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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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人質

「それではここでごゆるりとお過ごしください。」


扉の前で一礼をして出て行く女性従者。

俺は独り、ぽつんとこのでっかい屋敷に残される。

誰も居ない空間。


「ざぁぁぁ〜」


?俺の荷物から変な音が聞こえる。


「恵様ですか?クロエです。聞こえますか?」


「何??クロエ??どうかしたの?」


「ご無事でしたか??先ほどある帝国から従者の方が連絡をしてきまして・・・。恵様とその同伴者を拘束したと。」


「ほうほう、それで?」


「ホウホウソレデって??恵様が捕らえられるなんて信じられなかったので連絡した次第です。やっぱり誤報ですよね?」


「あ〜〜〜。そういうことか・・・。俺が客と言われてそう思っていただけだな・・・。いや、これは多分、拘束されている。そういう感覚を持たせないだけで、これは逮捕で拘束だな。はぁぁ、そういうことか〜。」


「えぇぇ!!どうしましょう??救助に向かいましょうか?ミシュラ様に知らせればすぐかと?」


「う〜〜〜ん。いいよ。自分で何とかする。で、向こうの要求は何??」


「はい。恵様と同伴者の解放には領土をよこせと要求しています。それと恵様が有する戦力である海洋魔物の軍団をよこせとも・・・。」


「面白い冗談だな。で、なんて言ったの??マギーは?」


マギーは俺達の帝国の大臣だ。政治関係のことをすべて受け持ってもらっている。そういうことに無知で疎い俺ではどうにもならないからね・・・。


「マギーは憤慨していますよ。魔物は軍隊ではなく恵様の友人だって。」


怒るところが俺と一緒だな。


「ははははは、さすがだな。」


「笑い事じゃないですよ!!こうなったら戦争だって言い始めてるんですから。恵様の身が心配だからまだその決断には至っていませんが・・・。」


「いやいや、笑えるだろ??ここで笑わずにどこで笑えばいいのかわからないんだけどな。ふふふふふ、はははははは!!」


俺はものすごいツボにはまって笑いが止まらない。こんなに笑ったのはいつ以来だろう?


「ミシュラに言うのはいいけど、絶対に助けにきちゃダメって言っておいて。俺はこの状況を楽しみながら攻略していくつもりだから。あと、マギーに戦争は仕掛けないように言っておいて。のらりくらりして時間を伸ばすことだけ考えてと伝えてというか俺から言うから代わってもらえる?」


クロエはドタバタ走っているようだ。毎回走らせてごめんね。

マギーに通信を代わってもらい、


「かしこまりました。恵様の期待に沿うべくのらりくらり躱し続けます。」


これで俺はこの状況を思う存分楽しめるわけだな。


『やっほ〜。こちらデュランチャンネル。メグミ聞こえる?』


『レイ?今の状況理解出来てる??俺達捕まったみたいだよ。やっちゃんたちはどうしてるの??』


『やっちゃんとハウンはメイリーンと一緒に美味しいディナー中だな〜。私は美味しいディナー中だな〜。』


3人とレイを分けた理由が見えない。何の違いがあるのか理解できないが飯を食っているというのは伝わってきた。


『ね〜、恵くん・・・。ここ、どこかの結界の中みたいよ。通信機器が使えないのよ。どうしたらいい??』


『え?クロエから通信来たよ。俺達を盾に領土と海の魔物を要求しているらしいよ。もう、アホです。』


『じゃぁ、恵くんと私達は違う所にいるのね。どうする?』


『俺は俺で勝手に楽しんでおくからそっちはそっちで楽しんでおいてよ。』


『メグミ・・・どっちが面白いことできるか対決しない?』


『面白いことってなんだよ。この国の上の人を捕まえるってことか?それなら競争受けるよ。こうでもしないと、面白いことって言う判断は難しいだろ?誰基準だよってなるし・・・。』


『それ面白そうね。この国の上の人を捕まえる早さってこと?』


『上であればあるほど面白いっていうのでどう?まぁ、皇帝が一番高得点ってことで。』


『わかった〜。皇帝の首を持ってメグミに渡せばいいんだね?』


『首はつけといて。殺すのはナシ。』


『皇帝が関与していない時はどうするのよ?』


『そんな可能性あるの???』


『ありえるわよ。例えの上げようはないけど・・・。』


ふ〜〜〜ん。その時はその時だ。うちの魔物にでも頼んでずっと影武者してもらっておこう。


『まぁ、そのへんは臨機応変に。ただ、殺すのはダメ。捕まえて虫かごに入れといて。デュラ〜ン!!』


俺はデュランに頼んで魔物っ娘を収容していた通称虫かごと同じ性能のものを参加者に配ってもらう。


『捕まえた有力者はこの虫かごに入れてね。それではスタ〜〜〜〜〜〜ット!!』


『きゃ〜〜〜、胸が高鳴る〜。』


全員ものすごく楽しそうだ。


「俺・・・ディナー食ってないな・・・。」


ちょっとそこに不満を持ちながら俺はこのでっかい建造物の中をウロウロする。


「そこの人。隠れてないで遊んでよ。通信切ってからずっと何か連絡してるでしょ?俺は逃げも隠れもしないよ。遊んでほしいな〜。」


俺の挑発に乗ったのか、柱の影から人が出てくる。


「流石・・・。人族最強と噂されるだけのことはありますね・・・。」


さっきの女性の従者が出てきた。


「ディナーまだ?」


俺の質問に


「・・・そこですか・・・。私が姿を露したのに最初の台詞は・・・」


なんか怒ってるな。別にそんなに怒らなくてもいいのに・・・。

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