺を焼却処分しようとしていた奴らに混ざっていた顔だ。



パンパンパンパン!!


前方で発砲する音が聞こえる。恵さんが俺達の行動しやすいように連れてきてくれたヴァンパイアたちが操るこの国の兵士は全員サイレンサーを着けたものを持たせている。無論この国で手に入るものである。

持ち物で身元がバレるようなものは一切持たせていない。この事件が終わればこの国の一部の人間の仕業となるようにしてあるからだ。


「なんだ??こいつら??」


プシュプシュ


撃たれても、殺されても、最後の悪足掻きのように銃を発砲する操られている兵士たち。


「シム様バンザイ!!」


この国の最高責任者の名を叫びながらA国兵士に立ち向かっていく兵士たち。

死んでなお敵と相撃つものがどんどん倒れていく。敵と共に。


だが、A国の護衛の兵士共はすべて似非なのだ。しかも改造を受けた自称究極の兵士なのだ。

銃如きで死ぬわけ無いのだ。だが、死んだように見せている。通り抜けた後で後ろから強襲するために。


ドス

ドス

ドス


「ごは・・・」

「ごぼ・・・」

「が・・・」


全員の頚を刎ねる後処理の俺達。銃で撃たれても生きていたことに対しては防弾装備をしていたと言えるが頚を撥ねても生きていたら流石におかしいだろう。ここには防犯カメラもうなるほど設置されている。もし、その状態でも動けたとしてもそうしてしまえばおかしいと世界に流れてしまう。上層部や旅人はその事実を知っていたとしても、大半のその他の地球人には知ることもできないことなのだから。


頚を撥ねた死体にも群がって刺しまくる操られているこの国の者達。

この映像を見たものはトラウマになるだろう。


俺達はどんどん進み、そしてとうとうA国大統領のいる部屋の前にたどり着く。



ガチャガチャ!!


「開きません!!中から鍵をかけている模様です。」


俺に報告するこの国の兵士。

まぁそうなるだろう、流石にここまで来るまで相当の時間が経過している。


「君たちはここで待機していなさい。俺達は向こうに回って中にはいるつもりだ。君たちはここからゴミが逃げないように守ってくれ。シム様のためにな。」


「は!!シム様のためなら死すら喜びです!!」


何と言う忠誠心だろう。俺は過去の自分を思い出す。国のため、正義のためとA国に忠誠を誓っていたな。

それが今ではそのトップの暗殺か・・・。考え方方も変われば立場も変わるものだ。


「行こうか。」


「ええ。」


俺はメリッサに言葉をかけて数名の者を連れて移動する。

階段を降りて下の階に移動する。そして


「これからあの部屋の真下にいく。上からは無理だろうからね。さすがに狙撃されて終わるだろう。だからここからあれを使う。」


俺達が話をしていると兵士が数名銃を構えて突っ込んでくる。

それを迎撃するこの国の兵士たち。俺達の壁となりながら発砲して倒れながらも敵を撃ち続けている。


ガチン!


俺はナイフで扉の錠を切る。

扉と壁の隙間数ミリにナイフを滑りこませて力のみで切り落としてみせる。


プシュプシュ


プシュプシュプシュ


下の階にも兵士が居たので全員始末する。もちろん撃った後は頚を切り落として。


「さすが兵士長であります!!我々がここを守っていますのであの男を捕らえて下さい。」


「ああ。シム様のためにな!!あのような悪鬼と対面すればいつかきっと殺されてしまう。だからその前に我々があの男を誅殺するのだ!!」


「「「「シム様のために!!」」」」


忠誠心で死の恐怖も克服してしまうとは・・・怖ろしい国だ。


俺達はきっとあの男が居るであろう部屋の下の階に陣取っている。


「気配を辿ってくれる??」


「ええ。その真上にはいないわ。そうね・・・この辺に立っているわ。ズラ馬鹿と・・・その護衛たち数名が・・・。」


俺は自分の立っているところのすぐ上、天井に爆薬を仕掛ける。これで天井が吹っ飛んで上に行けるはずだ。


ピピ・・・・ぴ・・・ぴ・・・ぴーーーーーー


ドン!!


爆音と共に舞い上がるホコリと破片。


「行くぞ!」


「は!!」


パンパンパンパン!!

パンパンパン!!


俺達よりも先に行かせた兵士たちがどんどん撃たれて落ちてくる。


「サム・・・これを。」


俺は手榴弾のような物を受け取り上に投げる。

爆発しない手榴弾。閃光と爆音で戦闘不能にするアイテムだ。


パ!!ドン!!


知らずに受ければ目も耳もやられるシロモノ。さて上はどうなったかな??


俺とメリッサは素早く飛び上がり部屋に入る。そして銃を向けるとピンピンしている護衛と眼と耳を押さえてのたうち回る男たちが居る。


『貴様らナニモノだ??』


「英語はわからない。」


『こんなことし・・・』


護衛の男が英語で話し続けるからイライラして撃ってしまう。

俺は今この国の兵士を装っているのだ。英語で聞かれても英語で返せない。そんなに階級が上のものに化けていないんだよ!


俺は似非共の目を片方ずつ撃つ。

さすがに鍛えられた似非であっても目はまだ撃たれれば効いてしまうのだ。


「「「「ぐァァァ!!」」」」


目を押さえて少し怯んだ瞬間にメリッサが男たちの戦闘力を削ぐ。

一瞬で全員の脚を切り落としたのだ。


「ヒィィィぃぃぃぃ!!」


のたうち回る男たちを見て大統領の側近たちが震えている。


タタタタタ

パンパンパン


タタタタ・・・・


『大統領!!ご無事ですか??』


どうやらこの部屋の外側は制圧されたようだ。

俺達は大統領の側近共にケリを食らわして気絶させる。と言っても、今の力ではもしかしたら死んでいしまっているかも知れない。


「お前はこっちだ!!」


俺はこの国の言葉を使って


大統領を捕まえ引っ張って下の階に降りる。後数秒もすればここにも兵士共が来るだろう。


ぴぴぴぴぴ・・・・・ボン!!


俺達はさらに下の階に行くために床を爆破して下の部屋に降りる。


「キャァぁ!!」

「ひえええええ!!」


どうやら掃除している者達のようだ。


「顔を見られた!!」


プシュプシュ


2人を撃って俺達はすぐさま扉を破って廊下に出る。外には何人もの兵士がいるが全員に鉛球をお見舞いしつつ、進行方向にいるものは両断して進む。計画通りの場所まで。






地下駐車施設には多くの護衛が居たはずであるが全員始末されている。

似非はすべて殺すと決めているのでそれで構わないのだが、さすがにこうも簡単に殺されては、身元が割れるのではと思ってしまう。


俺達は車にズラ馬鹿を押し込んで猛スピードで発進する。


「日本の護衛は?」


「彼らを信用しなかったみたいで違うところを警護させられているよ。どうやら浅田さんが絡んでいる情報を掴んでいたのかも知れないな。」


「でも、本人の居場所がバレバレだったわよ?なんで??」


「それは・・・彼女たちの中にそういうのが得意な人がいるからだろう??」


俺達はこの国の言葉で話し続ける。

追いかけてくる護衛達の車。だが、その車に襲いかかる操られているこの国の兵士たち。


どんどん車に体当りしてあっという間にすべての追手が追跡してこなくなる。


「じゃぁ計画通りに・・・。」


「ああ。計画通りに。」


俺とメリッサはお互い違う顔で笑い合う。違うはずなのに・・・彼女は本当の素顔が笑っているように見える。


「シム様・・・バンザイ!!」


ガッシャン!!



ド〜〜〜〜〜〜〜ン!!


俺達の乗っていた車はカーブを曲がりきれずに近くのビルに突っ込んで爆発炎上する。
















「任務完了。そっちは?」


「はい、こっちも終わりましたよ。」

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