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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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後始末

「帰ろうかな?」


俺は背伸びをして一言だけつぶやく。


「36億年も殴り続けるあなたの精神力が怖いわ。」


「多分、俺の大事に思っている人をあんなふうに言えば俺はいつでもそうするよ。」


4人共俺に抱きついてきた。俺は支えきれずに思いっきり後ろに転倒する。


「いたたたた・・・。大丈夫???皆。急に飛びつくとさすがに支えらんないよ。」


皆笑っている。平和になったね。


「ここの皇帝どうする??あの霧に食われて死んでるわよ。」


やっちゃんが大事なことを俺に言ってくれた。


「すっかり忘れてた!!危うく他国の皇帝を殺したのが俺になりかねない事態だった!!あっぶね〜。」


俺はいつもは俺の影武者をしている魔物を1体呼び出す。


「恵様・・・。何用で??」


膝を付き頭を下げる魔物。


「悪いんだけど、ここの皇帝の姿をして統治しておいてくれる??まず、俺達の国と魔族の国と同盟を組むと言ってくれればいい。それから・・・もっとこの国の重役がいるね・・・。どうしよう??」


「レイリーに人手を借りる?一番手っ取り早いと思うよ。」


レイがナイスアイデアを出してくれる。早速連絡をして


「兄さん・・・他国の皇帝を殺しちゃマズいって。」


いやいや、わかってるけど・・・。しかも殺したのは俺ではないわけだし・・・。

出来事を簡単に説明するレイ。その後すぐにいつもの扉が現れてその中から結構な数の魔族の方々が集まってくれる。


「レイ様、恵様。お久しぶりです。で、私達は何をすればいいのでしょう?」


レイと俺はこの国の統治と、維持を人の姿でしてほしいと伝える。変身のスキルで全員この国の家臣へと変化する。


「こんな顔だったかしら?」


レイややっちゃんが怖いことを言う。でも・・・たしかにこれで合っているか?と言われると『はい』とは言えない。


「シュム、どう??こんな顔だった??」


「ちょっと待っていてください。」


シュムはどこかに走っていく。そしてすぐに戻ってきて映像記録装置を再生し始める。


「これが皇帝です。そして、これが皇后、で、このひとが・・・」


1人ずつ説明してくれる。


「中身はどうする??生い立ちとか、出身地とか・・・後血縁・・・。」


「その辺は諦める。皇帝の一言でどうにかなるだろう?」


細かいところは俺達の知恵ではどうにもならない。

魔族の方々と俺の仲間の魔物にここのことは任せてしまう。



「で、真相は何だったの??あの塵から聞き出せたの??」


「いや、ずっと殴ってたし、口にする言葉といえば『許してください。まってください』だったからな〜。どれだけの数ミンチにしてやったか数えることすら出来なかったし。でもここに・・・」


俺は虫かごに入れて持って帰ってきたもやもやを皆に見せる。


「なにこれ??」


「あの皇后が言ってた『残滓』ってやつじゃない??塵の中にあったから、虫かごに入れて持って帰ってきた。多分、時間をかければまた元に戻るんじゃない??戻してみる?話くらいできるかもよ??」


「ハウンも久しぶりの神々だからお話したいでしょ?」


やっちゃんがハウンに聞くがハウンは首を振って拒否する。


「あの男の雰囲気見た?気持ち悪いでしょ??あ〜〜いうの嫌いなのよ。だからお話はありません!!」


「ミシュラの前で元に戻してあげれば??さっきの言葉を聞かせてあげれば喜んで遊んでくれるんじゃない??」


「それ面白いかも・・・。」


「デュラン・・・。こいつからあの馬鹿を元に戻せる?」


「無理だな・・・。意思がない。そういうのは相当な時間をかけないと元に戻らないぞ。」


「だって。残念。」


俺の残念そうな顔を見てハウンが笑う。


「最古の神々がまた死んじゃったけど、寂しいとかないの??」


「ないわ!!ないない。個人的な意見だけど、最古の神々でそんなこと思うような奴は相当レアよ。自分勝手が動いてると思えばいいくらい皆、自分のことしか考えていないわ。だから闇の神々と生の神々がレアなのよ。」


「でもミシュ・・・」


俺の失言にハウンがボディーブローを俺に食らわしてくる。


「え??ハウン??なんで??」


レイがびっくりするが俺は


「ハウン・・・ナイ・・・ス!!」


お腹を押さえてそのまま前のめりに倒れる。

ハウンは手を痛そうに振って


「恵様が悪いんです!!私は悪くないです!!」


「何であんな容赦ないボディブローなの??なんで??」


レイがハウンを問い詰めるが俺は


「ハウンの言うとおりだから・・・。」


やっちゃんが俺を起こして肩を貸してくれる。


「ハウンがあんな速度で人を殴るの初めて見たわ。ちょっとびっくり。」


俺はやっちゃんの方に寄りかかって皇帝の居る城から出る。ここには門番も、召使も、家臣も誰もいない寂しい空間になっている。


「皆食われたのね・・・。」


「だからこそ、中身が偽物でも誰も気づかないはずだよ。」


俺はレイの悲しそうな顔を見てそう答えるしかなかった。

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