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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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どんなスキルかワクワクだな!!

「もう少しだったんですけどねぇ〜。」


重力に逆らい壁に立っているザンダース。ニヤニヤしながらこっちの様子を見ている。


「よくわからないんだけどさ、何で、今回自分を囮にして行動したの??弱い護衛連れて歩いてもやられちゃうだけじゃない?」


俺の質問に笑顔で素直に答えてくれる。


「いや〜。そこに居る暗殺者ぐらい自分でなんとでもできますからね。ある程度襲われて、始末してしまえばいい。まぁ、船の爆破はちょっと驚きましたが・・・。」


そりゃそうだろう。船を海上で爆破されれば強さは関係ない。かなりの確率で死んでしまう。


「それはあんたの指示じゃないんだな?」


「ええ。そんな馬鹿なことをしませんよ。あくまで、私の目的はこの家の後を継ぐことですから。」


「跡継ぎにすると言われた時点でおとなしくしておけばよかったんじゃないの?」


「跡継ぎにする前提があるじゃないですか?あなたに会ってお願いごとを聞いてもらうという前提がね。」


「そうだね。保留したもんね。君がどういう人柄かわからないから。まぁ正解だったけど。」


俺はなんとなく嫌な感じがしていたんだな。この男から一瞬とは言え強そうな感じがした。なんとなく戦うのを避けたいという感じが。最近じゃそうそう感じないんだよね。そんな感じ・・・。


「レベルは大したことないのに何でそこまで余裕なの??この場にいる中であんたよりレベルが低いものはそんなに居ないよ?」


この場にいる、俺達のメンバー、魔族の方々、それにここの皇帝のふりをしている俺の獣魔、どれをとってもこの男よりは強い。それなのにこの余裕。というより嫌な感じ・・・。なんだろう??


「ええ、もちろん。私にはとっておきのものがありますから。そんなことより、父上をおろしていいですか??父上はなんと言っても一般人ですから。」


俺が頷くとゆっくりと父親を下ろすザンダース。


「それとさ、聞きたいんだけど。あんたは何者なの?普通の人ってわけじゃないんでしょ?」


「ええ。私は俗に言う『転生者』です。調べたところ稀に居るらしいんですよね。いや〜苦痛ですよ。赤子の時なんか記憶もあるししっかりとした思考もある。なのに動けない、食い物といえば乳。もう最悪でしたからね・・・。と言っても母上にも父上にも感謝していますよ。これからドンドン成り上がっていくチャンスをくれる家に産んでくれたんですから。」


転生者ね〜。生まれ変わっても記憶があるっていうのはいいことなのか・・・悪いことなのか??ここまで人を殺してでも成功しようとするのは悪だと思うけど・・・。


「さて、まぁ話も終わりましたし、誰が私の相手を??ここの者を全員倒せばクリアでいいんですよね?」


「う〜〜ん、クリアっていうのが何かわからないけどいいんじゃない??で、何とかできるの??この差で??」


「ええ出来ますとも・・・。それではご覧になってください。広さは・・・。この城でいいかな??」


ザンダースは両手を広げてブツブツ言っている。


「ギャ!!」


突然ザンダースが声を上げて後ろに吹っ飛んでいく。


「変身でもするつもり??そんなの待つほど私は暇してないんだけど??」


レイがザンダースに拳をぶつけたようだ。ザンダースが壁にめり込んで大量の血を流している。


「さっき、馬を殴った時はものすごく手加減したわけよ。だって、マッキーのペットでしょ??いきなり殺したらマッキーが怒るじゃない??でも、これからはそんな優しくしないよ?だって、あんたマッキー騙してたじゃない??」


レイちゃん・・・またですか??俺はちょっとこの男がやる『とっておき』を知りたかったんだけど??


「あのさ・・・皆ワクワクしてたわけなんだけど??最近苦戦しないじゃない??こいつの自信からして相当なスキルを使うはずなんだよ、きっと。それを君はぶち壊してくれたわけ。ほら、みんなの顔を見て??」


俺がレイにみんなの顔を見るように言う。レイはキョロキョロして


「え??私もしかしてまたやっちゃった??」


この場にいる皆がコクコク頷いている。


「だ〜〜〜!!!!!わかった!!じゃぁ全員相手してやる!!デュラン!!私達をあの部屋につれてって!!」


またそれか??またそれをやるのか??この人には反省とか学習とかはないのか??


「デュラン聞かなくていいよ。レイは後でお説教・・・。」


ちょっと涙目になっているレイを余所に俺はザンダースのもとに歩いて行く。


「おい、あんた・・・何しようとしたの??もしかして俺達の強さを奪って強くなろうとしたわけじゃないよね?」


「グ・・・グフッ!!ゴホ・・・そんな・・・ちゃちな・・・も・・ん・じゃ・・・」


近付いて見て、わかる。これは早く何とかしないと助からない。


「誰かこいつに回復魔法を・・・。」


『デュラン・・・こいつが悪さしないようにスキルとかの使用を禁止しといて。あとで話をしなくちゃいけないし・・・。』


『わかった。レイ殿の願いは聞かずでいいんだな??』


『うん。聞かないで。これからもと言いたいくらいだよ・・・。』


『苦労しているんだな・・・。』


『そういうのも込で愛してるからな。ははははは・・・。』


『惚気きっも!!』


どこからか、ミドラの声がする・・・。そこまで言うんだ・・・。


「何で恵くん涙目になってるの??」


やっちゃんが俺に尋ねる。


「なんでだろうね??気のせいか、心に凄い悪意ある言葉が飛んできたんだよ・・・。」


「ザンダースのスキルは封じているから。あと、ザンダースの父親の休める場所を用意してあげて。」


俺は俺の国かのように振る舞う。まぁ俺のもの言っても過言ではない状況だけどね。

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