仲間の強化と登用
「じゃぁ、贄達は皆に任せるよ。俺はこの子を調教してくるから。」
俺はふらふらしているアミスタと呼ばれる美しい魔物を抱きかかえて訓練部屋の出口に歩いて行く。
「あ!何人か呼んでおくから贄を殺しまくってね。俺がすぐ生き返らせるっていうのがなくなるから死んだら寝転がしておいてね。いつもと一緒だから大丈夫だよね?」
「ええ、それと・・・さっきのは嘘ですよね?」
「ははは・・・いえ、本気です。」
俺の言葉にミシュラが俺のもとに来るつもりだったようだが扉を消して俺は自室に瞬間移動する。
「恵さ〜〜〜ん!!」
なにか声が聞こえたけど、もう知らないよ。
「クロエ!!」
あ!そうだ!!いないんだ・・・。クロエを訓練部屋に置いてきてしまった・・・。迎えに行かないと・・・。
「は〜〜〜い!!」
元気な返事とともに俺のもとに走ってくるクロエ。
「・・・あれ??君・・・さっき訓練部屋にいたよね?どうやって出たの?」
「あぁ、私はこの屋敷の中は自由に移動できます。あの空間もこの屋敷の一部にされてしまったので扉に関係なく出ることが出来ます。」
ものすごい能力だな・・・。そのレベルでそのスキル・・・。この屋敷内だともしかして最強か?
「お願いがあるんだ。魔物っ娘たちと荀攸、リユ、ルールーを訓練部屋に転送したいんだけど、ここに呼んでくれる?」
クロエは返事をして走ってどこかに行ってしまう。レベルが上がったからだろか?走る早さがもの凄く早くなっている。
すぐに俺の部屋に集まる面々。
「訓練部屋に行ってもらうんだけど、そこにはこの子と同じレベル帯の魔物が4体居る。それをミシュラとレイが殺しまくってくれるから経験値もらってきて。楽にレベル上がるからさ。」
「それでいいんですか?努力とかは?」
怪訝そうな顔でダリアが聞いてくる。
「強くなるのに、努力と根性は必要かも知れないけど、効率がいいならそういうのなしでもいいと思う。」
ダリアの頭を撫でながら俺が笑いかけると真っ赤な顔をして俯いてしまう。
「・・・はい」
何の返事かわからないけどダリアが返事をする。かなり混乱しているようだ。
「じゃぁ移動するよ〜!!あ、それとミシュラとレイが機嫌悪いかも知れないから気をつけてね!」
「「「「「え?今な・・・」」」」」
俺の前から皆消える。
「さて、君は俺の何?」
俺はアミスタと呼ばれていた魔物に回復魔法をかけながら聞く。
ジュディ老師にボコられてかなりの負傷を負っているから。
アミスタが黙りこむ。
「君は俺の何?」
「・・・性処理用の・・・」
「それなんだけど、いや?」
俺の方をびっくりした顔で見る。
「え?そのつもりでここに連れてきたんじゃ?」
「俺を見てどう思う?」
「え?なに??この質問・・・。え?私・・・試されてる??」
ブツブツ言って心底困っている顔をしている。
「俺に勝てそう?」
「・・・あなた・・・人族よね?あの化物と対等に話していたわよね?じゃぁ強いのよね?」
「あそこに居る女性たちと比べると弱いよ。ただ一つ、誰よりもスタミナが有る。死なないし。だから性処理の相手をするとなると君はずっと抱かれ続ける。大丈夫?というより経験は有るの?」
「な!!!????経験有るかって??有るに決まってるだろ!!何歳だと思っているんだ?」
「じゃぁ大丈夫だね?今から君を抱く。その後、どうするかもう一度聞く。その時は即答してね。今は、強制という形になっても君を抱くから、だから・・・」
「あなたの・・・あなたのものになります・・・。だから・・・今日はもう勘弁してくださいませ・・・。恵様・・・。」
「わかった。風呂に入ろうか?風呂わかる?体を綺麗にしに行こうか?って聞いたんだけど?」
頷くアミスタ。
俺はアミスタを抱きかけて風呂に向かう。
もちろん二人共真っ裸だ。服を着ようにも汚れているからね・・・。
風呂に来た俺はアミスタをゆっくり立たせて肩を貸す。
「脚に力が入っていないけど大丈夫?」
「・・・はい」
「ゆっくり歩くから気をつけて。」
「・・・はい」
真っ赤な顔で俺を見つめるアミスタ。そんな目で見続けないでください。かなり照れてしまいます。
「人族はあんな行為をしているんですか?」
「え??あ〜、多分そうだと思うよ。俺は男の性行為を覗く趣味はないからアレであっているかどうかはわからないけどね。」
「あの・・・ありがとうございます。途中で経験がないと気づきましたよね?」
「ははは、そうだね。ない子に無茶はしないつもりだから。」
アミスタは真っ赤な顔をして俯く。
俺は体をお湯で流してアミスタに同じようにするように教える。
アミスタはお湯を浴びた経験がないと言っていた。いつもは滝で身を清めるんだそうだ。
そして体を洗い、湯船に浸かる。
アミスタはお湯に足を浸けるときに何度も『アツ!!アツ!!』と言いながら足先で湯をちょんちょんしていた。なんか可愛かった。
「恵様はなんでレベルを隠しているんですか?見せると恥ずかしいほど低いわけではないでしょう?」
沈黙に耐え切れなくなったのか、レベルの話をしてくる。
「この世界の人はレベルが見えない人を馬鹿にするよね?アレは何でなの?」
「レベルの高さは強さの証です。強さはわかりやすい指標です。それを隠すっていうことはそれだけ自分に自信がないということです。だから私達はそんな者を馬鹿にして蔑みます。」
「そうなんだ。俺はいつもマスク野郎とか覆面野郎とか言われて馬鹿にされるんだよね。でも、俺のはレベルがないんだよ。ステータスすら。」
俺が伸びをしながらそう言うとアミスタが驚く。
「え?レベルがない?何でですか?そんなわけないじゃないですか?」
「あそこにいた女の人たち覚えてる?あそこにいたほとんどがそうなってしまってるよ。レベルに囚われている間は弱いってジュディ老師が言ってたっけな?」
「え?ジュディが??」
「そうだ!ジュディ老師と知り合いなんだよね?なんで?」
俺はジュディ老師の過去を聞き出そうとしてみる。
「お話してもいいとは思うんですが・・・。それは本人の口から聞いてください。」
あら、正論だわ。