世界のすべての真の勇者
俺が訓練部屋に入ると皆楽しそうに戦っている。
マッキーは頑張ってそのままの姿でミシュラをいじめている。
「ほらほら、ミシュラ!!私を殺せ。さぁさぁさぁ。」
自分を盾に戦うって・・・よくわからない。
「殺せないわ!!殺せないわ!!殺したらアレになるんでしょ?絶対嫌よ〜〜〜。」
泣きながらイヤイヤと首を横に振っているミシュラ。なんか・・・シュールだな。
それ以外のものは訓練らしく戦っている。いい感じだな。
レイは・・・何故か座っている。
「ん?レイ??どうしたの??」
俺の存在に気づいて飛んでくる。
「メグミ!調度良かった!!私の相手がいないのよ!!」
「え?なんで?訓練はそういうの関係ないでしょ?」
「あのね・・・私も・・・レベルが無くなったの。」
ものすごい小声で俺の耳元で話をしてくれる。
顔を見るとすごく嬉しそうだ。
「おめでとう!!やったね!!やった!!レイ!!やった!!」
俺と手を取り合ってスキップする。
「気持ち悪いからやめてくれる??」
そうだね・・・。気を取り直して・・・。
「全員ストップ!!ここに真の勇者様がいらっしゃる。でだ、俺のことをレベルを隠す卑怯者と言っている。物事を知らない可愛いお嬢さんに現実を見せてやってくれ!!」
全員が3人の真の勇者に詰め寄る。
「あ!それと、この瞬間から経験値が入らないから。こいつら外様だからそんな優遇いらんでしょ?殺して殺して殺しまくって!!」
俺の言葉に魔物っ娘たちが・・・。
「おい、ゴミ。恵様に卑怯と?」
カミーラが魔物の姿に戻る。
「ふふふ、万死に値しますわ。」
ラウルが元のサイズに戻る。
「真の勇者もピンからキリまであるんですね。こんな雑魚がいるなんて・・・。運がいいだけのカスですか?」
ルールーがブチ切れている。
「ここでは死なない。ちがった、死ねない。心壊れるまで死に続けろ。」
魔物っ娘卒業したダリアがものすごい形相で3人の前に立つ。
「ひぃ・・・何このレベル・・・。嘘でしょ??」
「馬鹿な・・・万・・・なんで??そんなに上がるの?」
「はわわわわ・・・」
はわわわわって言うんだね。ちょっと笑える。
ラウルのなぎ払いで全員が一度ミンチになる。
その瞬間に元に戻る3人。
「「「え?」」」
「今死んだような・・・」
「あれ?」
「なに?」
「「「ひぃ!!」」」
目の前にいる特大の魔物たち。それを見て震えている。
そして何度も何度も同じように殺される3人。
「ねぇ、恵さん。復活が早くない??」
「あ、うん。死んだ瞬間に復活するようにしている。経験値にならないからそれでいいでしょ?」
何度も何度も代わる代わるどつかれては潰れて死ぬ真の勇者。あれじゃぁ役に立たんわ。職で浮かれて怠慢していたタイプだ。
「はい!全員ストップ!!」
魔物っ娘たちが殴り殺そうと振り下ろした触手を寸止めしてこっちを見る。
「君たち、真の勇者になってどれくらい?」
「6年です」
「8年です」
「3年です」
「怠慢ですね。私は恵様に1日で400まで上げていただきましたもんね。ダメですね。この人たち。」
「こんなの放置してても脅威にならないって。マッキーだってこいつらに負けるわけ無いでしょ?」
「はぁ?私は今ミシュラを懲らしめているんだ。その他のことは任せる。なぁ、ミシュラ、私を殺せ。さぁさぁさぁ。」
「もう。面倒だな。ほら・・・」
俺がマッキーの首を刎ねる。それを両手でキャッチするマッキー。
「ちょっと〜〜!恵さん!!なんで??」
「あはははは・・・ミシュラ・・・やっとこの時間が来たな・・・。」
首だけになっても死なないマッキー。切り口からドス黒い霧が発生して周りのものを食い始める。
そのまま獣になってしまうのかと思ったら
「おい!恵!!刎ねる前に言えよな!!落としたら痛いだろ?」
自分の両手で自分の首を前に差し出して俺の文句を言う。全然飲まれないね・・・。
「恵!!どう思うよ??これ!!私の意思がまだあるぞ?なんでだ?」
ちょっと嬉しそうな声を上げているが姿は禍々しい獣の姿だ。
「ねぇ、恵くん。真の勇者探すより、マッキーと同じ職の人を探したほうがいいんじゃない?レベル上がればこれになるんでしょ?ヤバイわよ。」
「おう!!レイちん!!今でどれくらい経った??まだ意識があるぞ?なぁ、ミシュラどうよ!!」
ミシュラの方に顔を向けるマッキー。
「ヒィィィぃ!!こっち見ないで!!怖い怖い!!」
キャラ崩壊だな・・・。
「ねぇ、メグミ・・・マッキーをどこかにやってくれない?お母様が全く役に立たないのよ。もう、役立たずよ。どうにかしてよ。」
レイがものすごいひどい言い方をしている。
「じゃぁ外に出ようか・・・。マッキー。」
「そうだな。元に戻るぞ。」
黒い霧が体から消えて、マッキーの姿になる。
「ミシュラをいじめるのも飽きたし、エビフライ食べに戻ろう。」
マッキーは俺と腕を組んで扉に向かう。
「ちょっと!!部屋の仕様戻してよ。経験値がはいらないじゃない?」
やっちゃんが怒る。
「恵様・・・ゴミの回収を。こんな奴ら殺しても面白くないです。回収しないなら食べますけど・・・。」
ラウルが触手で掴んで3人を俺の前に連れてくる。
「勘弁してください。悪いことはしませんから・・・。」
「許してください。職にあぐらをかいていたのは認めます・・・。」
「奴隷でも何でもなります。許してください・・・。」
心折れてるね・・・。まぁこいつらが悪いことしたわけじゃないと思うんだよね。運悪くおれが変な思いつきをしてしまっただけ。
「君たちが悪いんじゃないんだ。おれが変なこと思ってしまったから。ごめんね。でもね・・・、君たち弱すぎるよ。もし・・・よかったら、ここで強くなる?」
え?という顔をする3人。その後顔を見合わせている。
「あの・・・。今なんと?」
「ここで強くならない?ここには真の勇者が2人いる。どう?悪い話じゃないと思うよ。謝罪の意味も込めてさ。」
「あ・・・あの・・・いいんですか?」
「いいよ。ただ、この屋敷に住んでもらうよ。」
「「「はい!!」」」
「うわ・・・恵の誑しが炸裂してる。女を落とすのがうますぎる。こんな方法・・・極悪だな・・・。」
マッキーの注釈
※こんな方法
殺しまくって心を折って弱った心につけ込む。どう思うよ?極悪だよな?