幸福の終了
「デュオール・・・どこに行った・・・。なぜ見つけられない・・・。」
俺はテントに到着して驚く。
この一団のものはこの世界で言えばかなりの強者だ。
それがあっけなく腹や胸を一突きにされて倒れているのだ。
「シャキ!!キューリス!!何があった??」
俺はシャキを抱き起こして魔法で治療をしようとする。
「う・・・ん?フレイか?・・・あいつらが急に帰ってきたから・・・喜んじまって・・・。そしたら急に刺された・・・。」
あいつらが帰ってきたのを喜んで出迎えたら刺されたらしい・・・。あいつら・・・
俺は取り逃がしたことを後悔する。
「デュオール達は??」
「中にいるはずだ・・・悲鳴が聞こえたから助けに行こうとしたが・・・腹がいたすぎて動けなかった・・・。早く・・・中に行って子どもたちとデュオールたちを助けてくれ・・・。」
気を失う2人。
俺は2人にありったけの魔法をかけてすぐにテントの中に走っていく。
「・・・なんてこと・・・」
子どもたちが裸にされて、縛られて、そして首を切り落とされている。
「あいつら・・・」
俺はすぐに子どもたちの遺体に魔法をかけてこれ以上傷まないように保存をする。
「ジーニス・・・。」
ジーニスは死んでいる。胸と腹に剣を突き立てられて・・・。
そして首を切り落とされている。
その横には裸にされ縛られたデュオールの姿が・・・。
ひどい陵辱の痕がある・・・
そして大きな乳房切り落とされた後、首に剣を突き立ててとどめを刺している。
「あいつら・・・なんてことを・・・」
「ゴ・・・ゴボ・・・」
デュオールに息がある!
すぐに抱き起こして剣をゆっくり抜きながら回復魔法をかける。
「デュオール!!大丈夫だ!!」
抱き起こして気づく・・・手遅れだと・・・。
背中に無数の金属が刺さっていた。抱きかかえるために背中に回した手から血が滴り落ちる。
「デュオール!!大丈夫だ!!今助けるから!!」
「フレイ・・・子どもたちが・・・こど・・・も・・・」
涙を流しながら俺の顔を撫でるデュオール。そしてそのまま、俺の頬にあった手を滑らせてダラリと落とし、そのまま息を引き取ってしまう。
「なんてことだ・・・。デュオール・・・。」
俺は涙を流してデュオールを抱きしめる。
そしてあることを思い出す。
「デュオール!!デュオール!!今元に戻してやるからな!!これがあれば大丈夫・・・」
俺はおもむろにアイテム袋から小瓶を取り出す。
そしてその中から黒い煙のようなものをデュオールの口に流し込む。
「さぁ目を開けてくれ!!これは人に使うものではない。でも、これがあれば傷は治る!!」
俺は切り落とされた乳房を拾い、デュオールの胸に持っていく。
そして回復魔法をかけ続ける。
「この黒い煙は邪悪なものだけど、俺がいれば、健康になり次第分離させてやれる!!そうすれば元通りだ!!これはひとつしか無いから使いまわすしか無い。子どもたちも、ジーニスも元に戻せるからな!!その後、同じように俺が分離させれば大丈夫だから!」
黒い煙はデュオールの体を包み、彼女の体を元の形に構成し始める。
俺はそれを見届けた後、子どもたちと、ジーニスの体にいつでも元に戻せるように処置を施してアイテム袋に収容する。
「絶対元に戻してやるからな!!それより・・・あいつら〜〜!!!」
俺は怒りで我を忘れてテントを飛び出て、あのゴミどもを探す。
「どこだ!!どこに行きやがった!!絶対に許さない!!」
俺はすぐにルナリスの元に飛んでいく。あの女がいればすぐに見つけて始末ができるはず。
俺は人族の目も気にぜす、高速で飛ぶ。
怒りで目の前を赤くしながら。