ハウンと奴隷契約
「シャロン??大丈夫??」
大量の汗と、口をパクパクしている酸素切れの金魚みたいになっているシャロン。
「あ、あ、あ、ミシュラ様・・・。まさかあなたまでここに??お久しぶりです。時空の神々、シャロンです。ハウン様もお元気そうで何よりです・・・。」
どうやらレイをミシュラと勘違いしているようだ。ものすごい脚が震えている。
「シャロン・・・。大丈夫??この子はミシュラじゃないから・・・。娘のレイだから・・・。」
「はひ??何を言ってるんですか??紛れもなくミシュラ様ですよ?少し容姿が変わられていますが・・・覇気が半端ないです・・・。」
ものすごい震えながら俺の手を握っているシャロン。手を繋いでいるのを見てレイが殺気立っているからだろう。シャロンがその殺気だけで死んでしまいそうなほど震えている。
「シャロン・・・。久しぶりね。元気??封印の地のバカ真面目に会いに行ってた神々ってあなたでしょ?あなた以外そんなことできる奴はいないもんね。」
ハウンがやっちゃんとトランプしながらシャロンに話しかける。
「はい。ハウン様。ルナリス様が頑張っているのに何もしないのはダメだと思いまして・・・。」
「ルナリスが好きだったんでしょ?」
「なんで今それを??」
顔が真っ赤になる。
「ふふふ。知ってるわよ。あなた・・・顔に書いてるんだもん。知らないのはあのバカ真面目だけじゃないかしら?妻なんか作りやがって!!とか思わなかったの?」
「あ・・・いえ・・・あんな世界に居るんですから心の支えは必要かと・・・。」
ルナリスの話で震えが少しマシになる。
「ちょっと!!本物じゃないですか!!」
ものすごい小声で俺に抗議するシャロン。それを見てレイが立ち上がって
「ヒッ!!」
シャロンが俺の後ろに隠れる。レイは何もしないよ。そんなに怖がらなくても・・・。
「ようこそ〜〜!!恵のハーレムの一員か??」
マッキーがシャロンを覗きこむ。
「メグミはどっからともなく、別嬪を連れてくるよな・・・。何の才能だ?にゃはははは。」
マッキーがシャロンの手を引いてベッドの上に押し倒す。
「滅茶苦茶美人だな・・・。ほれてしまいそうだ。レイちんの時もそう思ったけど・・・この子も凄いな・・・。」
押し倒して組み敷いてマジマジ観察するマッキー。
「恵さん・・・。この人なんですか??」
俺に救ってくれとばかりに目で合図してくる。
「マッキー。この子は最古の神々のシャロンだ。ハウンに会いに来たんだそうだ。あと、ミシュラもいるって言ったらそれはないと言っていたから向こうであってもらうつもりだ。」
「シャロン!!」
ハウンの大きな声にビクッとなるシャロン
「はい!!」
その後、組み敷かれたシャロンの耳元で何か話をするハウン。ウンウン頷いているシャロン。
「それはもう・・・恵さんに聞いています。あの・・・ハウン様・・・。向こうにいる恵さんの言っているミシュラ様はミシュラ様で??」
「言っていることがよくわからないけど本物よ。今言った注意事項を守ってよね。」
「・・・はい。」
なんか風呂を出た時より覇気がなくなったな・・・。
「メグミと手を繋いでたんだけど・・・。私への挑戦状かな??」
組み敷かれて動けないシャロンの枕元に座るレイ。何で手を繋いだだけでそこまで殺気立つ?
「あの・・・恵さん??ミシュラ様を止めてくれる約束はしてくれましたが・・・この子は??」
レイの殺気にものすごくビビっているシャロン。
「レイ。俺が怒らないうちにその殺気を抑えてくれないかな?」
「は〜〜〜〜い!!」
俺のところの飛んでくるレイ。俺の胸に顔をスリスリしてる。
「ほら!!言うこと聞いたよ?そろそろ私を一番に戻してくれないかな??」
「だめ。」
ものすごい勢いで膝を着いて四つん這いになるレイ。落ち込み加減が半端ない。
俺は自分の椅子に座って落ち着く。シャロンの顔をぺたぺた触っているマッキー。ハウンはシャロンの鼻を摘んでいる。やっちゃんはヒラヒラの服をめくっている。下履いていないはずだからそんなに捲ってあげないで・・・。
「あ、あの・・・恵さん??助けてくださいよ!!これ・・・おかしくないですか??」
「はい、みんな、離れて。」
その言葉に素早くシャロンから離れる3人。見ていてものすごい違和感が・・・。
「ハウン様はすごく変わられましたね・・・。」
服を正しながらポツリとつぶやいた言葉にハウンが顔色を変える。
「ま・さ・か・・・あなた・・・恵様に言って無いわよね??」
空気が変わる。それを察知してハウンのそばにいたマッキーとやっちゃんが飛び退く。それほどすごい殺気が・・・。
「はわわわわ・・・。」
震えるシャロン。それを見下ろす感じで目の前に立つハウン。はわわわわって本当に言うんだね・・・。
「ハウン・・・。そんなに威圧しない。昔のことでしょ??聞いたところで何も思わないから。しかもシャロンは何も言っていないよ。」
俺の嘘にシャロンが目を潤ませてこっちを見ている。
「あの・・・恵さんとハウン様の関係って??」
シャロンの質問に
「奴隷だけど何か??」
ハウンは腕を組んで堂々という。
「奴隷??最古の神々を??人族が??どういうことですか!!恵さん!!それはちょっとひどくないですか??」
「ハウン。奴隷だったの??とっくの昔に主従の印は解いてるけど?」
「え??嘘??いつの間に??」
「いつかは忘れたけど、そんなもので縛らなくてもハウンは裏切らないでしょ??」
「くく・・・くくくくく・・・あははははは!!この日をどれだけ待ったか!!人族が私を奴隷なんぞにしよってからに!!」
ハウンの様子がガラリと変わる。
「という冗談はさておき、私奴隷じゃなくなったんだ・・・。ちょっと喪失感があります。」
手首をさすっているハウン。ハウンの言葉にやっちゃんが口を押さえて笑いをこらえている。マッキーはキョトンとしている。レイは相変わらず落ち込んでいる。
「ハウン様・・・本当に変わられましたね・・・。」
シャロンですら呆れて目が点になったままになっている。それを見てハウンが顔を赤くして
「たまには冗談もかましてみるわよ・・・。」
顔から湯気が出そうなほど真っ赤になって下を向いている。俺は横に行って頭をヨシヨシする。それに目をつぶって気持ちよさそうにするハウン。
「なんか・・・見てはいけないものを見たようです・・・。」
シャロンが絶句してしまう。