かくかくしかじかこういうことで。
レイと俺は田村さんに捕まり、田村邸へと連行される。
田村邸につく。
子供の頃はよく遊んだな。
最近は全くだが。
「ただいま〜」
「「お邪魔しま〜す。」」
するとおばさんが出てきた。
「あら恵くん久しぶりね。元気??レイさんも元気そうね。」
おばさんがレイにも挨拶すると田村さんがレイを睨む。
レイのせいじゃないんだよ。いや、レイのせいなのか?
いやいや、ヤッパリ俺のせいだ。
「おかあさん、レイのこと知ってるの??」
田村さんがおばさんに聞くと
「何言ってるの?吉永さんところのお嬢さんじゃない。事情はいろいろあるけど可愛い娘さんでしょ?あなたも数年前から一緒に遊んでいるじゃない?どうしたの??もしかして喧嘩中?」
デュランの力でかなり前から居ることになっているようだ。すごい能力だな。
「もういい!!部屋でちょっと重要な話をしているから入ってこないでね!!」
田村さんはぷりぷり怒って2階に上がっていった。
「突然押しかけてすみません。」
レイが頭を下げる。マジで前から知り合いのようだ。
「レイさんはいつもしっかりしているわね。恵くんは相変わらずだけど。ふふふふふ。」
相変わらず何?聞きたいけど俺達も2階へ上がっていく。
やっちゃんと呼んでいた頃に入った部屋とは別のものになっていた。
やっちゃんの部屋は一言で言って簡素。
う〜〜ん、やっちゃんらしいけど色気がない。机とベッド、そして真ん中に四角い小さなテーブル。小物は女の子っぽいけどなんかな・・・。
あまりジロジロ見るのもいけないと思うのでこの辺で。
「で、この子何者??」
ストレートな質問です。
「聞かれたらまずいんでしょ?遮音壁魔法」
お!なんか膜が出てきたぞ?
「これで戦っても大丈夫よ!」
物凄く物騒なことを言うレイ。君怖いよ。
「で、この子何者??」
それさっき聞きました。というかそれが最重要なの?
俺の旅人の話は軽いんだな。
「この子はレイです。年齢は秘密。職業も秘密。俺との関係は・・・」
言葉に詰まった瞬間
「妻だ。」
と胸を張って言い放つレイ。
え?そうなの?それでよかったの??
レイのほうを向いて田村さんの方を見ると田村さんが硬直して動かなくなっている。
「・・・ななななんて?」
「つ・ま・だ。言い換えれば伴侶。」
レイは恥ずかしそうにすることもなく堂々と言ってのけた。
「恵くん、本当?」
目を見開いて震えながら俺に聞いてくる。レイが認めるならそうだろう。
「なんかおかしい??」
「お、おかしいかって??おかしいでしょ?いつから?なんで??どういう経緯で?いつプロポーズしたの?結婚式は?ってか、年齢足りないから無理だよね!!そうだそうだ!!法律で無理なんだから妻は変だ。ぬほほほほ。」
笑い方おかしいですよ。
混乱しているのか、おかしくなったのかわからないが『ぬほほほほ』にちょっと笑ってしまった。
「何がおかしいの?私のことバカだと思っているの??」
俺に向かって胸を人差し指でゴスゴスついてくる。
かなり痛い。
俺にまでちょっと喧嘩腰になる田村さん。
清楚でしっかり者で、尊敬できる女の子のお面が取れちゃってますよ。
「メグミ、私のこともっと話してあげれば?正体ばらしてもいいからさ。と言っても今この状態解くともう一回人化できないから証明は無理だけど・・・。」
「人化??あなた、人じゃないの??魔物??へ??なんでこっちに来れるの??持ち込み能力でってこと?」
持ち込み能力っていうのがどんなものかわからないが捲し立てる田村さんに俺は少しずつ話し始める。
カクカクシカジカこういう事で・・・。
人って理解できないことがあると石化したみたいになるんだな。
願いが叶うスキルやレイを伴侶に願った恥ずかしいこと、など端折った部分も多々あるがちょっとだけ情報を与えてみた。
それで石化したみたいになって動かなくなった。
「魔物がこの世界に入っちゃった。危険。危険だ。やっつけないと・・・。」
うわ!考えが極端になってきてる。
やっつけるとか言い出した。魔物じゃないし!魔族だし!
「レイ傷つけたら絶交するからね。」
俺の台詞にレイが満身の笑み、田村さんが驚愕の顔をしてくれた。
ここは美女による変顔大会の会場ですか?
俺、もうお家帰りたい。
今日で何度目だこの願い。
デュランは聞き入れてくれない。そりゃぁそうか。その程度のこと自分でやれってことだよね。
「さて、お話も済んだし、帰るか・・・。」
膝に手を当てて立とうとすると、
「話はまだ終わっていない!!幸い明日は休日、泊まって行きなさい。」
プルプルしながらワケのわからないことを言い出す田村さん。
いやいや、高校生の男女は一緒の家に泊まりません。
世間が許しません。
なんてことを呑気に考えていると
「おかあさ〜〜ん、恵くんとレイちゃん、泊まっていくって〜。」
お〜〜〜〜い!!そんなこと言ってないぞ〜〜!!
許可出るわけ無いだろ!!俺の家すぐそこだぞ??
「あらそう??ご飯頑張って作んなきゃ!!あ!そうだ!!吉永さんちには私が電話しておくわ!!」
ちょっと断れよ!!
そう思っても勝手に進んでいくお泊り会のお話。
もうどうでもいいや。
でもほんと、お家帰りたい・・・。
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