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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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真の黒幕

「俺は生き返れるけど、メイリーンはそうは行かないんだから無茶しないでね。」


俺はレイの頭にポンと手を置き、軽く説教する。


「はい。気をつけま〜す。」


反省の色は見えないが、別にこの程度で死にはしないだろうから気にしないでおこう。


「真相を掴めないまま帰ることになりそうだけどいいの?」


「そうだね〜。優勝者はメイリーンだし、頑張ってくれてシュムには特別賞でリムを与えればいいわけだし、あとは捕まえた奴らに話を聞いて終わりかな?」


シュムは横でバンザイしている。嬉しいんだろうね。


「メグミ!!皇帝に挨拶しなくていいの??」


「え?何で??俺達が捕まっていることすら気づいていないんじゃない?」


「それはわかっていると思います。そこを黙っていると国の強化拡大が困難になりますから。」


「誰が話を通しているの??あ!いたの?か・・・。」


「過去形かどうかはどうでもいいじゃない??で、誰なの??」


やっちゃんが横から口を挟んできた。


「先ほど死んだ大臣です。」


あぁ、なるほどね。そりゃそうだ・・・。


「挨拶行こうよ。真相を掴もうよ!!」


「はいはい、わかったわかった。じゃぁこの国の皇帝に会いに行きますか?」


雑談しながら俺はシュムの案内で建物の中を移動する。緊張感がないとシュムが文句を言っているけど、この程度で緊張していたらこの女性陣とは付き合ってられないだろう。

途中、理由もわからずに襲い掛かってくるヴァンパイアを瞬殺しつつ、皇帝の間に到着する。玉座には皇帝と思われる人物と、その横には皇后と思われる女性が座っている。


「やっほ〜〜!!俺、恵!!メグミ帝国の皇帝でここに捕まっていたお馬鹿さんですが、脱出しました。あんたに話をしたくてここに来たんだけど、話まともにできる?」


「もしかして、私を愚弄しているのか?」


「あなた、少し黙ってて。」


皇帝が俺達に怒りの表情を見せ、何かを言おうとした横から皇后と思われる女性が思いもよらない言葉で皇帝の言葉を遮る。


「あなたは、あのアギトの残滓を始末してここに来たの?」


「「「「アギトの残滓?」」」」


俺達は顔を見合わせて聞き返す。


「アギトってあのアギト?」


ハウンは知っているようだ。


「アギトって誰?」


「アギトっていうのは欲望の神々の名前よ。」


欲望にまで神々がいるんだ・・・。


「ソイツは元気なの?」


「いえ、昔の魔族との大戦でゾルミスに殺されたらしいわ。」


「何で『らしい』なの??ハウンも絶賛参加中だったんでしょ?」


「ほら、私は途中棄権したじゃない?」


ハウンはゾルミスこと、レイのお父様を殺すと言ってミシュラに目を潰された過去を持つ。そのため、大戦にはそれほど参加できずにいたという話だったかな?聞いたのが昔過ぎて覚えていない・・・。


「残滓が何でこんな所に居るの?」


俺の言葉に


「妾が昔、偶然発見してな!利用してここまで上り詰めたわけよ!この国の皇帝をずっと操り続けてな。」


顔を扇子のようなもので隠しながら説明してくれるが、皇帝をずっと??


「ずっと??」


「そう!!かれこれ、1200年はここに居るぞ。代々ずっとここの皇帝の后として横で世界を操ってきたのだ!!」


「誰も気づかないなんて・・・。よっぽど皆馬鹿なのね・・・。」


まぁ確かに・・・。ずっと同じ人が横にればさすがに気づくよね。代々ってことは育ててきた子供とも子供を作り続けていたってことだろ??じゃぁこの皇帝はこの人の子供??


「代々后ってことはその皇帝はあんたの子なの??先代皇帝もあんたな子供??ちょっと気持ち悪くない??」


「なに!!??」


自分の子供を操るのはいいとして、自分の子供と行為に及び続けるのはちょっと気持ち悪い。しかも代々・・・。その辺の近親相姦なんてレベルではない。遺伝子的に大丈夫なの??


「何を言っている。血が濃くなればなるほど妾に近づくのじゃ!!素晴らしいではないか?」


「もっと学習したほうがいいよ。ドンドン劣化していくだけだから。あんたの横に居る奴は、そこまで血を濃くすると、粗悪品なんじゃない?代々自分の子供と交わり続けるなんて、品種改良レベルだよ、もう・・・家畜だな。あ〜〜〜〜、鬼畜だな。」


俺の言葉にここに居るレイ、ハウン、やっちゃんが笑う。メイリーンは理解できていない。


「恵くん、言いすぎよ〜。この人は頑張って自分の男バージョンを作りたかっただけなんだから。」


「でも、Yの部分は変わらないからずっと自分にならないよ?」


「あとさ、最近の皇帝はすぐ死んだりしてない?どこかに疾患があるとか??」


「なぜそれを??その部分を何とかしようといろんな魔術、秘術を開発させているところだ。」


どうやらもう・・・限界が来ているのだろうか?


「生き物ってさ、血が濃くなることを嫌うから親兄弟とは交わらないようにしているの知ってる?本能に組み込まれているから自然界ではそうならないように親が子を突き放したり、遠くへ追いやったりしているんだよ。それを故意に濃くしてしまうなんて・・・。人が行う品種改良以外ないんだよ。親と交われる回数なんか出来ても2回までだと思うんだよね、寿命的に。それなのに馬鹿みたいに長生きするから・・・1200年・・・どれだけ交わったんだよ?」


「グググ・・・」


悔しそうに歯を食いしばる后。


「じゃぁ話は終わり!!あんたが俺を捕まえた黒幕でいいんだな??それなら俺はあんたを捕まえて始末する。」


「妾を始末する??愚かな・・・。人族が強くなった程度で妾に勝てるわけがなかろう!!」


「アギト!!」


后が大声で欲望の神々の名を呼ぶ。死んだんだけどね・・・。

そう思っていると皇帝の玉座の周りから黒い霧が大量に出てくる。


「復活の時が来たのか??ふふふふふ」


どこからか声がする。その黒い霧は后と皇帝を取り囲み


「何をする!!敵はあいつらじゃ!!妾たちではない!!離せ!!」


ジタバタして黒い霧を振り払おうとするがメイリーンでも払えなかったのだ。そんなに強そうではないこの二人にどうすることもできないだろう。


「贄が足らぬ・・・この屋敷にいる全生物を・・・。」


黒い煙は屋敷の中を満たしていく。俺達の周りにも・・・。だがハウンの光で近寄ってこない。


「相手は霧だもんね・・・。物理的な攻撃は効かないんだろうね〜。はぁぁどうしよ〜」


「何その棒読み・・・。もっと緊張感を出している感じを出すなら、舞台の勉強したほうがいいと思うわ。」


はいはい、大根役者で申し訳ございません。


そんなことを心の中で思っていると黒い霧がだんだん人の形を形成していく。


「ふはははは!!戻ったぞ!!力も取り戻した!!やっとだ!!やっと!!」


黒いタキシードのような服を着た男が玉座の前に立っている。


「ハウン、あれがその神々?」


「ええ、多分・・・。顔があんなんだったかしら?というのはあるけど。」


ハウンは顔を覚えていないらしい。まぁ昔は結構な高飛車だったらしいから・・・。


「恵様?私に対して良からぬことを思ってませんか?」


ギクッ!!


「ナンノコトダカワカリマセン。」

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