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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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魔人の生き残り

「なぁデュラン・・・。ラスボス側に君と変わらぬ存在があるとかないよね?」


俺の質問に頭をかしげるデュラン。今、デュランは俺の屋敷で食堂の椅子に座ってお茶を飲んでいる。


「主殿・・・それは・・・魔人が向こう側にいるかどうかというやつか?」


「そうだね。願いを叶える魔人は昔、神々に殺されて数を減らしたときいている。ミドラ情報だけどね。今、生き残っている魔人は君たちしかいないの?」


「いや・・・わからぬ。もしかしたら生き残っているものがいてもおかしくはないが・・・。かなりしつこく神々に狙われたからな。残っているものは相当戦闘能力に長けているか、もしくは・・・」


神妙な面持ちで黙る。


「もしくは??」


「あぁ、ないとは思うが・・・囚われている可能性はなくはない。」


「捕まえて言うこと聞かせるってこと?」


「それは無理じゃな。一応契約だからな。それを通さない願いは前にも言ったとおり自分の存在を失う。誰が好き好んでそんなことをする?」


「契約したら?」


「3つだけ叶えることができる。それが終わるまでは近くにいると思うけどな・・・。」


「何で3つなの??」


「さぁ?わからん。」


「奥さんなら知ってるとかないの?」


「聞いてみるか?」


「ウン。」


ランプから煙が出て、美しい小麦色の女性が出現する。


「はぁ、お外はいいわね。あなた・・・私にもお茶をいただけないかしら?」


俺の前に座るデュランの横にある椅子に腰掛ける女性。


「こんにちは。シャムさん。ひとつお聞きしたいことが・・・。」


俺はデュランの奥さんであるシャムに質問をする。


「そのお腹・・・どうしたんですか?」


俺はシャムさんのお腹が大きいことに気づく。


「これは・・・ミドラとミューの・・・弟です。」


「はぁ、おめでとうございます。その感じだともうすぐですね・・・。」


もうはちきれんばかりのお腹を布でぐるぐる巻にしている。


「はい・・・。」


「ここで産みますか?ここにいれば産婆さんが経験豊富なんで、安心ですよ?」


「主殿・・・いいのか?」


デュランが頭を掻きながら聞いてくるけどそれくらいいいでしょ。


「いいんじゃない?いつもデュランには世話になってるし。それくらいのお返しはさせて欲しいけど・・・。」


「主殿・・・あんたはいい人だな・・・。」


赤い目からボロボロ涙を流す。


「ミドラやミューの時ってどうしたの?」


「それはですね・・・もう・・・大変でした・・・。この人がオロオロしているだけで・・・。」


「あ!聞くの辛いからその辺で・・・俺もミシュラの時一緒だったから・・・。」


きっとシャムさんの言いたいことは『デュランは役立たず』だろう。俺もものすごいオロオロして何も出来ずにいたからその言葉は聞きたくない。


「ふふふ。あなたは本当に優しい人ですね。」


何かのツボに入ったのかシャムはものすごい笑っている。


「クロエ!!」


俺の声に必ずすぐに「は〜〜〜〜〜い」と答えて探すこと無く一直線に俺のもとに来るクロエ・・・。

何かしらのスキルかな?


「こちら、シャムさん。お初だろうけど、この屋敷で出産するから産婆さんに連絡とってくれる?」


「あ、はい。それならレイ様に頼みますがよろしいでしょうか?」


ああそうだね・・・。産婆さんは魔族の人たちだったもんね。


「レイ!!」


「うん?何??」


俺の説明を聞いてレイはレイリーに連絡を入れる。するとすぐに大きな扉が現れてそこから4人の女性が現れる。


「レイリー様の命令でこちらに来ました。出産を控えた方がいらっしゃるとか・・・。」


俺はシャムさんを紹介して屋敷に一室で生活してもらう。

その近くの部屋にそれぞれ4人に生活してもらうようにする。


「何も聞かないままシャムのやつを部屋に行かせたがそれでいいのか?」


デュランが申し訳無さそうに聞く。


「なぁデュラン・・・。願いを叶える魔人をここに呼んでくれる?」


「え?主殿の願いで呼び寄せるのか?」


「うん、それで解決するでしょ?」


「あ・・・・おぉ!!そうだな。それで全員揃うな・・・。居ればだが・・・。」


そして願いが叶うと同時に4つの光の輪が足元に出てくる。


「4人ってことだよね?」


「ああ・・・」


デュランが額に汗をかいている。そんなに生き残っているとは思ってもいなかったんだろう。


光の輪から4人の女が現れる。


「なんだ??誰が呼び寄せ・・・あ!」

「はぁ?何をした?・・・ん??」

「え?どこ??」

「ほぅ願いを叶えるものが・・・え?」


4人それぞれデュランの顔を見て硬直している。


「お前ら・・・」


デュランも硬直している。


「デュラン・・・知り合い?」


「「「「デュラン??」」」」


4人の女が声を合わせて驚く。そして俺を睨みつける。そんな目で見られてもね・・・。


「兄さん!!何やってるの??」

「久しぶりね、ンデュラー。」

「・・・」

「おい!!ンデュラー!!お前!!!何、人とお茶してんだ??」


思いっきりデュランのケツを蹴り上げる一人の女。


「イッタ!!姉さん!なんで蹴るんですか??」


「お前な〜〜!!生きてるなら何とかして私達を見つけろよ!!死んだとばかり思ってただろ?」


何度も何度もデュランのケツにケリを食らわせる女・・・。見た目は人族だよね?


「こんにちは、デュランの主の恵です。よろしく。」


俺が頭を下げると4人の女達は俺を取り囲む。


「ちょっと・・・これ・・・人なの??ねぇ?」

「いや・・・こんな人族・・・見たことないけど・・・」

「あれ・・・願いで無敵にしたってやつ?」

「願いで強くはできるけど無敵は無理でしょ?」


俺を見てヒソヒソと話をしているけど・・・丸聞こえですよ・・・。


「まぁ立ち話も何なんで。紅茶と甘いもの出しますから・・・。」


俺の言葉に召使がどんどん甘いものをテーブルに持ってくる。


「聞きたいことがあるんですけど・・・いいですか?」


俺の言葉に何も言わずに席に着く4人の女・・・。この人たち本当に願いを叶える魔人なの?

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