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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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元締めのいる街へ

馬車乗るのは初めてです。違う街に行くのも初めてです。

こちらの方向には一度も来たことないな。

そう思いながら外の景色を楽しむ。

綺麗な草花、そして青く澄んだ空。たまに見かける魔物たちは馬車に気づいても襲ってきたりはしない。

風も気持ちいいな!!馬車最高!!ちょっと揺れるけど・・・。あと、ケツ痛いけど・・・。


そうこうしているうちに街が見えてきた。


街にはやはり高い壁があり出入口であろう門では門番が人々にノートを見せるように指示している。

俺達はその門の横にあるもう一回り大きな馬車用の門を通ることとなった。


「レイ様だ。ギルフォード公に会いに来た。コレを・・・」


門番にファンクラブ会員証を見せる。

あれ??ノートじゃないの??身分証明は???


「はい、伺っています。そのまま馬車で街の中を移動してください。」


通れたよ!!おかしいだろ??公的な証明書じゃないよね、それ!!

突っ込まなくていいのか??

出来てたった2日だよ??厳密には2日目だよ!!?

警備体制ザルってことか??


門を通り、馬車が進む。

何故か歓声を上げながら街の人々がこちらを見ている。

紙吹雪も待っている。この世界って紙はたしか高価なはず・・・。


『ようこそ!!レイ様』

『レイ様ラブ!!』

『レイ様こっち見て!』

『レイ様と共にある街、シルフィへようこそ!』


などなど旗や幕を持って人々が狂喜乱舞している。

レイがまた倒れるのでは??と心配してレイの方を見ると


「ふふふふふ」


笑いながら歓声を送ってくれる人々に手を振っている。

テレビで見たどこかの国の女王様のようだ。

だが、禍々しいオーラが漏れている・・・。

よく見ると目が全く笑っていない。怖いです。


「ありがと〜〜〜。」


声を出すと観客から『うぉぉぉぉぉぉ!!』という歓声が上がる。

これはまさに熱狂。ヤバイぞこれは。2日目にしてこれ・・・。

1年後に世界を取るっていうのも実現できそうで怖い。

そうこうしているうちに一際大きな門のある屋敷に到着。

きっとここがさっき言っていたギルバード公という貴族の屋敷なんだろう。


「やっと着いたどうしてくれよう・・・」


すごい小声でそんなセリフを吐くレイ。

寒気がした。暴れたりしないよね。


「レイ??暴れたりしないよね??ね??」


聞くとビクッとなる。エ??みたいな顔で俺を見る。

この子、暴れる気満々だったみたい。

危ない!!マジで危ない!!危うく犯罪者の仲間入りをするところだった。

屋敷の中は歩いて移動するみたい。

皆降りてゆっくり歩いて行く。


「貴族ですので粗相のないようにおねがいします。」


デッカイおっさんが言う。

レイに暴れるなと釘を差して屋敷の前に立った。


「お待ちしておりました。レイ様、そしてお連れの方々。ご主人様が中でお待ちしています。こちらに武器となるものを置いて、中にお入りください。」


メイドと思われる服装の女性が大きな箱を指さした。レイを見てすごいにこやかに笑うメイドさん。

なんでそんなににこやかなの?


「そういやレイって武器どうするの?」


小声でレイに聞いてみると、


「これ、服と一体化しているから外せな〜い。」


と言ってのける。まぁ、服と言い切ればそうなるけどね。でも変幻自在の触手じゃんそれ。

そんな話をしながらメイドさんの後を着いて歩く。俺達の後ろからもメイドさんがついてくる。

挟まれた感じだが不快感はない。


「ご主人様、レイ様とお連れの方々をお連れしました。」


ノックの後、そう述べて大きな扉を開くメイドたち。

ここに来るまでの廊下も綺麗な装飾だったが、部屋の中は一段と豪勢である。

だが、下品な感じはなくすごくこの雰囲気にマッチしている。

そう、センスが素晴らしくいい。


そう思いながらキョロキョロしている小物感たっぷりの俺。


「ようこそいらっしゃいました。レイ様。」


奥の男性が優しく声をかけてくる。そうだな、爺さんだな。うん、爺さん。

若いとは言えない、どう見積もっても70近いお爺さんだ。


「この姿は疲れるから気を抜きますね。」


お爺さんがわけのわからないことを言うと、何故か若返っていく。40代くらいのダンディーな男性に。

下を向いていたレイがすごい形相で爺さんを見ようとしてピタッと止まる。

え?凝視して止まっている。口開いてすごい間抜けな顔になっている。


「お父様、ここで何をやっているのですか?」


え?レイ今なんて言った??お父様??この人が??何言ってるの?

そのセリフで全員フリーズしている。思考も行動も・・・。


「いやいや、あなたのお父さんって、あれでしょ??あれ?先代・・・。」


慌てて口を抑える田村さん。それより先は言えないのだ。なぜならここにはデッカイおっさんがいる。

バレるわけにはいかないのだ。ここに魔族がいることが。


「えっと、知っていますので普通に話ししても大丈夫ですよ。言ったじゃないですか、大物で言えないって。」


頭を掻くデッカイおっさん。

あんた知っていたのか・・・。俺に言えないんじゃなくてあの場で言えないってことだったのか。

まぁデッカイおっさんの前で若返っていく時点で変だわね。

ってことはレイが魔族ってことも知っているのか?


「じゃぁレイがそうだとも知っているのか?」


俺が聞くと、


「えぇ最初は驚きましたけどね。まぁそうだなと。握力だけで女性に倒されるなんてこと、さすがにないとね。」


なぜか笑っている。


「私がやってみましょうか?」


対抗心を見せて田村さんが右手をワキワキさせながら言う。あんた怖いよ。清楚なイメージもう一生持てそうにない。


「でもなんでお父様がこんなことに関わっているの?」


率直な気持ちをぶつけているレイ。こんなことって、おっさんかわいそうだろ。

そこはさておき、なんでレイの父親がこの計画に関わっている?


「そりゃ、あれだろ?ここんところ全く会っていなかっただろ?会いたいな〜と思っているとそこのジルがレイの人化の写真を見てニタニタ笑っているところに出会ったんだよ。」


「ちょっと、ニタニタしていたことをばらさないでください。」


恥ずかしいことをばらされて真っ赤になるデッカイおっさんこと、ジル。


「それでその写真の女性はナニモノなのか?と聞いて今に至ったわけよ。あ、端折りすぎた??」


はい端折りすぎて俺には理解できません。


「それでわかればここまで来ていないわよ!!なんでこんなことやってるの??お父様!!」


うわ!!怒ってる。すごい怒ってる。そりゃそうか。ぶっ倒れるほどストレス感じていたことにおやじが関わってるんだもん。そりゃ怒るわな。

でも話し方とか、雰囲気がすごいレイリーに似ている。怖いくらい。


「う〜〜〜ん、こうでもしないと会いに来てくれないんだもん。」


なぜかもじもじするダンディーなおっさん。

正直きもい。義理の父に思っていいことではないが気持ち悪い。

そう思っていると


「顔が見たいでしょ??可愛い娘だよ。久しぶりに抱きしめたいな!とか思うでしょ?もう王様でも何でもないんだから威厳とか建前とかいらないでしょ?大好きな娘と何とかして接点持ちたいのよ。」


すごい勢いで力説し始めた。これはもしかして娘ラブ過ぎてヤバイやつなのか?

娘に向けられる深すぎる異常な愛、それでこんなことになってるの?


「さて、今日はなんだしここでゆっくりしていきなさい。あと、そこの君、ちょっと話があるから残って。」


俺を指さす義父様。え??俺??話ってもしかして・・・。

困惑している俺。

聞き足りないでモヤモヤした感じを残すレイ。

田村さんとデッカイおっさん改めジルは部屋を後にした。

レイはまだ俺の横に立っている。


「あの、フィナ、ちょっと席を外てくれるかな??」


レイって本名フィナなんだ。

俺はレイの方を見る。滅茶義父様を睨んでる。怖い。


「もうこのままでいいか??お話し始めますよ。」


レイの退場を諦めて話始める義父様

なんの話なんだろ?



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