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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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真の勇者のその先

「あなた・・・また喧嘩しましょうね。すごく・・・惚れなおしましたわ。」


真っ赤な顔でお父様にモジモジしながら言っているミシュラ。


「私は二度とゴメンだよ。やはり力を振るうっていうのは良くない。そういうのはね・・・。無いに越したことないと思うんだよね。だからもうお前に向かって力をふるうことはないよ。」


お父様はミシュラの手をとってものすごく優しい目で諭す。

本当に大事に思っているのだろう。


「もう!!あんなに強いのに隠しているなんて!!許せませんわ!!ね!?恵さん!!」


「はい?」


「お願いが・・・。あの人とあの空間にずっと封印してくださらないかしら?」


「やめてくれよ!そんなことしないでくれよ!!な!!恵くん!!」


涙目のお父様。いや・・・あなた・・・ミシュラに圧勝していたんだけど・・・。


「ミシュラ・・・ああ言っているし諦めたほうがいいよ。」


俺が諭すと


「なんでですの?なんで??こんな凄いんですよ!!私のための力じゃないですか?私に傷つけるなんて・・・。もう・・・ウフッ」


何故かにやけて真っ赤になってもじもじし続けるミシュラ。


「恵さん!!私・・・この人のもとに戻りますわ!!ね?いいわよね??」


「俺は良いけど・・・」


なんか振られた気分だが元の夫婦なんだから戻ってもおかしくないだろう。


「いやいや、私は隠居生活をものすごく楽しんでいるんだよ。今更戻って来られても・・・。」


「あら・・・もしかして・・・また召使と?」


空気がガラリと変わる。

大気がゴゴゴゴゴという音を立て始める。


『デュラン・・・なんかヤバそうだから・・・。』


『その願い叶えてやろう。』


目の前からミシュラとお父様が消える。ごめんなさい・・・。お父様・・・。ここで暴れられては困るんです。


「恵く〜〜ん!!」


訓練部屋から悲痛な声が漏れる・・・。心苦しいから入り口も消しておこう。



俺達のいざこざも気にせず皆がノートを確認中。


「は〜〜い!」

「は〜〜〜〜〜い!」


メイリーンとやっちゃんが手を上げる。


「「レベル消えてま〜す。」」


「おぉ!!って、俺見れないじゃん!!ミシュラ!!はいないし・・・」


「どれどれ??」


ハウンが覗き込む。


「あの・・・」


「ん?レイ、どうしたの??」


「私はそのまま。レベルは上がっているけど・・・。」


泣きそうな顔のレイ。

俺は頭をレイの撫でる。


「レイは悪くないよ。運の要素もあるのかも。だから・・・ね?」


「そんなこと言ったって・・・。」


涙を流して落ち込み始める。







レベルの上がったもの。レベルが無くなったもの。

それぞれがいろんな気持ちでノートを見る。


「やはり・・・この世はそんなに甘くないわね・・・。無くなったらって劇的に強くなるわけじゃないみたい。」


「やっちゃんとメイリーンの称号は?」


「「絶望を祓いし勇者、暗黒を照らす光」」


「「え?」」


顔を見合わせるメイリーンとやっちゃん。

同じ称号か・・・。


「それが増えた称号?」


「『暗黒を照らす光』はそうだけど、もうひとつは違うわ。真の勇者が変わったみたい。スキルまで全部変わっているわ。ランクが上がっているって感じかしら?」


「これはヤバイわね。すべて威力が強力なものになっているけど・・・。スキルレベルが全て1に下がってMP消費が半端ないわ。連発できないわね・・・。」


「これは困りますね・・・。連発できないから・・・。」


何で俺をチラチラ見る?


「連発は大事よね〜。どうしましょう?」


「そうですね・・・連発は最高ですね・・・。」


なんで顔を赤くして俺を見る。


「今日はちんちくりんじゃないから・・・ねぇ、メイリーン。」


「そうですね・・・あの姿ではないので・・・。ゴクッ」


なぜ生唾を飲み込んで俺を見る?


「あぁ!!俺、大事なこと忘れてた!!」


『デュラン』


俺達の前にお父様が現れる。絶望の顔をしているお父様。


「恵くん・・・。ないぞ。これはないぞ・・・。」


泣きながら俺に怒っているお父様。ごめんなさい・・・。


「ミシュラは?」


「ははははは。それはどうでもいいから私を・・・はやく・・・屋敷に返してくれ!!」


悲痛な面持ちで俺に懇願してくるお父様・・・。災難だよね・・・。


『デュラン・・・』


お父様がこの場から消えていなくなる。


『デュラン・・・』


「「え?」」


俺の前からやっちゃんとメイリーンが消える。というより・・・この屋敷にいる大半の戦力が・・・。


『デュラン・・・。皆にメッセージだけは届けておいて・・・。頑張ってって。』


『・・・返事が来たぞ』


『なんて?』


『極悪人!!馬鹿〜!!メガネクソチビ、スイカ頭・・・、鬼、などなど・・・基本悪口だな・・・。』


『まぁそうだろうね。』


メガネクソチビに、スイカ頭って・・・。子供の頃の俺が聞いたら泣くぞ?


「なぁ、恵よ。いきなり目の前から皆消えたぞ?」


「ああ。ミシュラが遊び相手を探していたからね。」


「私はいかなくてもいいのか?」


「行きたいの?」


「まぁな〜。皆が強くなっているのに寝ているっていうのもな・・・。」


「また、暴走しないように訓練してからだと思うけどね。」


「はははは・・・はぁ。ごめん。」


ものすごい落ち込んでしまったマッキー。そんなに落ち込まなくてもね・・・。

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