確保!!
あぁあ捕まっちゃった。
どんな惨劇が繰り広げられるのか??
血の池はもう見たくない。
レイの父親を捕まえる。
それが今回のミッション。
「デュランに頼もうよ!早いよそれが!!もうすぐ暗くなって寝る時間だよ?」
もう、面倒なんだろうな。レイはデュラン一択だ。
でも、俺のスキルの全貌をいろいろな人に見せるの嫌なんだけど。
いつか面倒なことになりそうだもん。
「人の力に頼ってはダメですよ。フィナ、自力で探す。そしてどつき回す。それが一番気持ちいいのです。」
笑顔で指を鳴らしながら恐ろしいことを言うレイの母。お義母様とっても怖いです。
そういや、レイのお義母様ってどれくらい強いの?
レイに直接聞いてみた。
「素手なら最強じゃないかしら?」
お茶をすすりながらあまり関心なさそうに言う。
「今も私達の国には大きな瓢箪型の湖があるんだけどそれはお母様が夫婦げんかで作ったという伝説があるの。本当かどうかは知らないし誰も怖くて聞けないみたいだけど。一番長いところで300キロ位ある湖よ。どうやって作ったんだろね?2撃ってことかな?それだと私達より強いってことになると思うけど・・・。」
パンチ2回で瓢箪型の湖?もう隕石じゃんそれ。恐ろしすぎるだろ。
そんな化物が今ここにいるのか?魔族って皆そんな感じなの?
顔から血の気が引く。
お義父様逃げて!!力の限り逃げ続けて!!
レイには悪いがお義父様を応援したくなってきた。
「さて、そろそろ・・・。マイカ!!フェブ!!」
「「は!!」」
「ミシュラ様の言うとおり探しましたが逃げられてしまいました。申し訳ございません。」
マイカが仮面で隠れて表情はわからないが言葉が残念そうだ。
「かまいません。居るのがわかればそれでいいのです。あなた達も捕まえたとしても気の毒がって逃してしまうでしょうから・・・。」
あれ?マイカたちは信用ないの??
「違うの。先代魔王であるゾルミス様が泣きながら逃げ惑う姿を見たくないんです。だって昔あんなに素敵だったのに・・・。」
こそっと小さい声でフェブと呼ばれていた魔族が答える。
フェブはシルバーの長髪を靡かせている冷たい感じの美女。目が切れ長で細い。ゾクゾクする目線。背は俺より高く上から見下ろす感じがすごく様になっている。Mっけのある者にとってはたまらない存在だろう。服装は肌の露出の少ないスーツみたいな服を着ている。でも、話し方はすごく親近感がわく。ギャップがすごい。マイカと違い仮面はかぶっていない。統一感ないな。
「おまえ、また失礼なこと考えてただろ。誰が仮面でブスを隠しているだ?」
そんなこと思っていないぞ!もしかしてマイカはネガティブっ子なのか?
「フッ。顔の前に出るとこ出さないと」
何故か遠くからギリギリ聞こえるくらいの声で田村さんが毒づく。
「き、貴様また・・・」
握り拳をプルプルさせているマイカ。なぜ敵対するようなことを言うんだろ・・・。
「マイカには分けてあげたいくらいだからあまりいじってやらないで。」
そのいじりが一番ひどいです、お義母様。
マイカ・・・座り込んでいじけて泣いてるじゃん。
レイは笑っている。そして
「やっぱりデュランだよ!!それしかないって。」
はぁそれしかないか。でもぶっちゃけ逃げ切って欲しいんだけどね。
「なぁもういいだろ?恐怖でいっぱいいっぱいのはずだよ。そろそろ許してあげて本当のこと言ってあげようよ。」
俺はレイに耳打ちする。
「ほんと、メグミは優しいな。」
とびっきりの笑顔を見せてくれる。
お!許してあげるんだな。
「デュラン、聞こえてる??私の父を捕まえてここに連れてきて。」
あれ??許すんじゃないの?
俺がびっくりした顔を見せるとレイは目を背ける。
『その願い叶えてやろう。』
頭の中に響いてくるいつもの件。
魔法陣と共にロープでぐるぐる巻のお義父様らしき姿が現れる。
あぁ
合掌。
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