最強を目指して
「恵さん・・・こんなこと続けて・・・強くなって・・・何をするつもりなんですか??」
荀攸が死にそうな顔で俺に聞いてくる。
「皆強くなれば死ななくてすむだろう?誰かに死なれるのが嫌なんだよね。何かをするつもりではなく、予防だよ予防。」
俺は今、かなりの数の仲間を抱えている。いい結果を出そうとしていろいろ救ってきているが救えば救うほどハッピーエンドの難易度が上がる。死なせないというのがとても難しい。
「それにしてもマッキーは爆発的に強くなったな。やはりレベルは足かせでしか無いようだ。」
俺は一人呟く。
「そのようですね。あれは願いでなくしたんですよね?それでもこの結果ですか・・・。で、称号は?」
「たしか・・・モルモット的なことを書いていたような??」
「なんですか??それ?」
ミシュラが首を傾げて笑っている。
「で、何で皆あんなにやる気満々になったの?秘密の言葉?スキル??」
「いえ、そんな能力はないですからね。本当のことを。」
「レベル消す方法?」
「ええ。」
「言っちゃったの??」
「ええ。隠す必要が無いですからね。」
「で、消える条件を探るってやつだね?」
「ええ。モルモットがあんなにいっぱい居るんですよ。ほほほほほ」
モルモットって・・・。
「実験に付き合うのを了承してくれたんだね?」
「いえ。それはしてくれてません。特訓で、限界を超えればリミッターが外れる可能性があると。そう伝えただけです。」
「で、外れそう?リミッター。」
「恵さんは見せてもらえませんものね。私が確認いたします。」
ミシュラがそこで寝転がって死にかけている全員を叩き起こしてノートを見せるように指示している。
「・・・」
首を横に振るミシュラ・・・。なかなかうまくいかないものだな・・・。
「レベルは上がってるの?」
「そこはかなり・・・。」
「マッキーは??」
「5割増しだな・・・。」
「「「「「はぁぁぁ??」」」」」
全員がものすごい顔でマッキーに詰め寄っている。
「じゃぁ続きは明日にでも?」
俺がお開きを宣言すると
「ふざけないで!!マッキーだけなんて!!皆もやってよ!!」
「いや〜。これは俺がマッキーに頼んだことだから。君たちにはそれは出来ない。」
ものすごいブーイングの嵐がここに来る。
「はい!!この話はおしまい!!特訓でリミッターを外す努力に終始努めてください。そしてレベルが消えた人はミシュラに報告。わかった?」
「お母様!!やるわよ!!さぁ皆も立って!!」
レイはまだ続けるつもりだ。やっちゃんもハウンも、メイリーンもやる気満々になっている。
「これだけを相手にするのも大変でしょう?」
ジュディ老師が現れる。
「私も相手します。皆殺しにすればいいんですよね?」
シャロンは邪悪な笑みを浮かべている。
「じゃぁ俺も遊んでもらお・・・」
「恵様。お食事の準備が・・・。」
「は〜〜〜い!!」
「ちょっと!!メグミ!!話が終わってないわよ!!」
「飯くったらまた戻ってくるわ〜。」
俺は訓練部屋から出る。
カチャカチャカチャ・・・
「クロエ・・・おチビ達とだけじゃ食事が寂しいんだけど・・・。」
「はい・・・ガランとしていますね。皆さんやる気満々でしたから・・・。」
「お前たちも来るか??特訓してもらえるぞ?」
「ダメです!!子供にはあの状況は早いです!!死ぬんですよ!!心が壊れたらどうするんですか?」
「ありがとう。クロエだけだよ。まともな思考なのは・・・。」
「はぁ・・・それは褒められてるんですよね??ありがとうございます。」
赤い顔をして食事の片付けを始めるクロエ。
「俺も戻るよ。全員一通り始末したらまた戻ってくるから。食事の準備をしておいてね。全員分。」
「パパ〜頑張ってね。」
「パパーまた遊ぼうね。」
俺は子どもたちの頭をなでて笑顔を見せる。
訓練部屋の扉を開ける。
「うっほ〜〜〜!!楽しそう!!俺も混ぜてよ〜。」
俺はアイテム袋から2本の巨大な斧を出す。
鍛冶屋 火鬼で特注で作ってもらった巨大すぎる斧。
「こんな大物何に使う?」
と爺さんに聞かれるが、俺が使うと言ったら馬鹿も休み休み言えと言われた。
店においてある一番大きな大剣を持って遊んで見せたら驚いていた。
それから少しして出来たと連絡があったので最近取りに行ったところだ。
「爺さんの傑作だってさ。皆の血を欲しがっている。バラバラに・・・」
「ググ・・・ガガガ・・・」
「ゼンインツブ・・セル・・・。おっと!!」
俺はもう少しで狂気に飲まれるところだった。ヤバい武器を持ったり、ヤバいダメージを一撃で食らうと良くなる。
両手に斧を持ち飛びかかる。
目の前に居るメイリーンを一刀両断する。剣で受けるなんて・・・。愚かな・・・。
やっちゃんがそれを見て斬りかかるが巨大な斧は盾にもなるんだな!
受け流して柄の部分に付いている装飾で串刺しにする。
ハウンが光線で攻撃してくるが防御する気もしない。威力がありすぎて貫通するから俺の自動回復がある限り無傷と変わらない。
俺の攻撃を受けて袈裟懸けに切られて絶命。
ミシュラが俺に攻撃をしてくる。ものすごい邪悪な微笑みを見せながら・・・。
あれ?なんで??特訓相手間違ってるよ?ミシュラの拳で斧が粉砕する。これで俺が寝転がらないと元に戻らなくなった。
後で寝転がっておこう。
片手斧を両手で持ってミシュラに斬りかかる。
ギャギン!!!
首が飛ぶと思っていたら大きく刃が欠ける。
「カッタ〜〜イ!!」
この攻撃力にも全く傷つかないなんて・・・。
ミシュラの拳が俺に迫る。その瞬間に俺がミシュラの方に吹っ飛ぶ。
「ははははは。敵は一人ではないぞ?そう教えたでしょう?」
ジュディ老師が後ろから俺に蹴りを食らわして不敵に笑っている。
俺を狙っていた拳がジュディ老師にあたっているはずなのに?
ふと後ろを見るとミシュラが宙に浮いてジュディ老師の後ろに吹っ飛んでいる。
「あんな力馬鹿なんぞ、私にかかればゴミだゴミ。」
ジュディ老師が大いにミシュラをディスり始める。
「シャロン!!お前も時間止めることしかできない木偶人形だな。能力なかったらただの小石か?」
「貴様・・・聞いていれば・・・」
なんかレベル無し同士で大きな喧嘩になり始めるぞ?特訓じゃなかったのか?