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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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何この登場の仕方?

誰??誰の声?そんなかんじですね。

聞きなれない声にびっくりして後ろを振り返る。

いつの間にか見たこともない扉がそこにあり、少し開いている。


「よっこらしょ」


扉より少し背の高い男が頭をぶつけないように頭を下げて出てきた。

顔はそう・・・男前だな。肌の色はダークグレー。大きな角が2本生えている。

大きな黒を基調としたローブに紫の輝きを放つ禍々しい杖、指にはど派手な指輪をいくつもつけている。

その男を見てレイが


「魔王様、このようなところにお供無しで来てはいけません。今すぐに城に帰るべきです」


触手を収め片膝をついて頭を下げる。

田村さんも「へ?」という顔をして硬直していた。

今魔王って言った?

この人が魔王なの??

というより何しに来たの??


「大きな力のぶつかりがあれば見にも来たくなるであろう。まさか行方不明のゼロがいるとはな。」


すごいオーラを放ちながらレイに話しかける。


「は〜〜〜、面倒だから魔王風を醸しだすのもうやめていい〜??」


はい??魔王風??魔王じゃないの??魔王なの??どっち??


「このローブも重いし、杖なんかかっこ悪いし、指輪なんか下品極まりない。」


自分の身につけているものをディスり始めた。

それを聞いて頭を抱えるレイ。


「魔王だろ!!そろそろ何とかしろその怠惰!!」


えぇ〜〜??この人、魔王なんでしょ?そんな態度で大丈夫なの??


「いつでも替わるよ、姉さん。魔王になりたくないからっておやじに進言して俺を魔王にしたくせによく言うよ。ほんと、わがままだな〜。」


よくわからない状況で思考が止まってしまう。

魔王はレイの弟でレイは魔王候補だったてこと?

って言うより弟死んだんじゃなかったの?


「レイ、弟死んだんだよね。」


「え?そんなこと言ったっけ??」


あれ??俺の勘違い??


「へ?俺死んだことになってたの?ひどいなそれは〜。」


魔王はきょとんとして言う。


「怠惰の塊だった〜とか、可愛い弟だった〜とか言ってたよね。過去形で言うから亡くなったとばかり思ってたよ。」


「いやいや、怠惰の塊は今も現在進行形よ。可愛い弟だったけど魔王になったと言いたかったの。魔王になったって部分は言えないけどね。」


これはレイの説明の仕方が悪い。


「ん〜〜まぁいいや、それより姉さん、ファンクラブ会員証届いたよ。97番だって。もっと前の番号欲しかったんだけどうまく行かなくてさ。人ってすごいよね。こういうのに長けている。ほんと魔族もこれくらい面白いコトしてくれないと〜。」


ファンクラブ結成は昨日のことだろ??

それなのにもうファンクラブ会員証?進展早くない??というより誰がそんな大規模でやってるの?ギルドの一部だと思っていたんだけど。100人に迫る勢いか・・・。多いのか少ないのかはわからない。


そう思いながらレイを見ると顔が青ざめている。あ!赤くなった。あれ??青ざめている。

イルミネーションみたいだな。すごい特技だ。


「100人に迫る勢いだね。レイは人気者だ。」


俺が感心しているふりをすると


「100人?もう1万人くらいになってるよ〜。」


という魔王。

はい〜〜〜??1万人??昨日だよ出来たの。おかしいでしょ??

インターネットもSNSもないこの世界でこの速度はおかしいでしょ??


あ、レイがひっくり返った。

そりゃすぐダメになるって思ってたもんね。許可した手前もう止めることもできない。

面倒だからって安易に決めちゃダメという教訓だな。恐ろしい・・・。


「レイ大丈夫??」


レイを抱き起こすと


「どうしよ〜〜〜。」


と泣き始める。あ、気を失った。どうしようもないんだけどね。


「ねえさん公認だと聞いたよ。違ったの??たしかこの帝国に居る貴族が元締めやってるって聞いたけど〜。」


あのデカイ冒険者おっさん、貴族に知り合いがいたのか??でも、ファンクラブに出資するか?どれだけぶっ飛んだ思考を持った貴族なんだろ?あ!あのおっさん、国がどうこう言ってたからその繋がりか?


「ファンクラブに姉さんの人化した姿があったから欲しくなってね。会員なっちゃった〜。」


魔王が軽く言う。


「魔王様はそれでいいの?」


シスコンか??と思いつつ俺がそう聞くと


「レイリーでいいよ。姉さんの友達だろ?ワガママだけど仲良くしてやってください。」


魔王なのに俺程度のものに頭を下げる。

エライできた弟さんだ。


「友達ではない、伴侶だ!!」


気を失っていたはずなのにそこだけは力強く言ってまた気をうしなった。

魔王改、レイリーは驚いた顔をする。


「姉さん待望の結婚相手か。やっと訓練の日々に報われる日が来たんだね。よかったよかった。」


しみじみ言うレイリー。


「ちょっと!!バラしちゃダメ〜!!」


起き上がったレイはレイリーの口をふさごうと頑張っている。

影の努力をばらされると恥ずかしいよね。

黙らせるとまた俺のもとに帰ってきて寝転んだ。


それにしてもファンクラブの元締め・・・。気になるな。調べてみるか・・・。



街に戻ればすぐ調べもつくだろ?



おもしろい、その後が気になるなどありましたら評価お願いします。


私のモチベーションにつながってきますからコメントもあればうれしいです。


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