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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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俺の地位

モンスターファーム無駄遣い事件が勃発する数ヶ月ほど前・・・。




「なぁ、ここの皇帝という座席に座るのって俺じゃなくても良くない?」


俺の唐突な意見に


「ん?なんか言った?」


モコモコネズミと戯れながら俺の前で転がっているレイが聞き返してくる。


「だから、俺がここに座っている必要ってあるの?」


「ん〜〜〜、ないね。」


モコモコネズミでお手玉をしながらレイが俺に答えてくれる


「ないよね。後それ可哀想だからやめてあげて。」


俺は立ち上がり、大きな声で皆を呼ぶ。


「ここの住人全員集合!!」


ものの数分で俺の前にここに住んでいいと許可されている人、魔物の全員が俺の前に集う。


「えぇ〜〜っと、俺はぶらぶら旅に出たいわけですが、今の身分ではおいそれと勝手にどこかに行けません。そ・こ・で・・・」


俺は皆に俺の影武者をおいて気ままに旅に出ることを提案する。


「う〜ん、どうなんだろ?メグミはそれでいいかもしれないけどこの国の人はそう思っていないと思うよ。財政も建て直していないし、他国に攻められる可能性もある。それに今は魔族との国交維持にも色々しなくちゃいけないわけだし。」


レイのくせにまともなことを言う。


「その辺りも俺じゃなくても大丈夫じゃない。むしろ俺じゃないほうがいいかも・・・。」


「そう言われてしまえばそう思ってしまうわね。恵くんってそういう才能でもあるのかしら??」


人を詐欺師のように言うやっちゃん。その横でハウンが


「影武者はありだと思うわよ。どこの王も自分の身を守るために影武者を置いたり、全く違うことをしていたりなんて普通のことだと思うわ。」


「じゃぁ誰にする?」


ざわざわし始める会場となっている皇帝の間。


「影武者と行為をするなんて言うのは嫌よ。何があっても嫌。それでバレるなんてことがあっても私は絶対嫌だからね!!」


レイが震えながら言っている。相当嫌なようだ。


「影武者なら変身でどうにでもなるだろ?それだと男じゃなくていいから。」


「恵くんが外の出かけるのにここに留まるっていうのは嫌よ。」


やっちゃんの発言にハウンを始め、殆んどのものが頷いている。


「我々の中で決めればいいのでは??生憎、我々は主様の旅の耐えるほどまだ強くない・・・。」


最近仲間になった魔物4体が前に出る。


「そうね!この子たちに変身させてそこに座らせておきましょう!!」


ハウンが眼を輝かせてすぐに申し出を受ける。それは君が決めることではない。


「君たちはそれでいいの?ここに残るってことはここを守らないといけないんだよ。今、君たちは弱いからここに残ると言ったけど、残る以上は強くなくちゃいけないんだよ?」


俺の言葉に固唾を呑む4体。


「それは当たり前であります。先ほど私はこう言いました。『我々は主様の旅の耐えるほど()()強くない』と・・・。今のこの地位は我々とて許せるものではありません。必ずや・・・強くなってみせます。」


「よし!!その気持ち、すごくいいと思うよ!!流石だなと思う!!ここには弱者はいらない。強い気持ちを持たないものはいちゃいけない!!君たちは戦闘力は低いが決して心は弱者じゃない!!だからここを任せるよ!!政治的なことはマギーたちに任せればいいから。君たちはここに座って俺がいると思わせておいてくれればいい。」


そう言って変身するスキルを伝授して俺は席を立つ。


「よし!!俺そっくり!!見分け付かないな!」


「気配が全く違うからバレるでしょ?」


「威圧感もないわよ。」


「なんか魅力を感じないぞ。姿は一緒なのにな!!」


「恵様のフリをするのはおこがましいわ。」


女性陣から辛辣な意見が飛んで来る。涙目になっている変身した魔物たち。


「おいおい、そんなに責めるのはおかしいだろ?じゃぁ、他の人にする??じゃぁ、戦闘力高めの威圧感の出せる人にしようか??じゃぁ、ハウンお願いね。」


その一言に


「あ!!恵様がどれかわからなくなってきたわ!!」


ヘラヘラした顔で後ろに下がっていくハウン。


「じゃぁ、やっちゃんお願い。変身する方法は・・・」


「あ〜〜〜〜!!ちょっと恵くんどれ??う〜〜〜ん・・・わかんな〜い。」


「ダリアは自分の城を持っていたくらいだからこういうの得意じゃない?」


「おぉぉぉぉ!!恵様がいっぱい・・・魅力いっぱい・・・」


変身した魔物たちに目線を移して、目を輝かせるふりをしているダリア。


「じゃぁ、ラウルいってみようか・・・」


「おこがましいのは私のようです・・・。」


そそくさとレイの後ろに隠れるラウル。


自分の放った辛辣な言葉をコロッと変える・・・弱者だな・・・。


「君達4人のほうが心は強いな・・・。ゴメン・・・弱者はここにいるわ・・・。」


「「「「な!!」」」」


声を揃えて絶句する辛辣4人・・・情けない。


「じゃぁ、代わりばんこでお願いするね。変な客が来た時はすぐに知らせて。すぐに戻ってくるから。」


「人としての立ち振舞はちゃんと覚えてね。帰ってきて俺が変人になってたら悲しいから。」


俺はクロエに魔物たちのその辺りの教育を頼む。


「恵さんがいなくなるのは寂しいわね〜。私はどうしようかしら??」


赤ん坊を抱いて俺の横にくっつくミシュラ。

赤ん坊の名前は


男の子がミラ

女の子がメル


とっても可愛いんだな。ミシュラに似て・・・。


「一緒の来る?」


俺はミラとメルの頭を撫でながらミシュラと目を合わせて言う。


「ふふふ、この子たちを連れてはいけませんからここに残ります。」


そう言って俺にキスをする。


「あぁぁあ!!いいな〜」


レイがもこもこを抱きながら羨ましそうにこっちを見ている。

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