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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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多尾獣族続々

フェブの見舞いも終わり、俺は魔族領にいる白衣の研究者たちに会いに行く。

荀攸から取り出した


『神々を作る血』


をしっかり調べてもらうためだ。

コレを調べることができれば・・・って調べてどうするのか??今思えばよくわからない。

荀攸みたいな姿になる可能性があるんだったら使えないし、似非神々のように性格が変わってしまうのであればなお使えない。

まぁ、こういうものが好きな人の集まりだから、ある意味、お土産かな?


「これはこれは恵様!!レイ様と弥生様はお元気にしていますか?」


「元気だと思うよ。弱ったところを見たこと無い。それより何でミシュラのことは聞いてあげないの?」


顔を見合わせて、バツの悪そうな顔をする白衣の面々。


「え〜〜〜っと、恵様がレイ様や弥生様に持たれているイメージと同じです。弱ったところを見たことがありません。お聞きしますが、弱ったりするんですか?」


絶大な信頼があるからそう思われているのか?

それともかなり失礼な部分なのかはよくわからないけど、白衣の方々はミシュラは弱らないと思っているみたい。

まぁ本人も言ってたしね・・・初めて気分が悪くなったって・・・。

それを伝えるとその時の状況をより詳しくと眼を輝かせて俺に詰め寄ってきた。

俺はデュランに頼んでその時の状況を見せると


「精神は体に害を及ぼすこともあるんですね〜。ふむふむ・・」


と何かをメモっているけど俺にはそれをどうするのか全く理解できない。





さて、俺は魔族領で残したであろう仕事をすべて終わらせたかな?


ザ・・ザザ・・・


「恵様。シュローデヒルム帝国の使者が来ました。同盟をとのことですがいかがいたしましょう?」


マギーが俺にそんな連絡を入れてくる。外交的なことは任せているから好きにしてくれていいんだけど、これは俺の言い出したことでもあるから早く戻って話を進めないと・・・。


俺はデュランに頼んで俺の屋敷に戻る。



戻っていきなり目の前でかなり緊迫している状況に出会ってしまう。

デュオーンがサミュエルを前に殺気立っているのだ。


「デュオーン!!サミュエルはメグミがここにいることを許可したんだよ?何でそんなに怒ってるの??」


「・・・」


デュオーンはレイの質問に答えない。


「デュオーン、どうしたの??俺には説明できるよね?」


デュオーンは俺の姿を見てすぐに膝を床につき頭を下げる。


「はい・・・。この者の中に我らと同じものがいます。敵対的な思考を持っているのでどうしようかと・・・。」


「ん?サミュエルの中に多尾獣族が居るの?なんで??」


「わかりませんが、多分人を強く恨んだり、強い力を求めてしまってそこに付け込まれたんだと思いますが・・・。」


デュオーンがサミュエルを睨んでいる。


「このまま放置すればサミュエルは君たちみたいになるってこと?」


「はい。もうすぐなります。なるというより飲み込まれると言ったほうが・・・。何かのきっかけがあれば今すぐにでも・・・。」


怖ろしいことを言い出す。

サミュエルは多尾獣族に乗っ取られる日が来るんだ。


「あの・・・何の話をしているんですか??この方は??」


「サミュエル、俺とトラブった後、色々あったって話してたよね。その時、力がいきなり強くなったり、誰かに話しかけられたりした??」


「え??あぁ、ありましたよ。殺処分間近の時に。力がほしいか?みたいなことを言われましたが、あれは夢と思っていましたけど・・・。」


「それはお前の憎悪に呼ばれて私達の仲間がお前を乗っ取る時の契約の言葉。それに同意してしまったんですね?」


デュオーンが立ち上がりサミュエルに近づく。


「デュオーン、待ちなさい!!恵くんが話をしているのよ?それを最後まで聞かずに何かすれば恵くんは怒るわよ?」


「いえ、何もしません。あったことあるものであれば匂えば誰かわかります。もし危ない思想の持ち主の場合はこの男共々始末するべきです。」


「ん〜〜〜〜、そういうのだめ。俺が何とかするから抑えて。」


「はい。では確認してもいいですか?」


「それはお願いするね。」


「・・・」


デュオーンがサミュエルの前に立ち、じっと見つめている。


「マッキーさん、この男の中の物が誰かわかりますか?」


「え??私??わかるわけ無い。だって、同族を見たこと無いもん。」


マッキーが驚いてサミュエルを見る。


「あ・・・ジャノーンだ・・・。」


「ええ。この男の中にいるのはジャノーンです。かなり危険なやつです。どうしますか?」


「マッキーは何でわかるの??知らないんでしょ??」


俺の質問に


「心の中からジャノーンという名前が出てきた。会ったことも、見たこともないんだよ!!でも、見た瞬間にそう思った。なんで??」


「多尾獣族の中でも、かなり有名なやつです。すべてを無にする存在です。こいつが関わった世界は必ずなくなっています。かなり危険ですよ。」


「真の勇者相手でも?」


「いえ、それはどうしようも出来ないのが私達です。」


「じゃぁ、彼女たちでどうにかなる?」


俺は3人の真の勇者を呼ぶ。

俺達の前に現れる3人の真の勇者。

以前に会った時よりかなり強くなっている。


「レベルは・・・3万前後ですか・・・。この男のレベルで見れば楽勝だと思いますけど・・・。」


「じゃぁ取り出すよ?いい??」


「え?取り出す??どうや・・・」


俺が願う。そうするとサミュエルの体からマッキーやデュオーンが出す漆黒の霧が出てくる。


「ぐぐぐぐぐ・・・なぜ??なぜ分離した??・・・ん?貴様ら・・・」


デュオーンとマッキーを見て一歩さがる漆黒の霧で形作られた者。


「ジャノーン。あなたの以前いた世界はどうなったの??ここにいるってことはもうなくなったってことでいいわよね?」


「くくく、ああ。無くなったよ。お前はなぜこんなところに居る?下衆探しの旅はどうした?今は人に媚びているようだが・・・。そしてそこに居るディスティーン・・・。貴様もなぜここに?」


マッキーの元の名はディスティーンというらしい。その名を聞いてマッキーの顔が変わる。


「ディスティーン・・・懐かしい名だな。今はマッキーという皆に慕われている名前がある。呼びたいならそう呼べ。それと・・・貴様ごときが私に話しかけてくるな。ゴミ虫が。」


どう聞いてもマッキーのものではない声。そして圧・・・。今までのマッキーのようなほんわかした感じは全くない。それどころかこの場にいる戦士皆が冷や汗を流している。


「マッキーの中にいるのがディスティーンというのね。まぁ驚いたわ。恵様。ディスティーンとは私達の種の頂点。最悪のものです。といっても、マッキーに抑えこまれて全く動けずに居るようですが・・・。それに、この場にいる真の勇者が強すぎて出てくることも出来ないようです。」


「マッキーが飼い慣らしているってこと??」


「はい。私の元が抑えこまれているように、マッキーもディスティーンを飼いならしています。以前の訓練が役に立っているのでしょう。前のように暴走してしまうこともないと思いますから。」


そういえば、ちょっと前にデュオーンとマッキが一緒に訓練部屋で何かしてたな。

自分を暴走させない訓練か?それは中に居る獣を前面に出さない訓練だったんだな・・・。



「まぁそうだな。私の中に居るこいつはもう、私をどうにかしてしまうほど力はないからな。にゃはははは。挨拶すんだら引っ込んでろって。」


マッキーが普段の美しい顔に戻る。

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