顔合わせ
ファンクラブの出資者で運営の中心はレイの父でした。
俺と二人で話がしたいレイの父。でもそうは問屋が下ろしませんでした。
ゴホンッと咳払いをして真面目な顔をするレイの父。
「まぁ話っていうのは君たちどこまで進んでるの??」
何の話だ??と思っていると
「娘のそういうことを親が聞くな!!」
レイは真っ赤な顔をして怒っている。
あぁそういうこと!それ聞いちゃダメだよ。だって父親だもん。
「いやいや、大事な娘なんだよ!気になるじゃない?私的には結婚を許していないんだよ?
お母さんだって人と一緒になることを許可するとは思えないよ?お母さんとは話したの??許可とったの??このままだと私怒られるじゃない?。お母さん怒ったら怖いんだよ。なんて説明したらいいの??既成事実があるなら仕方ないけどさ!ないかどうかまず聞かないといけないでしょ?」
あっているような間違っているような・・・。ただ単に興味本位と自分の嫁さんが怖いだけではないのか???そう思っているが口には出さない。
「お母様が怖いのは知っていますがお父様が聞いていることは娘からしたら異常です!変態です!!」
レイはものすごい顔で睨んでいる。義父様は狼狽えている。もう目が泳ぎまくっている。
「だから彼と二人で話したかったのに・・・」
聞き取れるか聞き取れないかくらいの声でつぶやく。
「あ!そうだ!!フィナじゃなかったレイ!!抱きしめさせてよ!!久しぶりにハグしよハグ!!」
いきなりにこやかに駆け寄って両手を広げる義父様。それを軽やかに避けるレイ。
ハグをスカ振るの始めてみた。
ちょっと涙目の義父をみて俺は
「ハグぐらいいいんじゃない?」
小声でレイに言ってみた。
「いや!!メグミ以外の男に触られるのは嫌!!」
義父が滅茶苦茶肩を落として落ち込んでいるけど・・・、俺は何も言えない。
「フィナちゃん、昔いっぱいハグしたじゃない。パパと結婚する〜とか言ってたじゃない。これから他の人のところに行くかもしれないんだからそれまではパパの胸に飛び込むくらいやってよ。」
「昔の話を出すな!!一体何百年前なんだ?その話!」
レイは父親にめちゃくちゃ厳しい。
「じゃぁレイリー呼ぶね。」
肩を落としたままブツブツ何かに向かって言っている義父。
するといきなり扉が現れる。前見たやつだな。レイリーが出てくるだろ。
「あなた何やってるの??」
あれ??レイリーの声じゃない。少し怒っているような声が・・・。
義父がガクガクブルブルしている。
これ、もしや、お義母様の方か??そうだとするとすごい緊張するんだけど。
「ちょっと、お母さん、抑えて抑えて。おやじも悪気があるわけじゃないんだから〜」
あ、レイリーの声もする。話し方は相変わらずだけど緊張感が伝わってくる。
「そんなんだからあの人がああなのよ!ちょっとはしっかりしてガツンと言いなさい!今はあなたが王なのよ!」
「うわ、とばっちり〜」
そんな会話をしながら扉が開く。
ふと俺は義父様の方を見る。あれ?義父様がいない。
不思議に思ってレイを見ると後ろの廊下を指さす。その先には走って逃げる義父の姿。
「あなたどこ行ったの??て、まぁフィナじゃない?元気にしてたの?いなくなったって聞いて心配していたのよ。よかったわ。」
すごいにこやかに話をしているが右手にはレイリーの耳を摘んで引っ張っている。
「もうやめてよ〜痛いじゃないか〜。」
引きずられながら文句を言っているレイリー。お気の毒に。
そう思っているうちに俺の前にお義母様が歩いてきた。
数秒上から下まで何往復か俺の姿を見て、
「きゃ〜!!可愛い男の子ね?フィナの子供??あれ??人と交わったの??」
長身の女性に俺を抱きしめる。胸が顔にあたって顔の筋肉が緩む。
なんせすごい美人なのだ。レイは母親似だ。もうそのままなのだ。姉妹と言えるほど。
それを見たレイはちょっと頬を膨らましている。
「ちょっとお母様!!私のメグミに何するんですか!!?彼は私の旦那様になる人です。ちょっと早く離れて!!メグミもだらしない顔をしない!!も〜〜!!!」
困った顔で俺とお義母様の間に無理やり入って引き離す。
「あの人はだらしないから彼をもらおうかしら?若いし、それに可愛いし・・・。」
それを聞くとレイが殺気立っている。
「な〜〜〜んて冗談よ!!からかっただけ!!そんなに怒らないで!!フィナ!」
優しい笑顔でレイを抱きしめるお義母様。
レイはなんか嬉しそうだ。
父親のハグは躱すが母親のハグは嬉しいんだな。
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