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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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天魔大戦勃発

「あぁ、今でも思い出す・・・。昨日のことのように・・・。」


ゾットは鬼の形相になる。昔を回想しているのだろう。



今から数千年前の話・・・。私達魔族と神々は犬猿の仲・・・。神々に虐げられて滅びに瀕していた私達は自由を求めて神々と交渉する。

しかしそれもすでに決裂。長と重鎮を逃がすために大きな戦闘がもうすでに起きてしまっている。

両方に多くの死者を出しながら・・・。


何とか逃げ延びた魔族の長と重鎮。そして魔族の力ある戦士たちが集まる。


「ゾルミス・・・。そのものは??」


私達の国の長であるジューザが私の横に立つ女性について聞いてくる。私が紹介しようとすると


「私はミシュラ・・・。ここにいるゾルミスを手助けしたく参上いたしました。」


頭を下げて長を見ている。


「ミシュラ??どこかで・・・」


周りの重鎮達がザワザワしている。


「この大女・・・まさか・・・力の神々か?」


「はい・・・」


ミシュラが返事をすると周りからこの国の精鋭が武器を持って飛び込んでくる。


「ゾルミス!!貴様!!裏切ったのか!!?」


重鎮たちが怒りの顔で私を睨んでいる。


「ゾルミスはあなた達を裏切ってはいません・・・。私が神々を裏切りました・・・。」


ミシュラが私の横にくっついてくる。


「どういうことだ??説明しなさい・・・。」


戦士たちに武器を降ろすように指示する長。

長が私に説明する機会をくれる。この長でなければ、私はこの瞬間に首をハネられていただろう。

私は全員の前で説明する。その話を聞いて周りがざわつき、


「信用できるか!!」


という声が大半を占める。このまま確率で戦争に突入することが決まっている。まず和平なんてありえないのだ。それほど神々は話しのできない、傲慢な連中だ。我々全てがそう思っている。


「そう言われると思い・・・。」


ミシュラが服を脱ぐ。この世のものとは思えないほど美しい裸体・・・


「ウッ!!それは・・・呪印??」


「ゾルミスの言うことを聞き入れるとは思えませんでしたので・・・。2人の間に主従のちかいを・・・。」


胸に光る怪しげな模様。


「・・・なぜそこまであなたがする?あなたは神々・・・。しかも・・・最強の最古の神々・・・。」


私達の間で神々の中で最も恐ろしい存在として名を轟かせているミシュラ。その女が目の前で主従関係の従う側に身を落としているのだ。

長の驚きも理解できる。


「ゾルミスに・・・この世界に色があることを教えてもらいました。私にとって生まれてからずっと・・・色のないつまらない世界。それを彼に救ってもらったのです。」


ミシュラは生まれてすぐに絶大な力を持ち、何の努力もせずに強くなったことを皆に話す。何もせずに持った力のつまらなさ、虚しさを悲しそうに・・・。


私が強くなろうと努力する姿をずっと見ていたのはそれでか・・・。分かり合えた時に感じた暖かさ・・・。それをもう一度噛みしめる。


「先ほどの戦闘で向こうにも多数の死者が出ています。このまま戦争に突入するでしょう。ですから私はあなた達と共に魔族の力として戦います!!どうか・・・ゾルミスと共に戦わせてほしい。」


「「信用できるか!!」」


ゾットとゼオンがミシュラに食いつく。


「貴様ら神々のせいでどれだけの仲間が死んだと思っている!!貴様もその方向に舵をとった物の一人だろう!!ふざけるのも大概にしろ!!」


最古の神々である彼女は人を奴隷にして門を作ると決定した時も、最初の魔族との戦争の時もいたはずだ。と・・・。

怒鳴りながらゾットがミシュラに当り散らしている。


「申し訳ございません・・・。私はその頃・・・この世界に興味がなく・・・」


下を向いて何も言えなくなる。関心がなく、参加もしていなかったとしても、止もしなかったということなのだから。


「俺達はこいつと一緒に戦うなんて御免だな!!後ろを任せるのにこんな奴がいたら安心して戦えない!!」


ゼオンがブチ切れている。


「ゾット兄!!行くぞ!!こんな茶番・・・見る気もせんわ!!」


会議室を出る2人。


「待て!!」


私は2人を止める。ミシュラへの誤解を解きたいからだ。


「ゾル兄!あんたが信じるんだ・・・。あの女はマジで神々を敵に回して戦うだろう。だが、その後は??戦争が終わった後、あれをどうにかできるのか??あんな化物が神々にいるなんて・・・。」


2人にはミシュラの強さが見えたのだろう。強がっていても脚が震えている。


「俺達は戦争に参加できないかもしれない。魔界に潜って力を付ける。神々にあんな化物がゴロゴロいれば魔族は確実に皆殺しに会う。そうならないためにも・・・。」


彼らは彼らなりに未来さきのことを考えているのだろう。ミシュラに対する誤解ではなくミシュラ級がまだいたなら・・・。そう思えば仲間のことを思えば思うほど今のままではどうにもならない。


「ゾル兄。あの化物の手綱を持っているのはあんたなんだから、絶対放すなよ!!あれは・・・この場にいる全員が相手にしてもどうにもならないほどの力を持っているぞ・・・。」


「ああ、わかった。早く帰ってきてくれよ。お前たちは魔族最強の一角なんだからな。」


「次会うときはミシュラを殺せる力を持っているはずだからな。」


「殺さなくてもいいと思う。彼女は・・・。そんな人ではないから。」


「ゾル兄がそう言うから信じる。だから・・・この戦争・・・絶対勝とうな・・・。」


「ああ。」


俺達は固い握手をして別れる。次会うときはきっと・・・。

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