神々の量産とその方法
「なにかやばいの??」
「ヤバイってほどやばくはないと思いたいんですけど。あまり良くはないことですね。私達は神々を作れる話をしましたよね?」
最古の神々は自分の力の一部を犠牲にして神々を作ることができるという話だったよね?
「神々が神々を作るって話でしょ??それと今回のことと関係があるの??」
「神々を作ることが自分の力を失ってまで配下を作る。力を失うってことは弱くなるってことですよね?」
「そうだね。クルクを作ったミ・・・じゃなかった力の神々が魔力を失ったのと一緒だよね?あの状態でも弱くなってるんだ・・・。そう思うとあまりリスクがあるように感じないんだけど??」
「恵様・・・。私を作った力の神々は魔法がほぼ使えません。それって回復も出来ないんですよ?リスク大きくないですか??彼女自体は無敵だからいいとして、自分の愛する人が傷ついていてもできいないんですよ??どう思いますか?」
クルクが悲しい顔をして言う。
「それは嫌だな・・・。ミシュラはそんな力の神々に対して思うこと無いの??」
え??みたいな顔をするミシュラ。まさか自分のことを自分に聞かれるなんて思ってもいなかったんだろう。
「私がどうこう言うのも変ですが・・・。回復できないなら傷つけないようにするのがいいのではないでしょうか?私なら守ることに全力を使いますわね〜。」
「ミシュラ様は魔法が使えないから改良ポーションを持っている。だから回復魔法なんぞ必要ない!!」
ユクに代わってミシュラの面倒を見ているマイカが俺に向かって怒鳴る。
「マイカ〜。大きな声は必要ないわ〜。」
ミシュラの一言にマイカが一礼をして後ろに下がる。
改良ポーションって何??
「私の持っている回復薬は研究員が面白がって作ったものよ〜。死んでいない限り回復するわ〜。全快に。」
俗に言うフルポーションというやつか?そんな高価なものを持って歩いてるんだ・・・。
「フルポーションじゃないわよ。改良ポーション。フルポーションは権利上名前を使えないのよ〜。それにこれのほうが安価よ。だって、ポーションを改良しただけですもの〜。」
その技術力が怖い・・・。
「話を戻すわね。力を分け与えずに神々をつくろうとしたバカが居るのよ。最古の神々に。」
「なんでバカなの??賢いじゃない?」
「もしよ。無限に神々を作れるとしたらどうなる?どうする??」
「俺なら??別になにもしない。面倒だもん。」
「じゃぁ、復讐したい相手が居るとすれば?」
「そいつを滅ぼすんじゃない?その神々を使って・・・。」
「そうしようとした奴が居るのよ・・・。昔ね。」
ハウンがそう言うとミシュラもウンウン頷く。
「知識の神々・・・フレイン。ソイツは愛するものを奪われておかしくなったの。それで自分の持つ知識を活用して神々の量産をし始めたのよ。」
「知識の神々??地の神々じゃないの??何かつながりがあるの??」
「多分、フレインをたぶらかしているか何かしてその量産できる血を手にしたのね〜。」
「え??知識の神々なんでしょ??頭いいんじゃないの??そんな簡単に誑かすことなんて出来ないでしょ?」
「フレインは愛する人を殺されたって言ったわよね。」
「神々を殺すくらいだから相当強い相手なんでしょ?」
「いえ。フレインの愛する人を殺したのは人族よ。しかも・・・一般の大した戦闘力もない。」
「一般人に殺せる神々なんているの??」
「ちがうわ・・・。フレインの愛した人は・・・人よ。ただの人族。結婚もしていて旦那さんも、子供もいたわ。でも・・・ものすごいひどい殺され方をしたの・・・。何人もの男に犯されて、甚振られて・・・。子供までも・・・。」
沈黙が広がる。
「じゃぁ、フレインは人族を滅ぼすつもりなの?」
「わからないわ。愛する人を失ってからフレインは行動がおかしくなったから。」
「人を魔物に変えるウィルスや殺し合いをさせる波長、強力な魔物の製造。人同士を傷つけあうスキル。人を消すことばかりの研究を開始し始めたの。溢れ出る自分の力を使って。」
「で、今回のこともそれだと?」
「ええ。彼は自分の体にある血を原料としてどんな生物でも強力な力を与える薬を使ったの。ただ、その薬はある程度の力がないと死んでしまうの。だから今回の地獄の門を開くという行動とつながってくるんだと思うのよ。」
「マッキー・・・フレインって言う最古の神々はどこかにいる??」
俺の言ったことにマッキーがすぐに答える。
「フレイン??この世界にはどこにもいないぞ?死んでるんじゃないか??」
「じゃぁ、地の神々が殺して奪ったのかしら??」
ハウンが腕を組んで考えこむ。
「ありえるわね〜。ジュエルは我侭だから〜。」
仲間だった最古の神々を殺してまでそういうことをするんだ・・・。相当なやつだな・・・。