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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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ミシュラと皆で戯れよう

「ミシュラと戦いに来たわけじゃないんだよね?」


俺が目の前にいる魔族の大男2人に聞く。


「いや、ミシュラが生きているならまずはミシュラだろう。順番から言って強いやつから戦うのはおかしい。まずは下っ端からというのがこういう世界の常識だしな。」


どういう世界の常識だ?ゼオンは腕を組んで言ってやったぞという顔をしている。なんかウザいやつだ。


「それじゃぁ、下っ端の俺からかな?」


俺が椅子から立とうとすると俺の肩を掴んで座らせるミシュラ。


「いえいえ、ここは私でしょう?恵さんも私に勝っていますよ〜。ね〜??」


ミシュラが可愛い顔をして俺にウィンクする。わかりました自身で殺りたいんですね・・・。


あっという間に目の前からミシュラと2人の魔族が消える。俺があの訓練部屋に移動させたからだ。


「「ぎやぁぁぁぁぁぁ!!」」


ものすごい断末魔の叫びが訓練部屋から漏れて俺達のいる皇帝の間まで響く。どんな目に遭ったんだろう・・・。時間的には・・・1分弱??魔物っ娘たちが顔を青くしてガクガク震えて下を向き始める。


そしてミシュラが全く服を見だしていない状態で訓練部屋から出てくる。あの2人は??


「ミシュラ・・・どうだった??」


「え??ええ。わかると思いますが・・・瞬殺でしたわよ?つまらないので後で誰かにお相手をお願いしようかしら??」


笑顔でキョロキョロするミシュラの目線と絶対合わせてはいけないと、この場にいる女性陣は皆下を向く。


「いやん。もう〜〜。」


悲しそうな顔をするミシュラ。


「俺が相手するから。あまり皆をいじめないで。」


俺の言葉に抱きつくミシュラ。


「恵くんって・・・ミシュラが怖くないの??」


やっちゃんが不思議そうに聞く。


「怖い??なんで??」


「メグミは鈍感君だからね・・・。」


なぜかレイが悲しい顔をする。ひどいこと言われた俺の顔だよそれは・・・。


「じゃぁ鈍感な俺からの提案なんだけど、ミシュラのイライラを解消するのにこの場にいる皆で相手しようか?鈍感だから皆が嫌がっているのに気づかなくてゴメンなんだけどね。」


全員が一斉にレイを睨んでいる。


「メグミのせいで私が悪者だよ〜。」


泣きそうな顔のレイをみて『よし!』と思う俺。


「じゃぁ全員いってらっしゃ〜い!」


「「「「まって!!」」」」

「「「ちょ!!」」」


ガランとなった皇帝の間。いるのは俺とクロエだけ。その閑散とした場にシャロンがおチビ達と共にやってる。


「あれ??皆どこに??お客さんは??」


状況がわからず呆然としているシャロン。


「「ぎぁぁぁぁぁ!!」」


ちょっと前に聞いたような声がもう一度聞こえる。


「あの・・・恵様・・・まさか・・・。」


「ああ。皆ミシュラと遊びたいとか・・・。全員訓練部屋でミシュラと戯れているはずだよ。行く??」


シャロンはものすごい速さで横に首を振る。よほど懲りたのだろう。


「何だこの部屋は〜〜〜!!」


「兄〜〜〜〜!!!ぎぁぁぁ・・・」


お客2人も楽しそうだ・・・。うるさいので扉を消して消音しておこう。

横でクロエが震えている。君は気にしてはいけないよ。だって、戦闘するタイプじゃないんだから。










「クロエ・・・おなか空いたけど・・・昼まだ??」


俺の問にクロエは泣きそうな顔でこっちを向く。


「あの・・・恵様・・・。そろそろ訓練部屋の様子を見に行っては??」


「う〜〜〜〜ん。おなか空いたからな〜。食べたら行ってみるよ。」


「すぐに!!」


ものすごい速さで走っていくクロエ。君は本当に優しい子だな。


「あの・・・恵様・・・。そろそろミシュラを戻したほうがいいのでは??さすがにこの時間は長いと思いますけど・・・。」


シャロンが青ざめた顔で俺に懇願してくる。傍らで楽しそうに遊ぶ2人の子供が可愛いな。


「わかったわかった!!2人とも優しいな!!俺が極悪人みたいじゃない??もう・・・。」


俺はゆっくり歩いていると


「早く走って行ってあげてください!!お願いします!!」


はいはい。シャロンに免じて早く行ってきます。


ガチャ・・・


俺が扉を開くと中にいる全員が俺を見る。


「メグミ!!何で扉がなくなるのよ??逃げることすら出来ないでしょ!!?」


レイが半泣きで俺に抱きつきながら文句を言う。


「うるさいし、出入り自由だと絶対逃げるでしょ?そうしないためにも無くしておいたんだけど・・・。」


「「「バカ!!!」」」


「「「「鬼!!」」」」


「「極悪!!」」


「助けてくれ・・・。」


まぁ皆楽しそうで何よりだな。


「あら・・・恵さんも参戦??」


ミシュラが俺を見てにやけている。


「そうだね。遊び足りないみたいだし・・・。俺も混ぜてもらおうかな??」


「「「「「「いやぁァァァ!!」」」」」」


「頼む!!悪かった!!あんたへの態度は改める!!だから・・・。」


ズズ〜〜〜〜〜〜〜ン!!


俺に懇願していたゾットの上に降ってくるミシュラ。


「ガハァ・・・」


血を吐いて潰れている。


「お祭りっぽくなったでしょう??」


俺を見て笑いながらゾットを踏み続けるミシュラ。それを見てゼオンは後ろに少しさがる。


「なんだ・・・この差は・・・。おかしい・・・。俺達の修行は何だったんだ・・・。」


ゼオンがビビって動けなくなっている。笑顔でゼオンの方に向きを変え、


「棒立ちですわよ〜。」


ミシュラのケリで場外まで飛んでいくかの勢いで壁に激突して潰れるゼオン。

ゼオンに当たりそうになったアッシュは逃げまわって戦おうともしていない。

泣きながら走り回っている。元気だな〜。


「恵様!!扉を出してください!!もう限界です!!」


ハウンが俺に詰め寄っている。綺麗な顔が台無しになるくらい涙と鼻水で顔がグチャグチャだ。


「鈍感な俺は今の状況が理解できないから。皆ミシュラと遊べて楽しそうだね。」


「「「「レイのバカ〜〜〜〜!!」」」」


そう言いながらもミシュラの攻撃を回避する。ははは、頑張ってる、頑張ってる。皆楽しそうだね。


俺も参戦してから30分ほど。最初から参加している女性陣の心が壊れそうなのでミシュラを押さえこんで説得する。


「ミシュラ。楽しんだ??そろそろ終わりにしようか?あまりいじめると皆もう遊んでくれなくなるしね。」


「・・・残念ですわ〜。」


悲しい顔をして体が縮んでいくミシュラ。服がボロボロになっている。


「というわけでお開きで〜す!!」


俺の言葉に全員がその場に倒れこむ。そう、それでいいんだな。全快するし、装備品も元に戻る。皆しっかりここのルールがわかっていていい感じだ。


「恵さん、クロエがお食事の準備ができたと言っていますわよ〜。」


「は〜〜〜〜い。」


俺は走って訓練部屋を後にする。


「あんな・・・化物が・・・この世界にいたとは・・・」


俺が扉を閉める前にゾットがそんなことをつぶやいていた。

確かにミシュラは戦闘においては化物だけど・・・。ひどいな。

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