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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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シュムとダリア

「怖かった〜怖かった〜。」


メチャクチャ泣いているやっちゃん。


「裏切り者〜裏切り者〜」


なんか・・・ハウンとの仲に大きな亀裂が入ったように見える。すごく悪いことをしたな。


「ハウンなんかハウンなんか・・・グスッ」


顔をぐしぐし擦っているやっちゃんを見てハウンは


「ごめんなさい。ごめんなさい。私も怖かったの〜〜〜〜〜!!」


何故か大声で泣き出した。このロープ・・・そんなに怖いの??


「それで1時間ほど縛られればわかるよ・・・。」


レイがやっちゃんたちを介抱しながら俺に言う。




「うぅ・・・」


そうだ・・・ヴァンパイアのことをすっかり忘れていた。


「ダリア、こいつ知り合い?」


「え??こいつ??・・・ん?シュム??」


「あなた・・・ダリアよね・・・?何で人と??」


「始末されるところを救ってもらったのよ。と言っても殺そうとしたのは後ろの・・・」


後ろで戯れている4人のうち3人を見てダリアが何かを言おうとすると


「ダリア〜?何で私達を悪く言うの??そう言うから魔物っ娘たちは私達を怖い存在だと思っているんじゃないの??」


ビクッとするダリア。

多分だけど・・・カミーラも、ラウルも、ダリアも・・・君たちに殺されかけている。それを俺が救ってきたように思うんだけど・・・。違ったっけ??そう持っていくのはいつもレイなんだけどね。


「いえいえ、誤解ですよ!!私はそういう風に言ったわけじゃなくて・・・。すみません嘘です。真実を言ってみただけです。」


その言葉を吐くと、レイはダリアをヘッドロックして頭を拳でグリグリやり始める。


「レイ。まず服を着せてあげてくれない?」


真っ裸で頭をグリグリされて涙目になっているダリアを救済すべく、俺は服を着せるように指示する。

服を来て正装になったダリアは


「シュムは頭がいいんだけど・・・ちょっとレズっ気があって、皆に馴染めずにどこかに行ってしまったのよ。だからあの惨劇にも遭わずにすんだけど・・・苦労したでしょう?」


シュムの頭の近くにしゃがんで話しかける。


「レズが悪いっていうんじゃないんだよ。女の子を美化しすぎて・・・。男を下に見るの。それでみんなから浮いちゃって・・・。」


ダリアが頭を抱えてそう続ける。


「ダリアはこの子を助けたいとか思うの?」


「いえ、まったく。私は私、この子はこの子ですから。」


あら、冷たい。サバサバしているを通り越しているな。


「そういや、ダリアは仲間意識薄いもんね。あの時も全員始末されていってるのにそれほど動じなかったし。」


やっちゃんが後ろから冷たく言う。さっき泣きまくってたよね・・・。


「そんな昔のこと覚えていません。最近がバラ色すぎて・・・。恵様のもとに来てからのほうが私はすごく幸せです。人が餌としか見えなかった私にこの方は愛を教えてくれました。」


「最近は悪夢でしょ。」


やっちゃんが付け加える。立ち直り早いね。


「ウッ」


ダリアが胸を押さえて苦しむ姿を見せる。


「そうね・・・最近は恵様は恐怖の対象ですもんね。あらあら、愛とは恐ろしい物だこと・・・。」


ハウンがダリアを嘲笑する。さっきまで君も泣いてたよね・・・。立ち直り早すぎない?


「はぁ、弥生様もハウン様も、ロープにビビっていたくせに私相手だとお強いこって・・・」


ダリアが2人を煽る。ダリアはこの2人が怖くないのか??


「「ダリア!!」」


2人にヘッドロックされて頭をグリグリされている。仲がいいんだな〜。


「あの・・・私を放置しないで・・・。」


シュムが涙を流して転がっている。


「じゃぁ、助ける必要ないんだね??始末するよ?」


「ヒッ」


シュムが引き攣っている。今から殺される恐怖をかみしめていることだろう。


「助けてください!!何でもしますから!!」


「ダメよ。私達はここにいる私達を監禁した犯人を全て捕まえて、1人ずつ甚振って殺すんだから。」


やっちゃんが邪悪な笑みを浮かべてシュムを脅す。


「あんたレベル幾つ?」


唐突にレイが話を変える。


「え?あ・・・420です・・・。」


「ダリアは?」


「え??私ですか??6250です。」


「え??6000??」


シュムが驚いて目を見開く。


「何であなたそんなに強くなってるのよ??以前は400くらいだったでしょ??私がどれだけ頑張ってあなたを追い抜こうとしてたのか知ってるの??」


「知るわけないじゃない。全く会っていなかったんだし・・・。それに私・・・興味な〜い。」


ダリアがヘッドロックされたまま、シュムに言うけど・・・レベル6000超えか・・・。ちょっとびっくり。


「シュムはダリアに追い付きたかったの?ダリアより強くなりたかったの??」


「あの子より強くなりたかったのよ!そのためにこの国で力をつけてたの!!幸いここには私達の仲間が根を張っていたから!!」


「黒幕誰か教えてくれる??」


「言うけど・・・。殺さないなら・・・。」


「そうだね。言ってくれた君は殺さない。それは俺が約束する。この子たちにも絶対手出しさせない。といっても、これから先におこることに口出しと邪魔をしないというのが条件だけどね。」


「手出ししないわ!!あなたに付いて行けばダリアのように強くなれるんでしょ?」


シュムは目が輝いている。


「もしかして強くなりたいの??それなら俺についてくればいい。俺の国にはレベルが1万超えているような人もゴロゴロいるから。」


「い・・・1万・・・」


言葉にできないほど驚いているようだ。俺もまさか・・・レイ達のレベルが1万超えているなんて思いもしなかった。せいぜい1800くらいだと・・・。それを魔界に行って考えを改めたけどそれでも桁が違うなんて・・・。そのせいでミシュラはどうなっているのか、もっと気になり始めている。


「え?たすけるの??恵くんは抱けないわよ。だってこの子は同性愛者でしょ?」


「強くなるなら抱かれてもいいわ!!ちょっと我慢すればいいだけだもん。」


「そういうのはいりません。嫌なら結構です。無理強いはしませんから。」


俺はダリアにシュムを回復させるように言う。


「シュム・・・。バカするなよ!私の信頼に関わるんだからな!!」


「いや、ダリアは関係ないから大丈夫だよ。俺が救ったわけだし。何かあれば俺が特訓部屋で100時間ほど鍛えるから。」


「イッヤァァァァ!!!」


涙を流しながらしゃがんで動かなくなるダリア。


「怖い怖い怖い怖いぃぃぃぃぃぃぃぃ〜〜!!」


「恵くん・・・何やったらこうなるの??」


「「ははははは」」


俺とハウンが笑うと


「何でハウンが笑うのよ?」


レイがハウンを睨んで聞いている。


「あ、え、その・・・なんででしょ?」


ものすごいとぼけ方がダメダメなハウンを捕まえてくすぐっているレイ。


「ほらぁぁ!!白状しなさ〜〜〜〜い!!」


「ひゃはははははははははははははははははははは!!やめえ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」


敵地なのに気の抜き過ぎだな。

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