参戦要求
レベルがない今のところ最強クラスのものと俺の大バトルが始まります。
「よっこらしょ!!」
俺は少し寝転がっているうちに手元に斧が戻ってくる。
「ラッキィ!!」
俺は両手に斧を持つ。
「全員退避!!今から化物の戦闘が始まるからおこぼれを受け取ってね。ただ、巻き込まれた時は回避を頑張ってね。」
ミシュラ
シャロン
ジュディ老師
俺
この世界で結構な強さに入るであろう4人がここに。
「ゾルミス呼びましょうか??」
「いや〜。来ないでしょ?」
「娘にいいところ見せれるわよ?って言えば飛んできそうだけど?」
「来そうだね・・・。」
ミシュラと俺のやりとりに
「兄さんを呼ぶの?いいわね?強くなった私を見せることができるわ。それにここに居る力馬鹿や、能力に頼りっきりの小物、雑魚で出来の悪い弟子程度では楽しくないものね。」
「おうおう、いうね〜。」
「恵様・・・。馬鹿にされてるんですよ?もう少し怒っては?」
「レイリー・・・パパ呼んでよ。」
「え?」
いきなりレイリーに連絡を入れるミシュラ。レイが捕まって無理やり通信機を使っている。いつの間に捕まえたんだ?全くそんな素振りを見せなかったのに。
「レイリー、黙ってないで・・・聞こえているでしょう?早く出ないと魔族領に隕石が降ってくるわよ?」
レイリーを公然と脅し始めるミシュラ。
「いや・・・聞こえていますとも・・・お母様・・・ははは・・・オヤジを呼べいいんですね?はははは・・・」
通信機の向こうでドタバタ音が聞こえる。
訓練部屋に扉が現れてお父様が震えながら出てくる。
「ミシュラ・・・私はなにかしたかな??」
お父様の目はものすごい泳ぎまくっている。なにか後ろめたいことでもあるのか?
「パパ・・・ここにレイが居るわよ。どう思います??」
「え??放してあげてほしいな・・・。」
腕をねじられて動けなくて顔をしかめているレイを見てオロオロしっぱなしのお父様。
「レイにあなたの強い姿を〜見せたくない?」
「話が見えないな〜。ちゃんとゆっくり説明して欲しいんだけどな〜。」
お父様は相変わらず笑顔でゆっくり話す。
「レイはあなたが弱いと思っていますわ。だから嫌がられているんですよ。強いと知ってしまえば態度が代りますわ。どうです?」
「ははははは。まさか・・・。私は隠居の身だよ?強いはずないでしょう?」
「あれだけの神々を殺し、能力を奪い続けたあなたが弱いわけ無いでしょう?」
「いやいや、私は奪った力を使っていないだろう?だか・・・」
「使えばいいじゃないですか?それともそんなものは要らないと?無限の魔力、先見、不死、念唱なしの完全念唱魔法、あなたの持つ特殊スキルのどれをとって強くないと?」
「え??お父様・・・そんなことできるの?」
レイが驚いている。
「レイリーは念唱しているわよね?いっぱいお口を使って。そんなものこの人には必要ないのよ。魔王核もこの人にとっては必要ないのよ。だって、最初から無限なんですもの。」
レイが震えている。
「なぜそんなに強いのにそんな素振りを見せないのよ!強さが全てと私達は子供の頃から言われてきたわ。」
「だからだよ。力のないものはどうする?才能のないものはどうする?不公平だろう?生まれ持って生まれたものが優遇され、持って生まれなかったものは・・・」
レイも黙ってしまう。街に居る人々のことを思ってだろう。
「では・・・お父様・・・あなたの強さを私に見せてください。そうすれば私はあなたへの態度を改めます。」
「いや、いいよ。今のままで。以前にここの話は聞いている。だが、愛するものを傷つけることはしたくないんだよ。」
優しい顔のままのお父様。
「なりません・・・。逃がしませんよ。私はここでレイを殺してでもあなたの戦闘参加をさせるつもりです。さぁ、愛するものが死にますよ?恵さん・・・。殺したレイがすぐに生き返らないようにデュラン殿にお願いしてください。」
「ミシュラ!!そんなことさせないぞ!!」
お父様が少し怒った口調でミシュラを止める。
「ミシュラ・・・。それはさせないよ。俺が望んでいない。レイを離して・・・。」
「私の楽しみを奪うと?」
「自分の楽しみのために人を巻き込むな!!」
お父様の出す空気がガラリと変わる。
「ほほほほほ、それでこそ魔王の中の魔王です。」
「レイ・・・邪魔です。離れなさい。ゾルミスがヤル気になりました。あなたの役割は終わりです。」
レイを解放してあっちに行けと手を振るミシュラ。
「ミシュラ・・・そのやり方すごく気に食わないんだけど?」
「恵さん、そういうのは私を完膚なきまで叩きのめしてからにしてくださいな。弱者に反論する価値はないですからね。」
口に手を当てて笑いながら言う。だが目が全く笑っていない。
「ほうほう、それは申し訳ない。弱くてすみません。」
さすがの俺も少しイラッときてしまう。それが顔に出ていたのだろう。
「恵くん、怒っているのかい?私もとっても腹が立つんだよね。今まで本気を出してミシュラの相手をせずに助長させていた責任も私にあるから・・・。ここは私が彼女を殺すよ・・・。だから邪魔しないでほしい。あと、邪魔は入らないようにそこの美しいお嬢さんと、妹をよろしくお願いしてもいいかな?」
とても優しい口調だがヤバイくらい殺気を放っている。
「ちょっと、兄さん、こんな雑魚が私の相手ですか?面白くないんですけど?」
「面白い面白くないじゃないんだよ。ジュディ。私が笑っているうちに引くべきだと思うよ。それともまず死ぬか?」
ジュディ老師に小さい核魔法の玉が無数に纏わりつく。
そして
「ゴハァ!!」
すべての玉が破裂して黒焦げになるジュディ老師。全く反応できずに全弾命中。
「馬鹿な?全く機微が見えない・・・。」
重傷かと思っていたらすぐに元に戻るジュディ老師。ものすごい速さで回復している。
「どうやら兄さんには勝てそうにないわ・・・。まだまだね。私も・・・。」
「ちょっとまってね・・・。あなた・・・私には勝てるつもりなの??」
シャロンがジュディ老師の後ろから手刀で胸を突き刺す。完全に左胸を貫通している。
「ふふふ。あなたね・・・そんなに強くないわよ?恵様を愚弄して簡単に眠れると思わないでね?」
「貴様・・・。ガハッ!!」
突き刺した手刀から透明の何かが無数に体を串刺している。
「刺さったままじゃ回復できないでしょう?死んで詫びなさい。」
手刀を抜いた瞬間に何かに跳ね上げられて、ものすごい高さに打ち上げられるジュディ老師の体。
「ぎぁぁぁぁ!!」
叫び声とともに見えなくなるほど飛んでいくジュディ老師。
「さぁ恵様・・・。楽しい時間を過ごしましょう。」
腕にベットリと付いたジュディ老師の血をハンカチで吹きながら俺にほほえむシャロン。
「ははは、シャロンは俺とやりあいたいだけじゃない?」
「ええ。獲物はあなたと決めていましたわ。」
「俺に君のスキルは通用しないのに?」
「ええ。だからこそあなたが相手なのです。ミシュラ程度・・・相手にする必要もない。」
髪を掻き上げながらミシュラを挑発する。
「ほう・・・程度ですって??」
あっという間にシャロンに間合いをつめるミシュラ。
「遅いんですよ。まずそこですね。」
空間で串刺しにしようとしたがそこにミシュラはいない。
「何?」
「遅いんでしょう?補足してから言いなさい。」
拳がシャロンを襲う。時間を停止して避けるも衝撃だけは避け切れていないのか頭から大量の血を流し始める。
「く・・・」
膝を付いて頭を押さえるシャロン。それを俺が見ていると
「恵よ・・・なぜお前はそこで傍観している?」
俺の後ろで構えるジュディ老師。
「おやおや、お星様になったかと思ってたら・・・早い復活で・・・。」