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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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ラスボスとハッピーエンドと

気の抜けた日々もたまにある。

それ以外は真面目にラスボスの回りにいる面倒な奴らを少しずつではあるが閉じ込めては始末する。

そしてかなりの数を始末できた。

これも皆に話したおかげなのかも知れない。

全員が喜んで協力してくれている。俺はそう信じている。


「あんな雑魚ばかりだけど、ラスボスって強いの?」


「ものによるなぁ。」


「「「「なにそれ??」」」」


全員が声を揃えてこっちを見る。

俺が率直に感じたこと、ラスボスが尋常じゃない強さを持っている時とものすごく大したことがない時との差が激しい。同じ個体とは思えないほど。

そりゃぁミシュラとやりあった時はジュエルがラスボスというより、操られているミシュラのほうがやばかった。ネタバレになるけど、ジュエル自体はミシュラの一撃に巻き込まれて死んでしまうんだから。操っているのがジュエルではないので、死んだところでミシュラが止まるわけでもない。あの時の操っている奴の台詞では『コレを使って、世界を我が手に!!』なんてバカなことを言っていたけど・・・。まぁわざとジュエルを巻き込んだとも取れる発言かな?


「いや、あの・・・ラスボスは強さに何段階かあって、それがなぜ変わるのかまではっきりしていない。だから今回のラスボスがどの程度の強さなのか全く掴めない。もしかしたらヤバイくらい強い可能性もあるけど・・・。今までは今の俺で時間をかけて始末するっていうのがいつものパターン?」


「何で時間がかかるの?」


「やっちゃん、俺と戦って勝てる?」


「え?今の??・・・無理ね・・・。だって、あなた死なないでしょ?」


「そうだよね?俺死なないよね?だから時間をかければ最後は誰もがジリ貧になって最終的には俺が勝つんだけど・・・。そうなる前にリセットしていることも何度もある。だって、勝っても、皆死んでいるなら意味無いでしょ?」


「まぁたしかにそうですね・・・。恵様はハッピーエンドを望んでいますし・・・。」


「そこなんだよ!!そこ!!俺はもう戦って勝つという終わりに対してそれほどこだわっていない。勝つだけならそれこそ数千とこなしているからね。もしだよ・・・全く戦わず、ハッピーエンドが来るならそれもありだと思っている。」


「そんな終わり方はないでしょ?だって、バカなことやりまくっているのよ?」


やっちゃんが怒っている。ラスボスには死を与えるのが当然という意見だな。


「私も戦わないっていう選択肢はないと思うよ。だって、そんなモヤモヤした終わり方気持ち悪いもん。」


レイはバトルマニアだけあって戦わないという終わり方に気持ち悪さを感じるらしい。

流石ミニミシュラという感じだな。


「私は何もないでそのままずっと皆一緒っていう終わり方もありと思うわ。だって、今・・・幸せでしょ?」


ハウンが俺と同じ意見でいてくれる。ちょっと熱いまなざしを送ってしまった。それに気づいてハウンが赤くなって下を向く。


「何そのへんな空気・・・。私もそれに賛同したらその熱視線をモノにできるの?」


レイが不貞腐れて俺とハウンを交互に睨む。意見はそれぞれだからね・・・。


「っていうか数千もやり直していることに誰も突っ込まないのか?」


ジュディ老師が痛いところを突いて来る。


「たしかにそうね・・・。何で数千回もやり直してるの?恵くんてバカなの?」


涙目の俺を見てやっちゃんとレイが口を押さえて吹き出すのを我慢している。


「俺だってね・・・。そんなにやり直したくなかったよ。よく考えて!!1年を数千回やり直す。それだけで数千年は経ってるんだよ?今回みたいに約3年の間をやり直しているってことはもうそれだけで1万年くらいほぼ同じことをやっているんだよ?それってキツくない?ねぇねぇ?」


涙目で俺が熱く皆に言うけど・・・。皆ヒイてるね・・・。


「聞きたいんだけど・・・。受験勉強そんな長い間やってると・・・」


「あぁ!!そうだよ!!受験自体は1番で合格するよ!!しかも全部満点でね!!だって!!答えも知ってるんだよ?そうなるでしょ?」


「はい!不正発覚!」

「不正だね!!」

「ええ、これはもう・・・不正以外ナニモノでもないわ・・・。」

「受験て何だ?」


もう、色々言ってくれる。


「じゃぁ、私の受ける大学の問題も教えなさいよ!」


「私にもちゃんと教えてよ!!同じ大学いくんでしょ?ねぇねぇ??」


やっちゃんとレイが俺の袖を引っ張って不正に協力しろと言ってくる。


「実は・・・。ここに・・・」


俺が取り出す未来の赤本という凶悪なシロモノ・・・。


「もしかして・・・アイテムも持ち越せるの?」


「何度かやり直ししている間に気づいたんだ・・・。アイテム袋の中身は時を超えられるって・・・。」


「「「マジか・・・」」」


「マジっす。」


俺とレイ、やっちゃん、ハウンのアホなやりとりをジュディ老師とメイリーンがアホを見る目で見つめながらケーキを口にしている。


「私も大学行きたいぞ。恵・・・それくれ。」


マッキーが未来の赤本に手をかけそうになった瞬間に


ピィ!!


燃え上がる究極不正アイテム。


「ダメです。それはさすがにダメです。」


ハウンが光線で焼き払う。


「おまえな!!ハウンはいいよ!!今言ってる大学はデュランの力だろ?私達は一応全部覚えるっていう努力をするぞ!!それを『流石にダメ』っていうのはおかしくないか?」


ハウンの襟を掴んで揺さぶるマッキー。確かにこの人は究極中の究極で不正を働いているわ。


「それはしかたないじゃない!!私のやったことじゃないくて・・・あ・・・」


地球組が俺を見ている。


マッキー

レイ

やっちゃん


「デュランでいいじゃん?」


「まぁそれは今回の事態がうまく行ってからということで・・・。」


俺がごまかそうとすると


「今すぐやっておこうよ!!」

「予約よ予約!!」

「なぁ、もうやっとこうぜぃ!」


3人の不正っ娘が俺をもみくちゃにする。


「ラスボス対策の話が何で受験対策になってんの?」


困惑する俺。関係がないみたいな顔をしているハウン。君のせいなんだけどね・・・。

未来の赤本がまだここにあれば・・・。こんな事にはならなかったのに・・・。



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