疑惑から確信へ
「何かに使う??仲間にするとかじゃないの??」
俺の疑問に
「そうね。所詮誰かに負けて死にかけているやつを仲間にしたところでまた誰かにやられるでしょう??だから何かの素材にでもしてるんじゃないかしら〜??マッキーさんのスキルでも見つけられないみたいだし。何かに変えられていれば地獄からのナニナニじゃ見つからないでしょう??別物だし。」
マッキーも頷いている。マッキーの能力は万能そうだがそうでもない。人指定だと死んでいれば見つけられないし・・・。
「ミシュラはその神々になんとなく検討をつけているの??」
「ええ。でも、確信ではありませんよ。8割位かな〜?」
唇に人差し指を当てて考えながら言うミシュラ。とても綺麗な立ち姿に見とれてしまう。その瞬間に俺の腹に拳を入れるレイ。
「いたいっす・・・。」
「お母様。その8割の人物は??」
「黒と決まっていないのに名前を出すのもね〜。」
「教えてくれ!!ミシュラ!!私もその8割の人物を知りたい。私の仕事を台無しにしている奴が誰なのか。」
「じゃぁオフレコでお願いね。その名は・・・」
「「地の神々、ジュエル」」
え??後ろに居るクルク。いつの間に??
「クルクおかえり。どうでした??」
「シュフラ帝国はもうダメそうですね・・・。あの国は地の神々の傀儡として存在しています。皇帝も、外の世界の接続国も操られています。襲ってきた者の中にミシュラ様がくれたリストの人物も居ました。」
「あらあら、8割が10割ね。」
笑顔で言うミシュラ。クルクに調べさせていたのか?
「クルク・・・。あんたが情報収集をしていたのか??」
「ええ。今回のことはさすがに他人任せに出来ませんからね。神々の尻拭いは神々がやらないと・・・。」
深刻な顔をして歯を食いしばる。それにしてもC国までも??
「クルク・・・おまえ、この男のことを知っているのか??」
アッシュが驚いた顔で聞く。
「ええ。ミシュラ様の旦那様ですからね。それにミシュラ様を退けた唯一の人族です。」
「なに!!??ミシュラを退けた??そんなに強いのか??馬鹿な・・・」
アッシュが言葉を失っている。
「退けたと言っても裏ワザてんこ盛りでだけどね・・・。」
俺が頭を掻いて説明するがそんな言葉は耳に届いていないようだ。
「恵さんはすごいわよ〜。思い出しただけで・・・血がたぎるわ・・・。」
恐ろしい顔をしているミシュラ。きっと笑っているんだろうが元最古の神々には見えない。邪悪な笑みになっていてそれを見たレイ達は顔色を悪くして震えている。メイリーン、マッキーに至っては座り込んで歯でカチカチ音を立てて震えている。
「「こ・・・こわい・・・」」
我に返って俺を見るアッシュ。
「お願いです!!地獄に居たものを元の場所に戻る手助けをしてください!!」
俺を見る目が変わったアッシュ。
「今の私では・・・地の神々であるジュエルと戦っても勝てない。それはわかるんだ。あれはもう・・・」
「化物ですね・・・。ミシュラ様でもどうにかできるかどうか・・・。」
「そうなの〜??ちょっと行ってくるわ〜〜!!」
スキップしながら笑顔で外に出ようとするミシュラを俺が制止する。
「ミシュラ・・・子どもたちはどうするの??」
「あ!!連れていけないわね〜。後15年我慢しますわ〜。」
ものすごい残念そうな顔をするミシュラ。そんな顔をしなくても・・・。
「子供が足かせっぽいね・・・じゃぁクロエに面倒見てもらうから行ってくれば??」
俺の言葉に
「そんなことないわよ〜〜〜。冗談よ!!冗談!!ほらほら笑ってくださいな!!恵さ〜〜〜〜ん。」
俺の頭の上におっぱいを乗せる。これは・・・にやけてしまいそうだが我慢しなくては・・・。
「子供??だれの??誰との??」
アッシュが聞き返す。
「え?恵さんと私のよ?おかしい??」
「なに???子供いるのか??2人の間には??種族違うだろ??」
「え??会いたい??会いたいのね??すっごくかわいいのよ〜〜〜!!」
アッシュを脇に抱えて、連れて外に出るミシュラ・・・どう考えても・・・俺の国に戻ったよね・・・。
どうしよう。
「おれたち・・・どうするのよ??」
話が進まなくなった今回の地獄の話。地の神々ジュエルの話・・・。
「メグミ・・・帰ろうか・・・。」
「うん、そうだね。話をしようにもアッシュが居ないんじゃどうにもならないし。俺の国に戻れば進められるだろうし。」
俺達は俺の屋敷に戻る準備にとりかかる。そして数時間が経って
「俺達は戻るからこの国の管理をよろしくね。あと、同盟の話を持ってきて。いずれ俺の国の一部にするからさ。」
俺の命令に頭を下げる魔物。そしてニコニコしながら俺達に手を振る魔族の方々。
「ではもど・・」
ズドン!!
皇帝の城にどでかいクレーターが出来て、その中央にはミシュラがいる。脇にアッシュを抱えて。
「あらあら??皆さんどこに??」
キョトンとした顔で俺達を見て質問してくる。
「え??お母様・・・メグミの屋敷に戻ったんじゃ??」
「ええ。アッシュに二人の顔を見てもらって乳を上げて戻ってきたところですよ?で、皆さんは?」
「アッシュが居ないのに話を進められないだろ?だから俺たちも俺の屋敷に戻るところだったんだけど・・・」
俺達の中に沈黙が生まれる。