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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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クラスメイトと3

「はぁ〜。何で俺はここにいるんだ??」


俺は1人、コンビニの前でコーヒーを飲んでいる。クラスメートたちとマッキーは多分まだまだ出てこないだろう。

そういう寂しい状況にも関わらず1人でいることがあまりない俺は少しだけだが楽しい。


「コンビニってすごくいいな。これがなかったら今の俺はどうすればよかったのやら・・・。」


そんなひとりごとをブツブツ言っている俺。


「あなた、吉永くんでしょ?なにやってんの?」


いきなり女の人に声を掛けられる。見たこともない人だったが俺の苗字をズバリ言い当てていた。多分、俺がわかっていないだけで女の人の方は俺を確実に知っている。


「はぁ、なんでしょう?というよりあなたは??」


俺は知らないまま話をするというのをうまく立ち回れないので素直にわからないと告げる。


「ははははは、わからないか?ほら!!『次、吉永くん、英文を訳してみて。』」


女の人が俺を指さしながら聞いたことある台詞を聞かせてくれる。


「あ!!森先生??」


「そうそう!!わからなかった?でも何であなたはこんな所に居るの?1人??」


この人は俺の通う高校の英語の教師の森先生だ。名前は知らない。皆から『森ちゃん』と呼ばれているちょっと冴えない先生だ。

冴えない先生のはずだが今は・・・綺麗にしている。とても・・・。


「いえ、友達と一緒だったんですけど・・・ちょっとトラブルがあってカラオケボックスに戻れなくなりまして・・・。」


「なにそれ??暴れたの??まさかね!!あなたは我が校の優等生だもん。そんなことしなわよね。ははははは」


笑いながら否定してくれるが地味に正解なのだな。

笑いながら俺の肩をバンバン叩く。


「先生こそ何でここに?」


「それは秘密ね。というよりこんな格好していたっていうのも秘密にしてて欲しいくらいよ。あなたが1人で突っ立っているから何かあったのかな?と思って声を掛けたの。普通なら・・・見つからないように逃げていたと思うわ。」


なにか特別な用事があったようだ。それは先生にとってあまりいいものではなかったらいい。

そんな話をしていると、どこからともなくサイレンの音と共に救急車がさっきまで俺も居た所に到着したようだ。


「あぁあ、怪我人かしら??結構な人数集まっているわね。見に行かない??」


ワクワクした顔で救急車の方を指さすが犯人が俺だけにウンとは言えない。


「先生にもミーハーな部分があるんですね。ちょっとびっくりです。俺はそういうのは見に行ったりするものではないと思うので・・・。」


「さすが我が校の誇りね。私、ちょっと見てくるわ。」


見に行くんかい!!普通なら行動をためらうだろ??こんな言われ方したら・・・。

先生がそのまま人混みをかき分けて見に行く。

俺は気にせずコーヒーを飲む。


「デカイ男たちが喧嘩をして怪我人が出たみたいよ。」


コンビニに入るカップルが何があったか話しているのを耳にする。デカイ男たちが喧嘩ですか・・・。怖い世の中だ。


「吉永くん!!すごいガタイのいい大男が両腕を折られたらしいわ。あんなプロレスラーみたいな人の腕を折るなんて・・・猛獣でもいるのかしら??」


猛獣って・・・その言葉にちょっと俺は悲しい顔をする。


「はいはい、気の毒だもんね。あなたが悲しい顔をしても仕方ないわ。やさしいわね。」


ちょっと違うんだけどね。俺が悲しかったのはあなたに猛獣って言われたところ。


「吉永くん。ちょっと付き合ってよ。ご飯まだじゃない??そこのお店に行かない??もちろんおごるわよ。その代わり、今日のことは誰にも言わないでね。もちろん、美人の妹さんにもよ!」


俺の返事を待たないまま俺の腕を引っ張っていく。その途中、ムキムキ軍団と目が合う。俺を見て『ひぃぃぃ』という声と共に屁垂れ込みやがった。あのボケども・・・。


「え??なに??なんか居るの?さっきの大男の仲間よね?同じ服着てるし・・・」


先生はキョロキョロしながら俺を店の方まで引っ張っていく。なにか居るって多分、俺だと思うけどね・・・。




「「「「いらっさぁい!二名様〜〜!!」」」」


元気よく挨拶する店員たち。俺は座敷に連れられて先生と二人っきりになる。


「未成年なので飲酒喫煙は許しません!!肉を食ってください!!肉を!!」


メニューを俺の前に広げる森先生。先生がすごい勢いで食べ物を注文している。

俺は焼き鳥のネギ間とご飯、ししゃも、そしてコーラを頼む。


「ちょっと!!何よこの内容は!!ご飯誘った意味が無いよう。なんちゃって!!」


この世には綺麗なおっさんが居るようだ。いつもの真面目な森先生ではない人がここに居る。


「ねぇ、吉永くん、学校で噂になっているけど、あなたって妹と愛し合ってるの?」


その言葉に俺はコーラを吹きそうになる。


「いきなりですね。誰ですか??そんなこと言い出した奴。」


合っているが認めるわけには行かない。噂の元を探ろうとすると


「え?学校の皆そう言ってるわよ。生徒も教師も・・・。」


生徒はわかるが先生までも??それを聞いて少し悲しくなる。


「仲がいいのは認めますよ。でもね・・・」


「真実じゃないんだ〜。残念!!」


「へ?何で残念なんですか??」


「そりゃぁ、ボーイズラブと近親相姦。禁断であればあるほど燃えるじゃない?」


何を言っているんだ?酔っているのか??と思ったら俺に飲むなと言っておきながらもうビールのジョッキ3つ目を飲んでいる。相当なハイペースだな。


「先生。酔ってるんですか??生徒に聞かせて良い話じゃないですよ。」


「わかってるわよ。大丈夫!!今日のことは秘密って言ってるんだから。」


相当信用されたもんだな。なぜそこまで信用するんだ??俺のこと・・・。

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