表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
433/520

覚醒と暴走と

「マッキー。自分を見失わない訓練をしようか・・・。俺もだけど・・・。」


「仲間だな・・・。」


「そうだね・・・。ちなみにミシュラもだけどね・・・。」


「・・・あれと一緒にされるとな・・・。」


「あれ言うな。失礼だよ。」


「で、どうやって訓練するんだ?」


「それがわかれば俺もね・・・。」






「恵様・・・お食事は?」


クロエが走って俺に食事のことを聞いてくれる。


「食べる食べる!!マッキーもどう?」


「それがな〜お腹が減っていないんだな。なんでかな?」


「・・・」


俺は『いろいろ食ったからじゃない?』とは言えなかった。いろいろ・・・だって仲間じゃない・・・。要するに人(または神々)だよ。俺でもそういうのは食べたことない。嘘です・・・。狂戦士は腹が減るみたいで・・・。


「どうした?恵・・・黙りこくって。」


「いや・・・。なんかマッキーと共通点が多いなと思ってね・・・。」


「おお!それは一番に返り咲けそうってことか?」


「それは努力してください。でも、まぁ、限りなく一番だね。俺に嫌なこと言うだけだし。」


「そこは反省している。ごめん。」


「俺はマッキーのそういうところが好きだよ。マッキーはちゃんと反省する。次に生かす。」


「そうか??ありがとうな!!褒めてもらえるとやっぱり嬉しいな!!」


『主殿・・・。いいところ悪いが・・・。』


『なに?どうしたの?』


『レイ殿が・・・覚醒したようだ。』


『はい?いい知らせじゃない?』


『今・・・ミシュラを殺した。・・・あ!』


『あ!なに??あ!なんなの??その間とあ!ってなに?』


『今・・・訓練部屋の扉を開けようなんて思わないでくれ。大惨事になるから・・・。』


『まさか・・・』


『ははは・・・そのまさかだな・・・。』


俺はデュランの言葉に頭を抱える。


「恵?どうした??何かあったのか?」


「ちょっと行ってくる。ミシュラが暴走したらしい。」


「ええ?それって以前のレベルでか?」


「多分な・・・。」


「なぁ、私も行っていいか??今度はあれと殺り合いたい。」


「マジでか?」


「大マジでだ。」


俺達は訓練部屋に移動する。

俺達はそのままじっと様子を伺う。

あれは・・・どうするんだ?でかすぎる・・・。軽く100mはあるだろう。周りにまとわりついて戦うレイ達。以前の時より戦えてる。大したもんだな!!


「おいおい!恵よ!!楽しそうだぞ?ぶっ殺そう!!」


ワクワクしているマッキー。いや〜あれには勝てないよ。俺が行っても意味ないよ。踏み潰されて終わると思うよ。


「くふふふふ・・・。食える。あれを食える・・・。ぐくくくく・・・。」


あぁ、なんかマッキーがおかしくなっている。マッキーの声じゃないような・・・。それに食ってる自覚があるんだ・・・。


「食える・・・食える・・・絶大な力を食える・・・。」


漆黒の霧がものすごい勢いで吹き出る。あれ?人格が変わってるのか?


「ぎゃはははははははは!!」


獣の形になりながらミシュラの下に走っていく。

俺を放置してミシュラを倒しに行くマッキー。いや、マッキーの暴走したモノ。

足元に到着すると同時に食い始める。それに足を取られて転倒しそうになるミシュラ。マッキーの存在に気づき踏み潰しにかかるがマッキーを踏みつけた脚をそのまま捕食しはじめる霧。


あの特大ミシュラがのたうち回っている。あんなに苦しめることができるのか?


「きゃぁぁぁ!!獣が来た!!黒い獣が来たわ〜〜〜〜!!」


ものすごい悲鳴を上げながら逃げ惑うミシュラ。脚を食われてかなり慌てている。


「ウマイウマイウマイ〜〜〜〜〜もっとだもっとだ〜〜!!」


壊れたように同じことを繰り返し言いながらミシュラに纏わりつくマッキー。


「ぎゃぁぁぁ!!助けて助けて〜〜!!ぎゃぁぁぁ!!」


ミシュラは全く攻撃しようともせずずっとのたうち回っている。


『デュラン・・・すぐ封印してくれ!!』


『どっちを?』


『決まってるだろ!!ミシュラをだ!!』


『今封印したら食い殺されるぞ?』


『それでもだ!!早く!!』


ミシュラの周りに青白い帯が大量に発生して体に纏わり始める。


「やっちゃん!メイリーン!!すぐにマッキーを始末して!!」


「わかったわ!」

「はい!!」


本当に早い。全力のミシュラすら圧倒する漆黒の獣をあれほど素早く始末する。すばらしい・・・。

漆黒の獣は俺達の攻撃を全く意に介さない。それどころか攻撃したところから食いつき離さなくなる。

それを真の勇者である2人は全く捕食を受けず、一方的に叩きのめすのだ。


「真の勇者の存在はこの獣のためにあるのか?」


「多分そうでしょうね。」


俺の横でクルクが頷いている。いつの間にいたんだ?


「まさか・・・ミシュラ様の悲鳴が聞こえると思ったらこんな化物が出現しているとは・・・。それを倒す真の勇者ですか・・・。いいバランスを保っていますね。」


俺が絶望を感じていた封印の解けたミシュラ。

それを圧倒する漆黒の獣のマッキー。

漆黒の獣を一方的に殺す真の勇者たち。

真の勇者はミシュラにも、レイにも敵わない。

まさにジャンケンだな・・・。


ハッピエンドに近づいているのか?

そう思いもするけど、バランスを失えば脅威が増える。


「はぁぁ。俺じゃぁどうにもならない存在が増えるっていうのもね・・・。」


「そうですね・・・あそこに居るもの全てに対して今の恵様は太刀打ちできませんもんね。」


クルクの鋭い指摘が俺の胸に刺さる。また俺は置いてけぼりだな。結構上位に食い込んでいたはずなのに・・・。


「強くなっても上には上が居るね。すぐ抜かれるし・・・。」


「そうですね・・・。つよさって・・・上限が無いですね・・・。切磋琢磨ですね・・・。」


クルクはどうなの?

努力している素振りも、誰かと切磋琢磨している素振りも見せない。

お父様の師匠というだけあってもっと凄いのか?

でも・・・生みの親であるミシュラを圧倒していたけど・・・。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ