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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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報告

最近の地球での生活で一番気を使った・・・。

口を滑らせてクロエの話を漏らさないように・・・。

あまりのテンションの上がり方に3人はヒイていたけど・・・。





「メグミ〜〜〜。起きなよ!!朝だよ!!ほらほら」


俺の顔にオチビの脚を乗せてグリグリするレイ。


「こらこら・・・赤子の脚をそんな乱暴に扱わない。万が一怪我でもしたらどうするの??」


俺はゆっくりベッドから起き上がる。


さて、今日はジルがここにやってくるはずだ。

クロエとジルの話を2人のために皆にしないといけない。

俺はいつもの町人の服に着替えて皇帝の間に歩いて行く。

その途中でマッキーと出会う。

あ、そうだ・・・クロエになぜマッキー伝手だったか聞いていない。仕方ないからマッキーに聞いてしまおう。


「なぁ、マッキー。クロエに俺がジルと仲がいいって話をなんですることになったの?」


マッキーがものすごいびっくりしている。人があんなに仰天した顔をするのに俺のほうがびっくりした。


「え!!??え??ん??はい?」


ものすごいパニックのようで話の内容が整理できないみたいだ。


「マッキー、落ち着いて。そんなに慌てること無いからさ。」


目がキョドっているとはこのことだろう。マッキーの目が俺の方に向かずあらゆる方向にきょろきょろ動いている。


「昨日さ・・・クロエと話をしたんだよ。」


「え??話??・・・そうか・・・自分から話したのか・・・。」


マッキーがすぐに理解して冷静さを取り戻す。


「以前、恵がジルを探して伝言してくれっていう仕事をくれたじゃない??」


「ああ、そんな話をしたね。確かファンクラブの人が探しているってやつ。」


「そうそう、それで探しだしたんだよ。そしたら・・・ジルとクロエが仲良く手を繋いで歩いていたんだな。そこにばったり出くわしてな。というよりジルを驚かそうと思って角からワッて出たら・・・クロエが失神してた・・・。」


「なんか・・・ものすごい失敗したんだね・・・。」


「そうだな・・・。まさかクロエと居るとは思わんだろ?で、気付けして食堂で飯を食いながら話をしたわけだ。」


マッキーが俺に説明してくれる。


かなり前から付き合っていること。仕事もそこそこにこの街で一緒に生活していること。ジルがファンクラブを抜けようと思っていることなど。


「ジルはレイ様ラブからクロエラブになったからファンクラブに居ることは出来ないと言って頑なだったよ・・・。」


「そうか・・・結構なバカ真面目だな。」


「そうだな。熱血漢っていうのは柔軟性が乏しいよな・・・。」


俺とマッキーが揃って皇帝の間に行くとそこには俺が持つ最高戦力の女性陣と魔物っ娘たち、そして神々が勢揃いしている。それといつもはいない・・・お父様も・・・。

それを前にジルとクロエが見世物のように真ん中に立たされている。これは居心地悪そうだな・・・。


「やぁ、ジル!!久しぶり!!どう元気??」


「主様!!お久しぶりです!!そしてレイ様もお元気そうで何よりです!!ギルフォード様もここに来てくださいましてありがとうございます!!今日はお話があって参りました。」


ジルの挨拶に笑顔で手を振るレイ。

お父様も笑顔で頷いている。


「俺はこの場を借りて、いつもお世話になっているギルフォード様と大恩人であります主様、そしてレイ様に謝罪するために参りました。」


頭を下げてジルが続ける。


「俺はクロエさんを愛しています!!ですからレイ様ファンクラブに在籍することは出来ません!!レイ様ファンクラブのメンバー全てはレイ様を愛しています。ですが私はレイ様よりもクロエさんを愛しています!そして今日、結婚することを報告します。」


ジルを知るレイとやっちゃんが何故か涙を流している。他のものは・・・何事か全く理解できていない。

そりゃそうだろう。ジルと面識あるものは・・・極少数だから。


「おめでとう!」

「おめでとう!!」


レイとやっちゃんがクロエとジルを囲って飛び跳ねている。お父様がゆっくりとジルに近づく。


「ジルくん・・・おめでとう。そしてありがとう。君のおかげでファンクラブも大きくなった。君ならきっと誰であっても幸せにできる。私はそう思っている。ファンクラブのことは気にしなくてもいい。君が抜けたければ抜ければいいし、運営に携わり続けてくれるというのであれば私は今以上に一緒に頑張っていこうと思っている。私と君は血は繋がっていないが、息子のように思っている。だから・・・私はとても嬉しい!!」


固く握手して涙を流すお父様。


「ありがとうございます!!そう言っていただけて・・・本当に嬉しいです!!ですがファンクラブを抜けるのはケジメです。運営する側に回ることはいいと思いますがナンバーは返上します。」


そう言いながら胸に付いているNo.1のバッジを外してお父様に渡す。


「そうか・・・なら、この番号は永久欠番としよう。これからも私に力を貸してくれ。そしてファンクラブとレイの力になってくれ。頼んだよ。」


男泣きする2人。それを見て全く面識のないものは・・・ヒイている。


「ジル・・・おめでとう。俺から君たちにプレゼントがあるんだけど、いいかな??」


「え??プレゼント??」


クロエが涙を拭いながら俺の方を見る。


「君たちの結婚式を盛大にこの国を上げてやりたい。どうかな??」


「ちょ!それは恥ずかしいです!!」


「じゃぁ、この屋敷で盛大にならどう??」


「えっと・・・それならいいと思います。」


クロエが承諾してくれる。


「じゃぁ!!準備にとりかかるわよ!!ジルとクロエはちょっと旅にでも出ていなさい!!準備ができたら呼び戻すから!!どこに行きたい??」


「え・・・えっと・・・ジルさんの生まれ故郷に・・・。」


クロエが真っ赤な顔をして提案する。


「ジル!!故郷に行きたいって!!どこなんだ??」


「俺の故郷ですか??シュローデヒルム帝国のジルバームです。」


「じゃぁ行って来い!!乗り物を用意してやる!!」


レイが嬉しそうに外に出て口笛を吹く。

するとあのドラゴンがやってくる。山の神々に会いに行く時に途中でガス欠起こして縮んだやつを。


「レイ!!こいつ大丈夫なの??」


俺の言葉に


「この前のは私の魔力を注入する量が少なかっただけだから!!マックスまで入れれば帰ってくるまで持つって!!」


尻尾を掴んでありったけの魔力を込める。

するとドラゴンがもの凄い大きくなる。


「ここに乗って!!そうすればシュローデヒルム帝国のジルバームまで飛んでくれるから!!」


「いい??シュローデヒルム帝国のジルバームに行ってクロエとジルを下ろして戻ってくるのよ!!できる??」


できる?って???理解できるのか??


「できる!!ママ!!できるよ!!」


ママって・・・こいつ・・・話しできるんだ・・・。


「何かあったらすぐに知らせるのよ!!わかった??」


通信機をドラゴンに持たせるレイ。

どうやって使うんだ??というより使えるのか??


「わかった・・・ママ。行ってくる。」


ドラゴンがクロエとジルを乗せて大空に向かって飛んでいく。そして・・・


「あの〜〜・・・レイ様・・・あっち・・・シュローデヒルム帝国ですか?」


メイリーンがドラゴンを指さしてレイに聞く。


「え??ちがう??」


レイは方向がわかっていないようだ・・・。


「あっちは多分・・・第五大陸を抜けて魔族領ですよ・・・。反対周りです。」


「ははは・・・でも・・・反対周りなら・・・着くでしょ?」


レイが少し顔を引き攣らせている。


「魔力持つといいけど・・・。」


やっちゃんが怖ろしいことを言う。


「ささ、準備しようよ・・・。ね??」


そそくさと俺の屋敷に入っていくレイ。


「なぁ恵・・・一応デュランに監視させたほうがいいんじゃないか??あと、レイリーに領空を飛ぶドラゴンを通過させるように言ったほうがいいぞ。」


「そうだね・・・俺からレイリーに連絡しとくよ・・・。」




本当に使えないものを作ったもんだ・・・。これに1500Pか・・・。

どこぞの国も顔負けの無駄支出だな・・・。

レイがいないのでやっちゃんとハウンに目をやる。

2人共俺の顔を見ない・・・。あらぬ方向を向いて口笛を吹いている・・・。

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