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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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食事後

俺達は黙々とおいしい食事を食べる。本当に美味しい。俺の帝国に連れて帰りたいくらいだ。まぁそんな愚かなことをするつもりはないけど・・・。


「ごちそうさまです。また来ますね。」


「おう!!きてくれよな!!最近あまりあんたの噂を聞かないから結構心配してたんだよ。冒険者ってアレだろ?危険だろ??あんたはどう見ても優しそうだからな。変なトラブルに巻き込まれちゃいないかって・・・。」


俺のことを相当心配してくれていたようでかなり嬉しい。赤の他人を思いやれるっていうのは本当に心が広くないと出来ない。素晴らしい人柄を感じてしまう。


「ありがとうございます。実は・・・。」


俺の身の上話を少しする。

今、現在、メグミ帝国というところで住んでいること。そこを拠点にしていることなど。皇帝になったとか、そういう話は抜きにして・・・。


「そうだったのか・・・遠いのに飯のためだけに来てくれるなんて・・・本当にありがとうな。」


俺とおじさんは握手する。そんなに涙を流さなくても・・・。


「恵くんならここまですぐに来れるから何かあったらすぐに来てくれるわ。」


「そうね。メグミは凄いからな〜。メグミ帝国に来たら皇帝を訪ねてきて。定食屋緑って言えば通れるようにしとくから。」


俺が皇帝であることを隠して話をしたことが台無しになるほど色々言ってしまっているな・・・。


「皇帝?メグミ帝国??あんた皇帝になったのか??いや〜驚いたな・・・。」


「店主さんがさっき言ったように変なことに巻き込まれまして・・・。」


俺の一言にお腹を押さえて笑いをこらえ始めるアホ娘3人とマッキー。メイリーンは気の毒そうに俺を見ている。


「そうか〜。変なことに巻き込まれて皇帝になるっていう過程が全く想像できないが、大変な目に遭ったんだろうな〜。」


想像つかないんだ・・・。この話からでは俺も想像つかない。と言うより、なんで俺が皇帝になってしまったのか未だに理解できていない。何で俺なんだ?は毎晩俺が俺に聞いている大きな悩みの一つだ。


「まぁ何かあったら頼って行ってみるよ。なんせ俺は皇帝と知り合いだからな〜。」


豪快に笑う店主。それを横で聞いて微笑む奥さん。本当にいい夫婦だな。


「それじゃぁ。」


「おう!!気をつけてな!!」


別れる俺と店主さん達。





「さて、これからどうする?この街に一泊するだろ?」


「え?デュランで帰れるじゃない??そうすればいいのに・・・。」


「そうしなくて済むように、俺はちゃんとクロエに頼んだんだぞ。」


「思慮深い男に生まれ変わるって言ってましたもんね・・・。」


「ただの言い訳でしょ?帰ってこなかった時の。」


「ハウンは加点10。やっちゃんは減点10。やっちゃんは最近加点がないね。やばくない?」


俺の言葉に怯んでいる。ざまぁ〜。


「宿屋探そうか・・・。いつものおばあちゃんところ?それとも、メグミが寝まくってたところ?」


宿ってその2つだけじゃないよね?色々泊まってみようよ?


「貴族たちのエリアに高級な宿屋があるけど行ってみる?一泊が半端なく高いけど・・・。」


「高いって言っても俺達なら払えるでしょ?いいんじゃない?たまの旅行だし・・・。たまには羽目をはずして無駄遣いもいいと思うんだな〜。」


俺の最後の部分になぜかやっちゃんとハウンの2人が空を見上げてとぼけた姿を見せる。


「・・・もしかして・・・何か隠してることあるの?」


俺の言葉にその2人がちょっとびっくりしている。


「ななななな、なにいっ・・・何言ってるのよ??」


「ははははは、まさか・・・」


絶対この2人は何か隠している。後で聞き出してやろう・・・。

そう、この数カ月後にあの無駄遣いが発覚する。モンスターファーム無駄遣い事件・・・。国の立て直しが可能なほどの資金を阿呆なことに使ってしまうこの2人。頭がいいと思っていたんだけどね・・・ちょっと違ったみたいだな。まぁ俺にアホ3人娘って言われているくらいだし・・・。


さて、話を戻して、俺達は貴族の住んでいるエリアに到着。


「おい、見窄らしい庶民が来るところではないぞ。」


エリアの入り口に立つ門番。その一言にキレて俺の素性をばらすレイ。そのせいで・・・






今俺はこんな所にいる。迎賓館というのだろうか・・・。モノすっごいデカイ建物、きらびやかな装飾・・・。俺に似つかわしくない衣装。


「あの・・・。何で俺が皇帝と信じてこんな所に?普通なら信じないでしょ?」


俺の世話をしている女性の従者に聞いてみる。


「それはですね・・・。この国の秘密です。国々にはそれぞれの情報機関がありますから・・・。」


国の情報機関・・・。それには俺の情報があるってことなんだろうな・・・。


「俺の連れは??」


「はい、別室でお着替えをして頂いています。あの格好では伴侶というより・・・、護衛ですからね。」


ごもっとも・・・。鎧着た同伴者は護衛だよね・・・。


「あ〜、それと、俺は平民出だからフランクに話してくれる?堅苦しいの大嫌いなんでね。」


「そういうわけには行きません。貴方様はこの国のお客様ですから。それに・・・。貴方様の国を敵に回して無事なほどこの国は強国ではありませんから。」


「ははははは。俺の国を相手に戦争すればそりゃぁただじゃすまないだろうけど、戦争するメリットがないでしょ?戦争なんて・・・無駄中の無駄なんだよね。」


その女性も「確かにそうですね。」とニコッと笑っていってくれた。

そして俺は今の状況がこの国の客だと信じている馬鹿な俺を後で叱りたくなる・・・。

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