女の子3人で
レイ視点です。
「ちょっと・・・レイ・・・私達本当に置いて行かれたわよ?」
「デュラン!!聞こえる??私達もすぐに移動してよ〜〜!!」
「・・・」
「もう・・デュラン・・・メグミの言う事聞いて私の言うこと聞いてくれないんだから〜。」
「そりゃそうでしょう。恵様のスキルなんですし・・・。」
アホを見るような目で私を見る。
「メイリーン!!何言ってるの?私たち夫婦よ??恵のものは私のもの。私のものは私のものよ??」
「それ・・・某青い猫ロボの太っちょが言うやつじゃない・・・。」
「なんですか??それ??」
やっちゃんがメイリーンに説明している。私は少し前を歩きながら周りを見る。
「誰も居ないし・・・レイリーに何とかしてもらおうか?」
「それもそうね・・・。連絡着く??」
通信機器を出してレイリーにつなぐ。
「なに??姉さん。お兄さん怒らせただろ?お母様がレイの頼みを聞くなといってたよ。笑いながら。面白そうだから聞かないけどいいよね?」
「ちょっと!!弟なんだから姉の言うこと聞きなさいよ!!」
「お姉さんも怖いけど、お母様はもっと怖いからな〜。もしどうしてもって言うなら、一回こっち来ないと繋ぎ直せないから俺のところまできてくれるかな??」
そういった後すぐに私達の前にレイリーの出す大きな扉が現れる。俗に言うドコ○モドアだな・・・。
私達は扉をくぐり、一直線の道を歩き、また扉をくぐる。そうするとレイリーが偉そうに魔王の椅子に座ってこっちを見下ろしている。周りに美しく着飾った護衛を侍らせて。
「レイリー。メグミの屋敷につないで。」
「はいはい。わかったよ。道中気をつけてね。」
「道中??何言ってんのよ。まっすぐの道があるだけじゃない・・・。」
私はレイリーに文句を言って再度扉をくぐってまっすぐな道を歩いて進む。
大きな扉に手をかけて開き、全員が外に出ると扉がすぐに消えてなくなる。
「レイ・・・。ここどこ??見たことないわよ??恵帝国のどこか?」
「え??あれ??レイリーにメグミの屋敷につなげって言ったんだけど・・・。」
私達の目の前には見たことあるような、ないような景色が広がっている。
私は通信機器を使いレイリーと話をする。
「ちょっと!!ここどこ??メグミの屋敷は??」
「ははははは。道中気をつけてって言ったじゃない?兄さんが自力で帰ろうとせずに俺をすぐに頼ってきた時は全く違うところに飛ばしてくれって言ってきたんだよ。面白そうだから乗ってみた。怒らないでね。兄さんの言うとおりにしただけだから。あはははははは、姉さんメチャクチャ困ってるよ。ははははははは」
「あはははははは」
レイリーの笑い声に呼応して周りの魔族の連中も笑ってやがる・・・。あいつら〜〜〜!!
バカ弟め・・・私にいたずらをしかけるなんて・・・。覚えれろよ・・・。それと周りに居た奴らも・・・。
「どうやら・・・私達・・・レイリーとメグミに嵌められたみたいよ。」
私の言葉に涙目になるメイリーン。
「で、ここどこですか?」
「わからないわ。まったく・・・。やっちゃんわかる??」
「全く知らないわね・・・。少し歩けばって思ったけど街がある気がしないわ・・・。」
かなり歩くが魔物すら居ない・・・。ここはどこなんだろう??
「おなか空いたわね・・・。レイ・・・なにか持ってる??」
「食べ物ならいっぱいあるよ。前に封印の地に行く準備で買いだめしておいたから・・・」
「「「あ!!」」」
私の言葉でやっちゃんもメイリーンも声を上げる。ここはきっと、大昔から封印されていて最近封印が解けた大陸だ!!私達というより、メグミのせいで封印が解けて一大事になった世界・・・。
「それなら街の存在は絶望的ね。」
街を探すのを早々に諦めて私達は食事の準備に取り掛かり、BBQを楽しみ始める。煙をモクモク上げているとこっちに近づく何かに乗った人影に気づく。
「あれ??煙が上がっているから来てみれば・・・。あなたレイさんですよね?何をしているんですか??」
女性が馬のような生物に乗って私達の前に立つ。
「テレサ??やっぱりここはあの大陸なの??」
「知らずに居たんですか??どうして??」
私とやっちゃんはメグミの文句を混ぜながら今の状況に陥った話を説明する。メイリーンは黙っているが言いたいことを言った方がいいと思うんだけど。
「ちょっと!!メイリーンも黙ってないでなにか言いなさいよ!!今なら誰も聞いていないわよ!!」
やっちゃんがメイリーンを捕まえてテレサの前に連れてくるがメイリーンが一言
「なんで私はここにいるのかわかりません。恵様のせいというより御二方のせいに思っているんですけど・・・。」
「え??私達のせいなの??なんで??」
「恵様のことを考えず結構言うじゃないですか?恵様って私達のことそんなにひどく言いませんよね?たまに小さいことを言いますが・・・。」
「小さいこと言うじゃない・・・。もっと大きな男になってほしいから私達はいってるのよ?恵くんのためよ!!」
「それ・・・多分伝わってません。あ、テレサさんもお肉どうぞ・・・。」
メイリーンはテレサに焼き肉のタレの入った皿を渡して話を続ける。
「恵様は皆さんの言っているように少し鈍いです。頭が悪い鈍さではなく、なんと言えばいいのでしょう。この世界に疎いというかなんというか。それは回りにいる人が教えないからだと思います。それを突付くから今回の事件に発展したんだと思います。このままだと帰った頃には私達の部屋は本当になくなっていると思います。その時間稼ぎのための・・・。」
「「きゃ〜〜〜〜!!!!」」
ものすごい血の気が引いた!!ヤバイ!!これはヤバイ!!すぐにメグミに謝らないと!!マジでソレをされかねない・・・。
私は慌てて通信機器を出して
「メグミ??メグミいる??誰か居ないの??」
大きな声で呼ぶが誰も応答しない。なんで??
「もしかして・・・何かあったんじゃない??」
やっちゃんが顔を青くして言う。
「きっと・・・部屋を潰していて手が放せないんだと思います・・。」
メイリーンがすごく怖いことを言い続ける・・・。
「あの・・・よろしければルナリスに頼んで乗り物出しましょうか??」
テレサの言葉に全員がテレサに抱きつく。
「あの・・・ちょっと・・・いたいです・・・。」
「「「ごめんなさい」」」
3人で頭を下げる。必死すぎて力加減を忘れてしまっていた。
私はテレサと一緒に馬のような生物に乗りルナリスの家に向かう。メイリーンとやっちゃんの真の勇者コンビは・・・大剣の上に乗って飛んでいる。そんなことできるんだ・・・。ものすごくかっこいい。羨ましい・・・。
「ソレ私もやりたい!!」
「無理よ!!真の勇者のスキルなの!!」
「やだやだ!!やりたい!!やりたい!!」
「レイ様はあんなに強くても真の勇者になれないんですか?」
メイリーンが素朴な疑問をやっちゃんにぶつける。
「なれないわね。真の勇者は一番最初の職の選択時に出てきていない時点で絶対になれないの。だから他の職では手に入らないスキルがいっぱいあるのよ。真の勇者の持つ特有のスキルは強さに関係なく持てないの。私達を困らせることもある状態異常無効と一緒よ。」
やっちゃんの説明でも諦められない。大剣に乗ってサーフィンをしているような姿・・・。かっこ良すぎ!!
「やりたいやりたいやりたい!!」
「ちょっと!!レイ!!そこは聞き分けなさいよ!!いろんな我侭聞いてるけど無理なものは無理なのよ!!」
「デュラン!!私を真の勇者にして〜〜〜!!」
「・・・」
「あの野郎〜〜!!無視し続けるんだけど〜〜!!今度会ったらいじめてやるんだから!!」
「我のせいではない。主殿の命令だ。ソレは絶対にキャンセルできない。」
「怖くなって話しだしたな!!そこは無視し続けとけよ!!」
「いや。マジで怖いからソレは無理だ。いじめられるとわかっているなら姿は絶対にみせるつもりはない。」
「今度ミドラが出てきたらとっ捕まえてやるからな!!」
「子供は関係なかろう??」
「ちょっと、レイ。ソレはひどいわよ?」
やっちゃんが咎めてきた。わかってるって!!