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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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主の発見

俺は空間に閉じこもっては似非神々を拉致して始末している。

血で神々になった者は凶暴性が増すというのか、地獄で幽閉され続けたせいで人格が崩壊しているのかわからないけどかなり残忍なやつが多い。要するにゴミといえばいいのだろうか?


その中で、ものすごくまともな似非神々を見つける。


「あんた・・・何で全く人を殺していない?」


俺の目の前の男に問う。その男は何も話さない。


「じゃぁ質問変えるね。名前は?」


「・・・」


だんまりか・・・。


「あんたは今まで始末してきた似非神々とは全く違うと感じているんだよ。残忍さも、卑劣さも、凶悪さも、全く感じない。なんでだ?そこで転がっている相棒は・・・あんたの真逆の性質で殺しても何も感じないほどのゴミクズだ。」


「・・・」


目の前の男は全く話そうとしない。突っ立っているだけだ。俺がこの男の相棒に攻撃した際も、全く動かなかった。俺の動きについてこれていないというより、全く動かないと決めていたかのようだ。


「あんた・・・もしかして死ぬ気満々なの?」


「・・・」


「はぁぁ、黙りだな。なんかいってよ。」


「・・・君が・・・」


話しはじめる?


「君が言っている似非神々というのは『飲み干しし者』のことか?」


「飲み干しし者?」


「ああ。私達のように戦闘能力がそこそこあるものに最古の神々が施した飲み物を飲んで生き残ったものをそう呼んでいる。それを始末して回っているのは君だな?」


「おお!!話してくれる気になったのか?質問に質問はあまり感心できないけど話してくれるなら答えようかな?そうだよ。俺が似非神々を殺して回っている。というより厳密にはある所に閉じ込めまくっていると言ったほうがいいかな?死んでいるものもいっぱいいるけどね。」


「私の主が困っていたぞ。仕事する手がどんどん減っているって。」


「その主はあんたを見ても何も言わないのか?仕事していないだろ?」


「あんなもの・・・どうにでもなる。幻覚見せて仕事をしているふりをしていればいいだけだしね。」


「ほぅ、それで誰も殺していないわけだ。」


「そういうことだ。私にも子供がいるんだよ。中から出てくるドス黒い感覚はそのことを思えばどうにでもできる。自分の子供と思えばその感覚に負けなくて済むからな。」


「子供がいるのか?昔に地獄に幽閉された組とは違うってことか?」


「あぁ、そんな奴が大半だな。私は元旅人だ。向こうに戻れなくなってしまったから元な。」


「戻れなくなるって何でだ?」


「旅人であっても飲み物を与えられた時点でもうその人物ではなくなるんだよ。私は私であっても昔の私ではないということかな?」


「作り替えられたってことか?」


「そういうことだ。私は家族がいる。だから殺しはしない。誰にだって大事な人がいるはずだからな。」


ものすごくまともな人物だ。好感すら持てる。


「今なら答えてくれるかな?あんた・・・名前は?」


「荀攸だ。」


荀攸??どこかで聞いた名前だな?


「う〜〜〜ん・・・その名前どこかで聞いたぞ・・・。」


「そんなわけ無いだろう。私はC国出身だぞ。あんたはどう見ても日本人だろう?」


「いやいや、そう言うんじゃないんだよ。知り合いとかそういうんじゃ・・・。あ!!」


俺は思い出す。そうだ!!この男はルールーの言っていた飼い主だ。


「あんた!!ルールーの主だろ?」


「なに??ルールーを知っているのか?」


「ああ。蜘蛛の魔物だろ?魔物で旅人という稀有な存在だろ?」


「どういうことだ??なぜそれを・・・」


「うちにいるんだよ!!俺の仲間が保護したんだ!!子供2人も一緒だぞ!!元気にしている。」


「なんだって??今あんた・・・え?どういうことだ??」


俺は男に説明する。マッキーのこと、ジルのこと、そしてC国で保護した経緯。

それを聞いて涙を流す。


「そうか・・・心配していたんだ・・・。あの帝国があんな状態だから・・・。無事か・・・よかった・・・。」


膝を付いて涙しながら喜ぶ男。


「じゃぁ、あんたは俺と一緒に俺の屋敷に来ればいい。今のあんたの状態は俺が元に戻すから気にしなくていい。」


今の男の姿は、人のそれとは程遠い。化物中の化物だ。この男の姿に比べれば海の魔物すら可愛いくらい・・・。きっと飲まされたもので体が変質してしまったのだろう。


『デュラン!』


俺の願いで男の体から飲まされた『最古の神々の血』が取り出される。それを俺はデュランに頼んで作ってもらった特殊な容器に入れて保管する。血が抜けて、俺の願いも合わさって元の人の姿に戻る。


「こっちは魔族領の白衣の実験大好きに調べてもらおう。」


男と共に空間を出る俺。


「クロエ!!ルールーと子どもたちを呼んできてくれ。」


俺はクロエに頼んでルールーたちを呼び寄せる。


「何でしょう・・・恵さ・・・え??」


俺の男に立つ男の姿を見て、硬直する人の姿のルールー。


「・・・ルールーか?なんだ・・・その姿・・・。」


「「わぁぁぁ!!」」


子どもたちは男に飛びついて泣き始まる。感動の再会だ。


「恵様に人の姿になる方法を教わって。人の世話をするのにソッチのほうが都合がいいだろうと。」


「そうか・・・。綺麗で見違えたよ。」


真っ赤な顔になるルールー。涙を流して抱擁している。


「じゃぁ、ルールー。主も見つかったことだし、ここにいるという縛りはなくなったよ。どうする?この街で暮らす?国に帰る?」


「この国で生活します。あっちに戻っても殺される可能性がありますから。」


「今のルールーならなかなか殺されないと思うよ。」


「え?なんだそのレベル・・・。」


荀攸は驚く。そりゃぁ、レベルが6000もあれば驚くよね。荀攸でも2000ちょっとだし・・・。


「ここで恵様の側室の女性たちに鍛えていただきました。皆さん・・・。化物揃いでいい訓練になりますよ。」


「・・・そうか・・・ははははは」


顔が引きつってるけど大丈夫?


「荀攸様・・・。ここで一緒に暮らしませんか?ここならもっと強くもなれます。子どもたちにいい教育をすることも出来ます。なにより・・・皆さん素晴らしい人格者ばかりです。そういう人たちと接していれば必ずこの子たちも立派な人物になるはずです。」


そう言いながら荀攸の手を取るルールー。


「ああ。もしそれで私が邪魔でないならそうしよう。この方は私の恩人だ。強くなって何かお返ししないと・・・。」


「あぁ、そのことなんだけどね。できれば・・・。」


俺が小声で荀攸に耳打ちする。

荀攸は頷いて


「その程度のことであれば・・・。しかしなぜ皆に黙って神々を狩っているんですか?」


「その辺りは・・・まぁ、一種の八つ当たりかな?」


「それは・・・よくわかりません。」


やり直しの過程で俺にというか俺達に甚大な被害を出す似非神々。その未来がなくても俺は何度もその嫌な気持ちを抱えさせられている。だから今の似非神々が関係なかろうとフラストレーションを発散させがてら憂いを取り除いているのだ。まぁ、まだ事が起きていない以上それは八つ当たりだよね?


「じゃぁ、ルールー。今いる部屋をそのまま使えばいいと思うよ。出入りも自由でいい。ただし、力加減は気をつけて。レベル差がある間はちょっとしたいざこざも死に直結するからね。腕輪じゃどうにもならないよ、喧嘩すると・・・。」


そして俺はまた空間に篭もる。最近はそればかりだ。ずっとずっと・・・狩り続けている。本来なら楽しい旅をしながらだったはずなんだけどね・・・。

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