ハッピーエンドへ向けて。
「なぁ、恵・・・恵の話を聞いて思ったんだけどな・・・。」
マッキーが俺の耳元でささやく。
「マッキー・・・天才だな・・・。」
「ここに居る全員!!今からこの場に現れる似非神々を瞬殺してくれ!!絶対取り逃がさない!!そして恵に触れさせない!!行けるかな?」
「いいわよ!!」
「オッケー!」
「気づく間もなく微塵切りにしてみせます!!」
「灰も残さず焼き払います。」
力強い言葉が聞ける。そうだ・・・デュランを奪うスキル持ちを始末すればいいんだ。
「一人とは限らないからぎょっとしないでね。」
『デュラン!』
その瞬間に3人の男女が現れる。が、その瞬間に全員始末される。ハウンの言うとおり灰も残さずこの世から消える。
『デュラン・・・ジュエルは気づいている?』
『いや、別行動だったものしか呼んでいない。その男の近くにまだ1人いる。あれはどうする?』
「まだ1人いるけど後回しだね。ジュエルの横にいるらしい。」
「いきなり横にいる奴が消えればバレるわね・・・。仕方ないから後にしては?」
やっちゃんはさすがだ。決断がめちゃくちゃ早い。
少しだか空間を出て休憩をする。ちょっとつまみ食いをしたり飲み物を飲んだり。この間は俺とシャロン以外は何も覚えていない。また空間に戻せば何事もなく話を始めるはずだ。
そして1時間ほどしてまたレベル無しの者をあの空間に送り込む。
開口一番
「恵よ・・・奴隷を助けろって言ったの謝るな・・・。恵の気持ちを考えずにひどい言い方をした。」
「いいよ。マッキーは奴隷にされている人が心配だったんだろ。俺はそれをすれば皆に危害が及ぶと思って冷たい選択をした。」
「シャロン・・・お前にも謝っておくよ。ゴメンな・・・。私がもたもたしているのが許せなかったんだな。」
「私こそごめんなさい。皆も・・・ごめんなさい。焦ってしまいました。本当にごめんなさい。」
「それでこそ、あった時の感じだな!!にゃはははは。シャロンはソッチのほうがいいぞ。あんなイライラした美人・・・見たくない。」
マッキーとシャロンが抱き合っている。そして何故かマッキーはそのままシャロンのお尻を揉み始める。
「あの・・・ちょっと・・・え??なんで??」
俺達は2人を放置して
「もしかして・・・皆で知恵を出しあったほうがいいかも・・・。」
俺の意見にみんな賛成してくれる。
そしていきなり出来上がった即席会議室。
「先に皆に断っておくけど・・・。ここから出ると俺がこの世界を何度もやり直しをしていることを聞いたという事実を思い出せなくなる。それでもシャロンへの怒りや不快感はなくなっているから安心して。この記憶の操作は君たちの安全のためでもあるから。」
「メグミ!で、何をするの??」
相変わらず何に対してもワクワクして目をか輝かせるレイ。
「まず、恵くんの失敗の数々を全部書き出さない?それから対策を立てていく。そうしないときっとまた同じことをするわ。」
こういうことに関してしっかりとした考えを見せるやっちゃん。
「そうね。それをピックアップしてどんなことをしていけばいいか考えましょう。それと敵の情報。それがをしっかり全員の頭に入れて行動しましょう。」
冷静なハウン。とても頼りになるお姉さんだ。
そして会議が開かれる。
ホワイトボード何百枚に俺の失敗が事細かに書き示される。それに何をすべきか書き足されていく。
相当な時間をかけて・・・。と言っても外に出れば一切の時間が経っていないからいいんだけどね・・・。
そしてかなりの時間が経過する。
「俺・・・一人で頑張っていたのが馬鹿らしくなってきた。こんなに皆で知恵を出しあえば解決への糸口がつかみやすくなるなんて・・・。」
解決する方法を俺達全員が確認する。
俺は願いで陥りそうな所に蓋をする。
そして似非神々の駆除。
その中でも厄介なスキルを持つものをどんどん始末していく。
厄介なスキル・・・
人を飲み込んでその能力を手にできるモノ
人に触れるとスキルを模倣できるモノ
死体からスキルを取り出し、移動を可能にするモノ
などなど
そう、スキルを強奪できるたぐいのスキルを持つものは先に始末する。
これのせいでかなりの被害が出る。特に触れると模倣できるスキルはかなり厄介だ。
そっと後ろから近づき、触れ、スキルを使う。こんな奴らが似非の神々には結構居る。
しかもこういう奴は、スキルを奪って移動させる奴のおかげで隠遁スキルを持っていることが多い。だからとても厄介なのだ。
そのせいで俺が強くしまくった仲間が何人も殺された。
それを今回一番先に始末するつもりだ。
「みんな、これからスキルを強奪するスキル持ちをかなりの数ここに呼び出す。強さはそれほどではない。ただ、気をつけてほしい。かなり厄介だから・・・。消えたり、小さくなったり、本当に嫌なスキルも一緒に持っている。だから気を引き締めて!!」
俺はデュランに願う。そして人数を聞く。
「23人だ。」
「人じゃない、匹だ・・・。」
レイが横から口を出す。
今はみんなに聞こえるようにデュランには声を出して話をしてもらっている。だからレイの指摘にちょっとした笑いが漏れる。
「気を抜かないで・・・。」
俺の言葉に
「「「「「はい!!」」」」」
そして23匹の似非神々が現れる。その瞬間に全員始末されハウンに焼き払われる。
「これで全部?」
「ああ全部だ・・・。それと今なら我に手出しできるスキル持ちが一人で歩いている。と言って時のない今は止まっているがな。ここに連れてくるか?」
「ああ。」
現れる女をジュディ老師がミンチにする。掌底ってそんな攻撃なの?まさにパ〜〜〜ンと飛び散ったのだ。
「再放送で見たあのアニメみたいだな・・・。」
「ああ、あの服を毎話破るやつね・・・」
やっちゃんが頷いてるがほかは誰も反応してくれない。俺達2人の話を無視して肉片をハウンが焼き払う。
この調子でどんどんいけば俺一人でやるよりずいぶん早いな・・・。