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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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鬼に見つかる。

「多分、ギルドに居るだろうと思っていたら・・・いましたいました。」


俺は今振り向けない。なぜなら腕相撲をしているから。


「フェブ・・・。お久しぶり。なんか用?」


この場にいるマッキーと腕相撲をしている俺達以外全員がフェブを見て膝を着く。


「レイリー様より伝言を預かっています。」


「レイリーが?」


「はい。レイ様からご連絡が入り、魔族領で恵様を見かけたと伝えました。扉を通ってくると思いますので逃げるのであればできるだけ早くとのことです。」


俺の存在を外に言うことはできないと思っていたのに・・・。さすがに魔力がある程度高いと押さえ込めないのか?


「逃げないよ。彼女たちに俺は認識できないからね。」


「そう聞いていますが、メグミ帝国の件もありますし・・・。」


俺の国が大災害にあって滅びかけたことを引き合いに出す。あれもレイリー以外には外に流れていないはずなのに・・・。さすがというべきか?


「ミシュラも来るの??」


「ミシュラ??」


ギルドに居る者達が顔を上げて俺を睨む。


「はい。ミシュラ様も来ると言っています。ミシュラ様はカンが鋭いので気づかれるのでは?」


「うわ。それは困るな・・・。この国が滅びかねない・・・。」



「フェブラル様・・・。この男のことを知っているのですか?」


ギルドの受付の男がフェブに声をかける。


「何でフェブを見て皆膝を付いているの??」


受付の男の問いに振り返りもせず、答えもしない。が、俺の問いに答える。


「私はこの国の正規の軍人で王の側近ですからね。街で出逢えば頭を上げることは許されません。」


「あれ?思ったより厳しい国だね。」


「そうですね。そこまで緩い国ではありませんよ。階級つよさが全てです。」


レイリーが緩いから国民も皆ゆったり住んでいると思っていた。


「強さは何で認識しているの?」


「軍服を見ればすぐに。」


服装で階級がすぐにわかるのか・・・。思っていた国の感じと全く違うな。


俺は腕相撲をしている女の腕をゆっくり倒してテーブルに甲を付ける。


「はい!!恵の勝ち!!私の一人勝ちだな!!にゃはははは。」


「マッキー様・・・。恵様をダシに賭けは反則では?」


「フェブよ!!私はちゃんと忠告はしてやったぞ?それを聞かんこいつらが悪い。」


テーブルの上に突っ伏して動けない女戦士に指差して胸を張っている。



それにしても外が騒がしい。ものすごい声を発しながら誰かがなにか言っている。


「フィナ様とミシュラ様がこの街に来てくださったぞ!!歓迎会だ!!すぐに用意しろ!!」


どうやら、レイとミシュラがこの街についたらしい。


「恵様。どうなさいますか?」


フェブの言葉に


「会ってやったらどうだ?」


え?マッキーなんて?


俺のおどろいた顔を見て吹き出すマッキー。


「なんだその顔?間違ってないだろ?会ってやればいいんだよ。ちゃんと話をしてやれよ。」


「えぇ〜。面倒だな。俺・・・裏切られて傷心旅行中だよ?」


「謝るつもりだからここに来てるんだろう?もし違うならまた消えればいいだろう?」


「マッキー見られると・・・裏切り者認定受けるけど・・・。」


「うわ!!それきっついな!!」


「まぁいいや。それより、ここの者達は私の奴隷だよな?どう考えても私の勝ち分1Pが出てこないだろ?さぁ、全員奴隷印を施してやる!!膝を付いて胸を出せ!!」


「あなた達・・・身の丈を超える賭けはご法度のはず・・・。全員死刑ですけど?」


フェブがギルドにいる戦士たちを睨む。全員が萎縮して小さくなっている。


「え?そうなの??違う意味で命かけてるね。」


俺の言葉を聞いて笑い出すフェブ。


「あはははは!!結構緊迫しているはずなのに余裕がありますね。さすがミシュラ様の旦那様です。」


「「「「「なに??」」」」」


ギルドに居る全員が立ってはいけないはずなのに立ち上がって俺を見る。

その瞬間に


バン!!


扉が飛んで向かいの壁にぶち当たる。木っ端微塵だ。


「ほほほほほ・・・見つけました!!」


ミシュラが俺の方を見てものすごいオーラを放ち始める。

おかしい・・・見えていないはずなのに・・・。


「恵さん・・・。隠れてないで出てきてくださいな。じゃないと・・・ここがあなたの帝国のようになりますよ?」


「お母様!!あの大惨事のことを軽く言って!!反省していないんですか??メグミに言いますよ!!??」


何を言うつもりなんだろう。ミシュラが泣きながらレイに向かって首を横に振りまくっている。

何をやらかしたんだ??


「で、お母様・・・ここにメグミが?」


「ええ、いますわ。あの空間で感じたものをそのままそこに・・・。」


あの空間で感じ取った感覚をモノにして俺の存在をつかめるようになったようだ。おそろしい・・・。


「あぁぁ、参ったな。はいはい。いますよ。でもすぐどこかに行きますよ。」


「「まって!!」」


俺が姿を表してすぐに瞬間移動をしようとしたら2人が膝を付いて謝り始める。

その姿にギルドに居る全員が震えている。怒っているのかと思ったら恐れているようだ。


「あのさ・・・何で皆震えているの??」


俺は小さい声でテーブルに突っ伏して動けなくなっている戦士に聞いてみる。


「あんたはあの2人の何なんだ??あの2人はこの国の最高クラスの戦士。その二人があんたの前で膝を付いて頭を下げているんだぞ?そんな恐ろしい光景・・・見て生きた心地がするか?」


シクシク泣いている。


「え?なんで??あれ見ちゃうと死ぬの??」


「そうなりかねない。王家の2人だぞ?最強の戦士だぞ。その二人が私達平民の前で膝を付いている・・・。それを見てしまった・・・。おそろしぃ・・・」


消え入りそうな声で俺に教えてくれる。


「レイ・・・ミシュラ・・・。ここの人に危害加えたりしないよね?」


何言ってんの?みたいな顔でこっちを見る2人。2人はそのつもりはないのか?

それとも何かしらあって当たり前なのか?


「目撃者はさすがに・・・。」


フェブが苦い顔をして周りを見渡す。

フェブ・・・さすがに何??


「俺がじゃぁね〜ってここを離れたらここの人たちどうなるの?」


「・・・」


「どうなるの??」


フェブが沈黙するからには何かあるんだろう。そういうのやめて欲しいんだけど・・・。


「ここの人に何かするんだったら俺はまだかくれんぼ続ける!!ずっと続ける!!」


「何もしませんわ!!ねぇ、フェブ!!そうよね??」


フェブがミシュラに睨まれている。フェブ・・・脚が震えてるよ・・・。


「フェブ!!絶対なんかしちゃダメだよ!!メグミはそういうの嫌いなの!!」


さらに輪をかけて念を推すレイ。


「お二人がそう言うなら・・・考えます。」


怖!!どうなるんだったんだろう?まさか死刑とかじゃないよね?


「フェブ・・・。聞いていい?どうなるはずだったの??」


「・・・死刑もしくは無期限の幽閉です・・・。」


「怖!!」


マッキーが顔をひきつらせてケイに飛びついている。ケイはものすごく嬉しそうだ。

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