情報
「全員用意出来ましたか〜??」
俺が背中を見せてケツを振っているといきなり斬りつけてくる。
「うお!!おっし〜〜〜〜ぃ!!」
俺の回避を見て男が驚く。虚を付いて確実に当たると思ったんだろう。あまいわ!!回避は俺の得意科目なんだよ!!
意味不明な思考はさておき、俺は8人と対峙する。
これだけ入れば誰か俺に攻撃を当てることができるだろう。
魔法を準備する者、スキルを使い自信の強化に務めるもの、俺を挟んで対峙するもの。
ほぼ同時に攻撃を開始する。相当訓練されているんだろうね。
俺は笑いながらポケットに手を入れたまま回避し続ける。これは・・・一生当たらない感じがしてきた。男たちが30分ほどの戦闘で息を切らせている。スタミナ不足もいいとこだな。
「もしかしてだけど・・・スタミナ切れ?」
俺の問いに答えない。相変わらずダンマリ野郎だ。
「俺が攻撃するよ。この空間は俺が死ねと思わない限り死ねないから。頭が吹っ飛んで脳みそぶち巻いても死ねないから安心してね。」
俺が男の後ろに回る。男がギョッとした顔をするがそのまま首をあらぬ方向へ回すと・・・ちぎれた。
力加減が難しい・・・。
首がちぎれても首の目がきょろきょろ動いている。死ねないという恐怖を味わっておきなさい。
俺の動きを見て後退りするがもう遅いっす!!
腕をねじり上げるとうどんのように伸びる腕、でも限界に達して千切れる。悲鳴をあげる男の顔に拳を入れ、顔面陥没。膝から崩れて動かなくなる。
胸に手刀が入り貫通して苦しむ男
袈裟懸けに体を手刀で切られて内蔵をぶち撒く男。
頭が体にめり込んで動けない男
両手足が潰れて芋虫になっている男
背骨を折られ綺麗に折りたたまれている男
股を割かれて首の下に股下が来て、内蔵が滴り落ちている女
全員無残な姿になっている。
「さて、俺の勝ちでいいよね。約束通り話してくれるよね。」
俺の笑顔にも何も答えない男・・・。
「約束は守れよ・・・。」
「あの・・・話せないんだと思います・・・。」
拘束されている女が俺に言ってくる。あぁたしかに・・・。胸に風穴が開けば声が出ないか・・・。
俺は仕方なく回復魔法をかける。穴の空いた胸が塞がる。
「心の隙間も埋まりましたか??」
俺が笑いながら言うと斬りつけてきやがった!!
ギャキン!!
肩で止まる剣。男は唖然としている。
「なんだ??その体は・・・。その服は町人の服だろ?防御力がおかしいだろ・・・。」
「違う違う、お前の攻撃力が低すぎるんだよ。」
胸を張る。
「そんなことはどうでもいいや。約束守れよ。全部話せ。そうすれば・・・どうしよう?素直に話せばという条件で生かして返すって言ったんだけどな??」
俺は悩む。
「約束は守る。何が聞きたい。」
「お前らさ、何で急に進化したの?」
「ここにいる改変者によるものだ。改変者はスキルの一種で何でも改造ができる。機械はもちろん、生き物も魔物も、そして人も自在だ。」
面白いスキルだな。俺も欲しいな。
「じゃぁ、何で侵攻してきたの?」
「この世界を我が国のものにして力を付ける。そのために財政破綻しそうな国であるここ、強大な力を持つ魔族領を支配しようと思って侵攻した。」
「財政難だから弱いと??」
「あぁそういうことだ。だが違った。魔物に襲われて大半の船を失う結果になった。」
「あの魔物たちは俺の仲間のラウルの仲間だからな。俺の国を守ってくれている。自主的にだけど・・・。」
「強制ではないのか??なぜ言うことを聞いている?相手は魔物だぞ?」
「お前らは話せないタイプだもんね。人とも、魔物とも話ができない。だから馬鹿をやるんだよ。」
俺はこっちの情報をやるつもりはない。たとえ殺すとなっても解放となっても困らないためだ。
「魔族領は何で??お前ら程度だとどうにもならないだろ?」
俺の言葉にムッとするが
「我らより強い戦士を投入している。圧倒的にな・・・。」
『デュラン、レイにレイリーと連絡取るように言ってくれ。無事かどうか・・・。』
「で、お前らのレベルは?」
「300前後だ・・・。」
「もしかして・・・強いつもり??」
「何が言いたい??300もあれば相当強いだろ?」
「俺の魔物っ子でもそんなに弱くないぞ・・・。」
俺の言葉に沈黙してしまう。
「カミーラ!!こっち来て!!」
俺の呼び出しにすぐに答えるカミーラ。
「恵様、なに??人は食べないわよ。」
まずはそこに釘を刺すんだな。
「彼女のレベルいくらだと思う?」
「魔物??80くらいだろ?人に仕えるくらいだから。」
「カミーラ・・・レベル教えてあげなさい。」
震えるカミーラ。80に相当堪えたみたいだ。
「4000超です・・・。」
全員が目を見開く。
「馬鹿な!!厄災ではないか!!こんな化物がいたら大陸が滅びるだろ!!」
化物という言葉に反応してカミーラの鉄拳が男の顔に当たる。外なら死んでいるだろう。
俺は男に回復魔法をかけて元に戻す。
「女性に化物言わない。」
カミーラが俺に抱きついてくる。
「貴様とそのバ・・・いや、魔物はそう言う関係か?」
化物と言おうとした瞬間にカミーラが拳をあげたので言い直したみたいだ。
「そう言う関係って、彼女はスライムの王だから性別がない。」
全員が驚いている。
「これでスライム・・・。ありえない・・・。」