先生とマッキーと
「おう!!店員さんよ!秘密で頼む!!私はここにお忍びで来ているのだ。周りが騒ぐとここに居られなくなる。それは私にとって嫌なことなんだな。わかってくれるよな!!な???」
マッキーは嬉しそうに店員にハグしている。店員は放心しっぱなしだ。
「ハグ・・・うらやましぃぃぃぃ」
指を加えて森先生が羨望の眼差しを送っている。
放心していた店員がこっちの世界に戻ってきて
「あ!!はい!!秘密にします!!あ、あの・・・サインお願いします!!」
サインのできるものをポケットを探って探すが、何もなかったようで、どこかに走って消えていく。
「ふむふむ。洗脳成功だな」
すごい小声で俺に向かって言う。
「え??これ・・・マッキーの能力なの??」
「おうとも!!私の職のスキルだ。思考誘導ってやつだな。」
俺にものすごいいい笑顔を見せて胸を張る。
そうこうしていると店員が誰かを連れてくる。秘密がいきなり破られているんですけど・・・。スキルは?
「秘密って言われましたが上司には報告しないといけないので・・・。店長に報告したらサインをこれにもらってきてと・・・。」
笑顔の店長と思われる人が色紙とマジックペン、そしてデジカメを持ってくる。もしや・・・。
「申し訳ないのですが一緒に写真をとってください。そして店舗に向けて一言・・・。」
「おうおう!!それくらい騒がないって言うことを守ってくれるなら安いもんだ!!恵!!味はどうだった??私はまだ食っていない。感想を述べよ。」
「ネギ間最高!!」
「よし!!」
すらすらすら〜〜〜っと何かを書き込んでいる。とても手慣れた感じだ。
「居酒屋メロン」
「ネギ間最高!!!めっちゃ旨いやん!!また来たいわ!!」
「皆も頼んでみ??食ってみ??」
「マッキー」(俺には読めない)
「キスマーク」
「こんな感じでどうだ!!」
店員と店長と思われる人が拍手している。よくわからないテンションだな。
店員と店長がマッキーを挟んで並び、何故か俺がシャッターを押す。
「ありがとうございます!!これをお店に張ります!!よろしいですか??」
「おう!!いいとも!!ダメならやらんぞ!!にゃはははは!!」
胸を張って上から申すマッキー。嬉しそうに座敷から退場していく店長と店員の二人。
おいおい!注文とってくれ!!
無事注文も取ってくれる。
食事を少しだけして、雑談をして
「じゃぁ、私らもう帰るわ!!」
店長に手を振るマッキー。それに笑顔で答える店長。
先生がお代を払い店を出る。
「あの・・・本当に私の家に来るんですよね?」
フラフラしながら赤い顔で聞いている先生。
「おう!!迷惑か??」
「いえいえ!!とても嬉しいです!!」
先生が嬉しそうに先頭を歩くが脚がフラフラで見ていて怖い。
「先生・・・。俺に捕まってください。」
俺は先生に肩を貸し、タクシー乗り場に行く。
そこでタクシーを捕まえて
「○○○ケ丘2丁目・・・までお願いします。」
タクシーが出発する。
タクシーの中では女性たちの楽しそうな話が繰り広げられている。俺は助手席に座り聞き耳を立てるのも失礼かと思ってなるべく聞かないようにする。
1時間半ほどで先生の言った住所にたどり着く・・・。タクシーでのこの距離を走るか・・・。
うわぁ何この豪邸・・・。俺達は少し高き所に立つ豪邸を下から見上げている。
「入って。」
鍵を開けて門を開き、扉の鍵も開ける。
「いらっしゃい。その辺に座って、どうぞ寛いで。」
俺達を大きな部屋の中に案内する。
「おぉ、自分のことをイイトコロのお嬢さんというだけのことはあるな。」
俺がアホ面で部屋を眺めていると
「ははは、あまり見ないで、恥ずかしいな。その辺に早く座って。飲み物用意するわ。」
ふらふらと台所に向かう先生。
「俺も手伝います。どう見ても怖いんで・・・。」
「あら失礼ね。これでも家事は得意なんですよ〜。」
「得意不得意ではなく、滅茶苦茶酔っ払っているから怖いんです。ひっくり返りそうですよ!」
「私は亀か!!ってね〜。優しくして私を口説く気ね〜ははははは〜」
陽気にティーカップを用意して見たこともない綺麗な缶に入った茶葉を出し、紅茶の準備にとりかかるようだ。
「吉永くんも座っていてね。これくらいなら怪我もしないでしょ?」
俺は仕方なく座る。待っていると少しして良い香りがしてくる。
「はい、これくらいしか出来ないけど。って、マッキーは?」
「マッキーなら隣に部屋に笑顔で入って行きましたけど?」
「え?隣は寝室よ?ベッド以外何もないわよ??」
「もしかして寝てるのか?」
バン!
いきなり戸が開く。
「おう!!恵!!じゃ〜〜ん!!」
ものすごい格好をしているマッキー。
それを見て俺が目眩で倒れそうになる。
「ちょっと!!吉永くん!!マッキーとそういう関係なの??ちょっと!!どういうこと??」
マッキーが真っ裸で先生と俺の前に立っている。
「なんだ??先生よ!!私と恵の関係を知らなかったのか??じゃぁ、やっちゃんやハウン、それに・・・」
「わぁぁぁああああああ!!」
俺が手を振って大声を上げて『レイ』という言葉をかき消す。
「マッキーのアホ!!こっちのことを考えろよ!!」
「おおっと!!すまん!!そうだな。」
悪いと思ってるのか、かなり疑わしい顔をする。そして全く隠そうともせず、素っ裸のままソファに座って紅茶を飲み始める。
「もしかして・・・いろんな女の子とそういう関係??もしかして・・・プレイボーイ??」
「おぉ!!プレイボーイか!!なかなか聞かん昔の単語だな。それは恵のことをそういうんだろ?恵は世界最強のタラシだ。今日もあの女の子たちと一緒にさせていれば何人かは食われてただろうな〜。」
「な!!?マッキー!!マジで怒るぞ??先生の前で言うことじゃないだろ?」
「なにぃぃ!!?先生の前だからこそ言っておかねばならんのだろ?今からそうなるんだし?」
「ならないし!!」
「なんだ??先生を混ぜずに私とだけするのか???それって可哀相じゃない??」
「へ??混ざる??私が????なにに?」
俺の顔とマッキーの顔を交互に見ている先生。顔が真っ赤だ。
「ちょい待ち!!もしかして先生はその覚悟無く、恵を家に上げたのか?私はとっくに話が付いているもんだと思ってたわ!!マジか??」
こいつ・・・自分の勘違いで素っ裸になっていたんだ。ってか泊まる気だったのか?
「あぁもう!直球で言うね!!今から私と先生と恵はセックスします。もちろん生です。スキンなんぞ使いません。出来たら喜べ!!世界最強の男の子を産めるんだからな!!」
何故か大声で笑いながら胸を張って手を大きく上げている。
「なに??最強ってなんなの??成績のこと??」
「何を言っている??恵は地球最強の男だぞ!!全生物最強の雄だぞ??魅力的すぎて目を見つめ続けられんわ!!」
なんじゃそれ・・・。